Are you creative?

Are you creative?


Creative Child.jpg“Are you creative?”と聞かれたとき、あなたはどう答えますか。恐らく9割以上の人は”No”と答えるでしょう。今回は私が最近、非常に興味を持っている分野であるCreativityについて書きたいと思います。

きっかけは昨年、ある会社の社内研修で新規事業のアイディアを社員から引き出すセッションを行って欲しいといわれ、引き受けたことでした。「お前はそんなことまでやっているのか。専門は一体何なんだ。」と笑われてしまいそうですが、広い意味での「グローバル人材教育」と答えています(笑)。その新規の事業アイディアを引き出す研修は今流行のマインドマップを使って行い、突拍子もないような面白いアイディアがいくつも出てきて私にとっても非常に楽しいセッションではありましたが、この体験を通して、今後の成長戦略に困っている企業の実態を肌で感じました。同時に個人として「もっともっとアイディアがいっぱい出てくるように仕切れたのではないか」「日本人独自のCreativityを最大限に引き出す方法はないか」について深く考えるようになりました。

A Whole New Mind.jpg
ハイコンセプト.jpgA Whole New Mind(翻訳:ハイ・コンセプト 新しいことを考え出す人の時代)、Daniel Pink著・大前研一訳」によると前回の記事、「グローバル化を考える」で書きましたアメリカでサービスの国外アウトソーシング化が起こっていく過程で、知的労働者の価値がどんどん下がっていき、代わりにCreativeな人材に対する需要が急速に高まっていったことが記されています。1993年大手コンサル会社のマッキンゼーのコンサルタントの内60%以上はMBA(経営学修士)を持っていたが、10年もしないうちにその比率が40%程度に下がっていった。今では競争率が10倍前後のハーバードビジネススクールに対し、UCLAのMaster of Fine Arts(美術学修士号)の競争率が30倍を超え、MFAがMBAに取って代わる時代となったと主張しています。

そういえば今日の日経新聞にも「日本は追いつけ資本主義は得意だが、未知の場面が来ると戸惑ってしまう」と書いてありましたね。「より安く、より効率的に」からのパラダイムシフトが起きている中、今後の鍵になってきているスキルの一つは間違いなくCreativityであると思います。ここ1年に渡り、多くのCreativityの研究書などを読んだり、Creativityの権威といわれている人達の話を聞いてきました。でも大部分が欧米人の研究で、「日本人による日本人のCreativityをどう引き出すのか」の研究はあまり見ません(もしどなたか知っていたら教えてください)。今後このブログを通してCreativityについても考えていきたいと思います。


Posted by Masafumi Otsuka

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comments

    Aug 18
    2009

    nao

    「日本人による日本人の・・・」たしかにそうですね!よく考えてみれば目から鱗。
    あえて言えば、佐藤可士和とか、佐藤雅彦ではないでしょうか。どちらも広告代理店出身ですね。佐藤雅彦先生は、あの「だんご3兄弟」を作った人。
    ただし、佐藤雅彦先生のほうがどちらかというと引き出し方についても書いてあると思います。でもアメリカ人たちが一冊の本にするようなやり方とは違うので、企業研修に使えるかどうかは?。amazonでいろいろ見てください。

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    Aug 19
    2009

    Masafumi Otsuka

    naoさん コメントありがとうございます。聞いてみるものですね!日本にもCreativeな人は沢山いるのですが、それを体系化している人はいないといのが私の印象だったので、具体名が出てきて非常にうれしいです。佐藤真彦先生についてAMAZONで調べてみました。沢山本を出していますね。どの本が一番参考になりましたでしょうか?教えてください!

    Reply
    Aug 20
    2009

    新良幸太郎

    大塚さん
    大塚さんの文章は、読みやすくて為になります。見習うところ、いっぱいです。
    さて、今回のお話。
    創造力=芸術的才能は、特にビジネスにおいて、疑うべきだと私は思うのです。
    創造力は、芸術と結び付けられて考えられがちです。
    日本でもCreativityを磨くには、特にベンチャー事業をもっと増やすにはどうしたら良いかという観点からも、盛んに議論されて久しいように思います。
    でも不思議だと思いませんか。あまり結果が出ていない。
    この創造力=芸術的才能のアプローチ、こと日本人には効果的ではないのではないかと疑い始めた頃、興味を持ったのがnaoさんが挙げられた佐藤可士和さん。
    佐藤さんの本は大変面白かったので、お勧めします。
    この人の創造へのアプローチの肝は「整理」です。
    ひたすら顧客の置かれた状況、ニーズをヒアリング、観察して情報を集め、整理に整理する。結果、何かが体系化されて見えてくる。
    混沌とした情報から、とにかくシンプルなエッセンスを搾り出す、これがポイント。
    やるべきことの骨組みが見えたら、後は自分の持っているデザインの引出しから必要なものを取り出して組み立てるだけ。
    つまり、佐藤可士和さんが日本人の中にあって特に秀でているのは、整理→体系化の部分です。実は、日本人が苦手なのはこの部分で、反対にアメリカ人が得意なのがここです。
    アメリカの経営学の本を読むと、コンセプトやチャートがいっぱい出てきます。
    日本の経営学はどうでしょう。ひたすら言葉です。
    私は日本人です。アメリカ人を真似て、複雑なものをシンプルな概念に落とし込もうとするのですが、本当に難しい。でも一方で、その大切さもここ数年でよく分かるようになりました。
    特に起業するのならば、整理に整理し、体系化してパッと誰にでも分かるようにすることは大事ですよ。でないと、資金が付きません。ベンチャーキャピタルで働いてみて、つくづく実感しました。
    他方、ソフトやコンテンツを取込み、応用することにおいて、日本人の能力は突出しています。たとえば家のインテリア、音楽、料理を考えてみてください。いろんな国のものが混ざり合っています。畳とシャンデリアの並存、サンバもロックも歌う演歌歌手、中華も洋食も和食も作る主婦。アメリカ人は、こうした器用さを持ちません。
    こういうことは日本だから起きるのです。マルチな分野でまったくトーンの違う作品を生み出せる佐藤可士和さんも、こうした日本人の一人なのです。
    育った環境でやっぱり強み、弱みが違うんですね。
    環境が、アメリカ人を整理→体系化できる人に育ててきた。
    環境が、日本人をあらゆるものを柔軟に組み合わせることができる人に育ててきた。
    アメリカ人が芸術の学位を目指すなら、日本人には整理→体系化を鍛えるべき(自戒も込めて)、じゃないでしょうか。最近、ようやく整理の結果、まとまった私の結論です。
    佐藤可士和さんの本はこちら→ (http://www.sinkan.jp/special/adbook/kashiwa/index.html)

    Reply
    Aug 22
    2009

    nao

    こんばんわ。佐藤雅彦さんのは講義すごく面白いのですが、本は講義の1/3かもしれません。全部よんでないので、きっとそのほかにいいのがあるかもしれませんが、「プチ哲学」(4コマ漫画)なんかは、佐藤雅彦さんの「日常の!を見つける」とか「日常にころがっている”差”を発見」がわかりやすくかかれてます。普段なにげなーく接している事象の中でも「あ!」と思う部分をうまく、Creativityにつなげるというか。あと、佐藤雅彦さんの特徴はリズム、でしょうか。日本語のリズム感をうまく使ったキャッチコピーなんかは素晴らしいものがあります。
    佐藤可士和さんのは、実は本は読んでません、雑誌にやたら出てた時期があったので、雑誌の対談とか、インタビューを読んで感銘をうけてたのでした。
    ↑新良さんお勧めのは読んでみたいとおもいます。

    Reply
    Aug 24
    2009

    Masafumi Otsuka

    新良さん いろいろと教えていただき、ありがとうございます!早速本を注文し、本日届きました。今から読むのが楽しみです。仰るとおり、私も「Creativity=芸術的才能」という見方はしていません。もっとシンプルに「誰でもCreativeな部分は持っており、どうしてそれが失われたのか。どうやったらそれをRegainできるのか」という問題と捉えています。
    その中で、次の記事で書こうと思っていますが、もっとも大切なのがRiskを取る姿勢ではないかというのが、最近私が感じていることです。Riskにもアイディアを口に出すかどうかという小さなRiskと起業をするという大きなRiskといろいろな種類があると思いますが、とにかく笑われるのを恐れずに口に出してみたり、失敗を恐れずに行動を取ってみたりしないという、もっと大きな問題として捉えています。ある有名なCreativityを研究しているイギリス人が”If you’re not prepared to be wrong, you’ll never come up with anything original.”といっていたのが私には大きく響きました。
    整理→体系化はもちろん鍛えなければなりません。その整理を行う前情報を取る為の行動を起こさなければならず、このRiskを取らない、取れない人が非常に多く感じます。私がやっているセミナーも普段日本語でも発言しないだろう人に、どうしたら英語で発言させるかというRiskを取りやすい環境をどう作っていけるかがもっとも大きなChallengeとなっています。感覚的でまとまってなく、すみません。またいろいろと教えてください。

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