英会話とGlobal Communicationの違い

英会話とGlobal Communicationの違い


eikaiwa_vs_communication.jpg「録音した自分のレッスンを聞き直すのにすごく時間がかかる」

大きな気づきの瞬間というのはなかなか訪れるものではありません。今まで「英語と日本語とではコミュニケーションの取り方が違う」や「TOEIC(R) 500点持っていれば語彙力は十分。あとはどうそれをツールとして使いこなすかが問題」など書いてきました。どうしたらもっとシンプルにこうしたことを伝えられるか。今回「ハッ」とした出来事がありました。

きっかけは現在行っているちょっとした実験です。題して「英語によるコミュニケーションの取り方」のコーチング。いろいろな方から様々な悩みを聞いているうちに、具体例、特に自分が体験したレッスンを使って指導するのが最も効果的なのではないかと思い、はじめたもので、まずはSkypeで行ったプライベートレッスンを講師側で録音。それを私が実際に聞く。そして後日、「何故あそこで置いていかれたか」、確認作業の行い方を具体的に指摘したり、いきなり聞かれ答えられない時、「私だったらまずこういってみる」等、感じるままにアドバイスをしています。

私は単語集・表現集とかあまり好きではありません。でもほとんどの人が出来る限り多くを覚え、それに頼ろうとする。私が単語集・表現集が好きでないのは、いつ使うか分からないものをひたすら覚えてもいざというときに出てこないからです。逆に覚えたはずの表現を探しにいって固まってしまう悪循環に陥るケースが多い。でも実際に自分のレッスンを元に「こういってみたら」と学ぶ表現は効果的であるとやり始めてから感じ始めました。

レッスンは受講生側にも必ず録音してもらいます。そして私が講師と同じトピックについて話したVoice fileをダウンロードして聞いてもらう。そしてこのコーチング。

先日ちょうどある新規受講生にコーチングをしていたら、ボソッと、「自分のレッスンを聞き返すのにすごい時間がかかる」という。聞き取れなかった箇所を巻き戻し、聞き直し、「ああ、そういうことを言っていたんだ。全然違う答えをしていた」と気づく。これを聞き、「それだ!」と飛び上がるほどうれしくなりました。

「恐らくこういっているだろう」ではなく聞かれている内容をきちんと確認作業をする。日本のコミュニケーションスタイルが「察し」を大切するあまり、全く同じことを英語でも無意識にやってしまう。

レッスンでは冒頭でウチの講師がジャンルを問わず知的好奇心を刺激するような面白い話をしだします。これ一方的に聞くのではなくコミュニケーションを通じて理解する。絶えず「なになに。いま**ことを言っているの。」と確認作業を行い、「どう思う?」と聞かれるまで待つのではなく、「何でそうなるの?」と逆に抱き込んでいく。またその話から何をLearnできるか、今のお互いの仕事・プライベートの状況にそのコンセプトを応用できないかブレストする。レッスン自体はそういったことを目標にしています。

さて話を戻して、その方の話をさらに聞いて見ると本人は「恐らく」ではなく「こう聞きかれたに違いない」とレッスン時にはほぼ確信を持って答えていたという。でも終わって音声を聞き返すと違っていたことが分かる。

一般英会話をやっているのか、グローバル・コミュニケーションを図っているのかの違いはここにあると感じました。つまり英会話は単語や表現を中心にテープを何度も聞きなおし、「そっか、そういうことをいっていたのだ」とこうした聞き取れなかった単語や表現を覚える。対してグローバル・コミュニケーションは話されているトピックが主役なので通常であればその場で話がかみ合わないとおかしい。後で聞き返したとき、止めるという事は英会話をしており、そのままスッと聞き流せるのがグローバル・コミュニケーションなのではないかと大きな気づきを得ました。

これはリトマス試験紙のようなものだと思います。是非英会話スクールに通っている方やオンラインレッスンを受講されている方はレッスンを録音してみて、ちゃんと話の内容がかみ合っているか。録音を止めないで一発でちゃんと聞き取れているかを、チェックしてみてください。前者だったら英会話、後者だったらきちんとグローバル・コミュニケーションを図れていると考えて間違いありません。

その方には「ちょっとUncomfortableかもしれませんが、何か聞かれたときすぐに答えるのではなく、必ず”So you’re asking me that…”と確認を取ってから答える」ことを訓練だと思ってやって欲しいと伝えました。3回のレッスン後に再度コーチングセッションが入っているので今から楽しみです。


Posted by Masafumi Otsuka

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