Positive Criticism

Positive Criticism



Positive Criticism。 直訳すると「建設的な批判」になります。例えばプレゼンを行った後、自分のパフォーマンスがどうだったか。きちんとメッセージが伝わったか。正直な感想を知りたいと思いますね。いや、「知りたくない!もう忘れ去りたい!」という方々の方がが多いかもしれません。私もそうでした(笑)。しかし本気で上達をしたいと思う場合、本心はどうしても聞きたい。しかし、実際にPositive Criticismを得ようとすると非常に難しいことがすぐに分かります。

何故か。日本語でコミュニケーションを図る際、最も大切になるのは対話相手の「気持ち」であるとこのブログで何度も書いてきました。この「気持ち」を大切にするあまり、普段から面と向かって批判されているのに慣れている日本人は少なく、わずかな批判でも実際にされると気分を害してしまう。ひどい場合は「批判」を「否定」に捉えてしまい、過剰に自己防衛してしまうか、気分を害して殻に閉じこもってしまい、今後の関係にひびが入ってしまう。よって建設的なフィードバックを行いたい時は、相手の顔色を伺いながら、「どこまで言っても傷つかないか」を計算しつつ、深いところまで空気読み、言うか全く言わないか常に悩んでしまいます。そしてほとんどの場合、後者を選んでしまう。

私自身も見に行ったプレゼンの終了後に「どうでした?」と良く聞かれます。聞かれた以上、正直な感想を言うべきかもしれませんが、やはり私も嫌われたくない。だからすごく空気を読んでしまいます。そしてどう考えても正直なフィードバックが言える雰囲気のない人に対しては(今後のその人との関係をダメージしない為にも)ついつい正直な感想をいえず、言葉を濁してしまいます。先日聞いたプレゼンでは終了後、「この人なら大丈夫だろう」と思い、正直な感想を伝えに行こうとしたところ、既に人だかりが出来ていて「いや、素晴らしいプレゼンで大変勉強になりました」と褒めているものだから、本人もすっかり上機嫌になってしまい、伝えるのをやめてしまったことがありました。感想はあくまでも私の主観ですのでもちろんいろいろな意見があって良いと思いますが、やはり伝えられなかったのは残念でした。

終了後のアンケートで良いのではと思われる方が多いと思いますが、聴衆の早く帰ろうという心理とここでも相手の気持ちを害したくないという心理から、多くの方が当たり障りのないことを一行二行しか書きませんので、なかなか本音は聞き出せません(口頭よりは正直な感想は聞けますが)。名前を書かせるアンケート等、言語道断です。

それほど正直な感想を言ってもらえるのは難しい。私自身セミナーを行う際、Positive Criticismを得るのにいつも困ってしまいます。正直に言ってもらえる友人は何人かいますが、毎回来てもらうわけには行きません。知りたいのは「良かったよ。素晴らしかったよ。」より「ここをこうしたらもっとメッセージが伝わるよ」という改善点です。

最近、ビデオ取りして後で見るという手法を試しています。これはとても照れくさいのですが非常に参考になります。どれだけ自分を厳しく見れるか。客観的に見れているかはイマイチ自信はありませんが。。。あとは出来る限り何を言われても受け止められう雰囲気を作ろうと心がけていることくらいでしょうか。うまく説明できないのですが、こうしたオーラを持っている人をたまに見かけます。皆さんはどのようにして正直な感想を得ていますか。どのようにして次のプレゼンをImproveしようとしていますか。是非教えて欲しいです。


Posted by Masafumi Otsuka

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    Oct 28
    2009

    Masafumi Otsuka

    石倉先生とは10年前にはじめてお会いして以降、何度も会っています。ダボスでモデレータとして招待される数少ない日本人で、彼女の英語でのDiscussionを仕切る能力の高さはDarden時代(彼女は客員教授として教えていました)に実際に体験しました。先日もお会いしたのですが、話しているとどんどん新しいアイディアが出てきて、非常に刺激を受けます。Positive Criticismをしてもしっかりと受け止めてくれるオーラのある人です。

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