新たな挑戦

新たな挑戦


take off.jpg年明けのリリースを考えている法人向けグローバル人材育成プログラムがようやくまとまりつつあります。これは過去2年に渡り、「いま世界ではどのようなことが起きていて、どういったスキルの人材が求めれているのか」について「英語仕事人に聞く」というインタビュー企画をはじめ、多くの方々の意見を聞き、また過去の自分の経験も踏まえ、いろいろと試しながら考え、作りあげてきたものです。

結局今後大切なのは「世界標準となっている英語によるコミュニケーションの取り方」、「Discussionを通じて問題解決を行っていく際、きちんと参加、貢献していくコミュニケーション力・マインドセット」を身につけさせることであり、これを3ヶ月で一気に身につけるプログラム構成になっています。もちろん今後もさらにいろいろと試しながら修正を加えていきますが、ようやくこのブログを通して報告してきた試みが実を結びそうです。それにしても今年に入って、自分でも驚くくらい、いろいろな発見がありました。

全てはOne risk, one dayをモットーに普段絶対にやらないようなことに一日一つあえて挑戦してきた結果です。前回書きました、Michael Porter教授が講演で「戦略において一番大切なのはbestを目指すことではなくuniquenessを目指すことだ」といっていましたが、私自身のuniquenessの一つに「普段我々日本人が無意識に行っているコミュニケーションの取り方がよく見えている」ことに気づいたのは大きな発見でした。

これが見えると、日本人としてのどんなマインドセットが日本人のグローバル化を邪魔しているのかが良く見えてきます。例えば:

  • 日本人同士会話をしている時、話している内容をきちんと理解するよりも話相手を不快にさせないことの方が優先順位が高いこと。
  • 価値観が共有されている為、よほど気をつけて話さないと意見の違いが(言い方によっては)人格の否定に受け止められる可能性あること。
  • 知識も共有されている為、知らないのは恥ずかしいことになってしまう。その為分からないことがあったら人に聞くより自分で調べてしまうこと。
  • 大人数の前で発言することに抵抗があり、人前で主張・発言しなければいけない場合、日本流TPOをわきまえ、いろんな制約の中で発言しようとすること。
  • そしてどんなことをいっても大抵の人は「何かバカなことをいってしまったのではないか」とあとで心配してしまうこと。

等、数を上げれば切りがありません。「言語は文化を映し出す鏡」とある人類学者がいいましたが、こうした文化的背景から発展したコミュニケーションの取り方が世界標準のものとはあまりにもかけ離れていることに多くの日本人のグローバル化を阻む根本的な問題であるが良く分かりました。

プログラムには3つの柱で構成されています。一つ目はDiscussionにおける貢献の仕方を教えること。10人程度で誰でも感情移入できるような身近な問題をDiscussionを通じて解決していき、Discussionとは何か、どういうやり方で行われ、自分なりにどのように参加・貢献していけば良いのか気づいてもらうこと。法人を相手に考えていますので社内の外国人にも参加してもらう。するとどうしたら日本人の良さを引き出すことができるのかという気づきも与える可能性も出てきます。

そして2本目の柱としてはコーチング。ひとりひとりのDiscussionでのパフォーマンスをきちんとフィードバックします。「あなたの発言がその後のあの発言を引き出し、それがこのDiscussionの大きな貢献になった」ことをきちんと教えてあげること。また、誰しもが思う「本当はあそこでこういいたかったんだけど恐くていえなかった」ことに対し、「あそこでそれを持ち出していたら**という形で議論が深まったのに。。。」など伝えると気持ちが楽になる人が多い。大体10人くらいのDiscussionを仕切っていると誰がどこでおいていかれそうになったかが分かるので、「どうしてあそこで確認作業をしなかったのか」というアドバイスもできるわけです。

そこで出てきたそれぞれの課題を3本目の柱である電話・Skypeによるプライベートレッスンで徹底的にトレーニングさせる。ここでは弊社の講師陣に5分~10分程度の今後の仕事に役に立ちそうな世の中で起こっている面白い出来事やコンセプトについて話させる。ここで受講生は何度も何度も確認作業を行わせ、100%話の内容を理解しようとするコミュニケーションの取り方を徹底的に覚えさせる。そしてその話・コンセプトを現在の仕事に応用できないかを話し合わせる。終了後に話し合った内容を400 word以内(A41枚程度)のレポートにまとめさせて提出させる。もちろん受講生の方からストーリーを説明し、会話をリードさせる逆バージョンもやらせる。

そして再度Discussionに望む。こうしてこの3つの柱でシナジーを出し、3ヶ月間で世界基準のコミュニケーションの取り方を一気に覚えていただきます。Discussionは月2回。プライベートレッスンは週2回(1回25分)。最後のDiscussionは実際に会社で抱える問題を題材に外国人社員を交えた問題解決セッションが出来ればと考えています。

このプログラムのパイロット版を実際に何社かで試してみましたが、ちょっとした気づきで一気にグローバル化する瞬間を見ると本当にうれしくなります。もちろんまだまだ改良の余地はあると思いますが、自分のuniquenessが社会の役に立てるのではないかと考えるだけでもワクワクしてしまいます。このブログで情報発信しているお陰か、同じ志を持つ人と何か一緒になって大きな動きを起こしていきたいと熱く話し合う機会が増えてきています(笑)。


Posted by Masafumi Otsuka

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comments

    Dec 28
    2009

    nao

    産みの苦しみってやつですね。
    デザイナーさんのコメント、いいなぁ、面白い。うーん、ベタなキャッチで
    いいなら、「地球人で行こう!」なんてのはどうでしょう。
    大塚さんや黒田さん(PFC)のやろうとしていることって、「ビジネス地球人」としての在り方をつくろうとしているんだなと思ってます。

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    Dec 29
    2009

    Masafumi Otsuka

    苦しんでますよ。うちのデザイナー、占い師でもあり、時々どう解釈したらいいのか困ってしまう不思議なことを言い出します。でもちゃんと見捨てずに引き出してもらっています(笑)。Suggestionありがとうございます!どうしても地球人で行こうというと旅行会社を想像してしまいますが、ビジネス地球人というと「うん!?何それ?」と思ってしまう。いいかも。

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