やる気を如何に引き出すか

やる気を如何に引き出すか


loyalty_cards.jpg最近本を読んでいて、はじめはダラダラと読み、「今日は一章分読むぞ!」と気合を入れないとなかなか進まなかったものが、中盤を超え、終わりに近づくと、読むスピードと意欲があがっていることに気づき、「なるほど、そういうことか」というちょっとしたA-ha moment (気づきの瞬間)がありました。

「お客さんの忠誠心(loyalty)をどうあげていくか?」
ビジネスに携わる者だったら誰でもその答えを知りたい。”Yes! 50 secrets from the science of persuation (邦題:影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣)”にそのヒントになりそうな面白い話を発見。これはある心理学者達が行った実験です。

まずCar Wash(洗車事業)を行っている人に依頼し、8回洗車すれば1回タダというスタンプカード作り、300枚配る。日本でいかにもファーストフードやクリーニング屋がやってそうなポイントカードを配るというイメージです。でもその中でちょっとだけ仕掛けをしておく。


半分(150枚)は普通に8コスタンプが貯まったら1回無料にする通常のスタンプカード。すかさず自分の財布をチェック。コーヒー豆屋、DVDレンタルスタンプカード、ファーストフード(定食屋を含む)4件と「よくもこんなに出てくるな~」と感心。いかに普段から財布を整理していないのが、ばれてしまいます(笑)。目標のスタンプ数はともかく、みんな似たような感じでした(写真参照)。

さて、ここからが面白い。心理学者たちは残りの150枚はスタンプ8コではなく10コで1回タダのスタンプカードに変え、事前に2コスタンプが押す仕掛けをする。

洗車8回で1回タダという前提条件は全く変わりません。はじめに1つスタンプを教えてもらい8つ集めて1回タダになるのか、3つからスタートして10コ集めてタダにするのかだけの違いです。

数ヵ月後調査を終え(恐らく有効期限をつけたと思われます)、結果を見たところ、驚きの結果が出ます。無料洗車にたどり着いた割合が8コ組は19%だったのに対し、10コ組は34%だった。倍近い!それだけではありません。10コ組の方が8コ組と比較し、約3日早く目標に到達したといいます。つまり売上もリピートサイクルも向上したというのです。

うん!?ちょっと待てよ。先程自分の財布から取り出したポイントカードを全て並べてみると、どこもゼロからスタートしている。これはもったいない。わざとか?Tsutayaさん、Subwayさん、2個くらい押してください!

「このコンセプトを読書以外で生活の中で使えないか。」と考えてみると面白い。To do listなんかもそうですね。私は毎朝会社に来てTo do listを作っています。今までは重要なものからやるようにしていましたが、最近片付けやすい、一番手間と時間のかからないものから消していくように変えるようにしています。すると終盤、乗ってきます(笑)。

他に何かこのコンセプトを転用出来ないか。今度Discussionの教材にでもしたいと思います。面白い意見が沢山出てきそうです。


Posted by Masafumi Otsuka

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comments

    Aug 10
    2010

    宗像 淳

    僕の場合は、終わりの見えない大変なタスクに着手する場合には、他人の頭を借りる事にしています。
    とにかく関係者を集めて、まずブレストをします。
    例えば、こんな感じです。
    「これこれこういう事がやりたいんだけど、この当りが難しくて、進め方がわからないんですよ、どうしたらいいと思います?」
    自分一人で悩んでいた時よりも、考え方のヒントとか、糸口みたいなものが出てきやすいように思います。
    これも助走をつけるためのテクニックと言えるかもしれません。

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    Aug 11
    2010

    Masafumi Otsuka

    そういった頼れる人がすぐ周りにいるのは羨ましい。一人ぼっちでやっている会社なのでSpontaneousなミーティングが出来ないのが残念です。そうだ。そういったときは宗像さんに電話しますね(笑)!着信拒否しないでくださいよ!

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    Aug 13
    2010

    宗像 淳

    いつでもどうぞ(笑)
    お互い気軽に相談できるネットワークを会社という枠にとらわれず構築しておきたいですね。
    LinkedInのようにソーシャル・メディアのビジネス活用は面白いと思います。

    Reply
    Aug 15
    2010

    Masafumi Otsuka

    仰るとおりですね~。やっぱりコミュニティーは作っておいたほうがいいと思いますね。今世界で何が起こっていて(現場の第一線の人からの書き込みもあり)、広い意味でどういった人材が必要になっているのか。この複雑な時代。状況だけでも正確な情報シェアできるコミュニティーは必要ですね。やりましょう。

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