その場で全員で考える
まずはちょこっと告知。水曜日にプレスリリースしましたが、今週22日(土)午前10時から行うセミナー、「リーマンショックが世界を変えた-ビジネス英語がこう変わる」をUstreamというインターネット放送局を使い、ライブ配信します。昨日リハーサルをしましてて友人に問題なく見れているよといわれた時はさすがに感動しました。すごい時代になっています。視聴には当日→http://ustre.am/hxk3/をアクセスください。
さて、今回の記事。先週土曜日に「グローバルエンジニアに求められるビジネス感覚」というセミナーの報告。「株価はどう決まるのか」というテーマでディスカッションを行いました。今回は100%日本語。日本語でのDiscussionを仕切るのは初体験。「お前はいったい何を専門にやっているんだ?」と突込みが入りそうですが、「広い意味でのグローバル人材教育を行っている」と答えています(笑)。セミナーのタイトルに「感覚」と書いてあることがポイント!
どうやって「なるほど!そういうことだったんだ」という状態に持っていくか。以前”Untying the knots”という記事である優れた授業の進め方として「まずは大きなナゾからはじめる。そしてナゾがナゾを呼び、複雑に絡まったヒモのような状況にしていく。そしてそのヒモを一つ一つ解いていく手伝いをしながらナゾを解明していく。」と書きましたが、今回まさにそれに挑戦してみました。
私はファシリテーター(議事進行者)に徹して質問だけする。そして全員でああでもない、こうでもない、いいながら株価の決定要因について考えていく。株価の決まり方は別に正解がある訳ではありません。ただ、基本的な考え方というのはあり、それだけは伝えようと、そこに向かっていく形でDiscussionを仕切っていきました。
まず、アメリカのある会社が四半期決算の発表で利益が前年同期比で86%増を発表したにも係わらず、その日に株価が3割落ちたというナゾからはじめました。何故そうなったかについて2-3分議論し、ナゾを深めます。そこで一気にギアチェンジ。
「今1億円をもらうのと1日千円を10年間に渡ってもらうのと、どちらを選ぶか?」
「千円ではなく1万円だったらどうか?」
「1万円ではなく10万円だったらどうか?」
ここからはテンポ良くバンバン人を当てては答えてもらい、理由を言ってもらいます。すると部屋全体が思考モードに入っていくのを肌で感じます。そしてあなたにとって一日いくらあげれば今1億円を渡すのと一致するのか。全員で考えていきます。ある程度煮詰まったところで、またギアチェンジ。
「明日あなたが死ぬと仮定して、配偶者が困らないように毎月20万円を10年に渡ってあげる保険を今日買うとします。いくらで買いますか?」
ここで、はじめて「誰がその金額を支払うのか(リスクファクター)」の話が出てきたりして、それに応じて具体的な金額をはじき出していきます)。別に正解はありませんが、今回は三菱東京UFJ銀行が支払うのだと2,200万円で買う。私が支払う場合は1,800万円で買うという結論に達しました。信用力を考えると私だったら私が保証するこの保険に1,000万円も出しません(笑)。
国債の市場価格はこの原理で決まっている話を実際に例を出し、説明した後に、同じ考え方を株価の算出に応用できないか、みんなで考え始めます。
そうして、何となく株はこのように決まっているのかな、という感覚を持って帰っていただきました。今回の自己採点は70点。次回はもっとうまく仕切れそうです。前にも書きましたがこうして「その場で」全員でオープンに考え、決めていくスキルが今後グローバル人材として大切なスキルの一つと考えられ、今回日本語でもこれが出来たことは私にとってとても良い収穫となり、また自信にもなりました。
さあ、明日の生中継。嫌でも気合が入ります。是非見て率直な感想(Positive Criticism)を送ってください!
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