ユニークな自分の見つけ方
…human resources are like natural resources; they’re often buried
deep. You have to go looking for them. They’re not just lying around on the
surface. You have to create the circumstances where they show themselves.
(Ken Robinson, TED Conference 2010)
石倉洋子さんの新書、「グローバルキャリア(ユニークな自分の見つけ方)」という本を読み終え、CreativityやInnovation研究で有名なKen Robinson氏が昨年のTED Conferenceで語った冒頭の言葉を思い出しました。
いつも通りスーパー意訳しますと「個人の才能(人的資源)は天然資源と同様、深い所に埋まっている。浅い所にはないので探しにいかなければならない。(だからこそ)こうした才能が自然と浮かびあがってくる環境を作ってあげないといけない」と。
私にはない、羨ましいほどの才能を持っているのに、それに気づかないのか、見て見ぬ振りをしているのか、それを仕事に生かさず、与えられた仕事をつまらなさそうにこなしている人が非常に多く感じます。
それに比べ、楽しそうに、伸び伸びと自分の才能を発揮して仕事をしている人たちがいる。こうした人たちの特徴をみると、そんなに深く考えない。その時面白いと思ったことをとりあえずやってみる。すると何か新しい出会いがあったり、新しいことが見えてきたりして、次は全然違うことをやっていたりする。時にはうまくいかないことがあっても、逆にそうした壁に当たることによって自分の強みや個性を発見していって、どんどん進化する。そして自分にしか出来ない新しいフィールドを自ずと切り開いていく。
石倉さんは多くの人は今でも「ベスト(best)」になることを目指しているといいます。ベストになること。それには人と同じ土俵で競争しなければなりません。自分が何が好きかとかやりたいかとかは考えない。与えられた環境の中でとにかくベストを尽くす。特に私のような第2次ベビーブーム世代は受験戦争など絶えず競争社会の中で生きてきた為、この感覚が強い。競争に負けない為に常に走り続けなければならない。「やばい。勉強をしなきゃ!」という口癖が直らないのもこうした時代に育ったせいだと思っています(実際に勉強するワケではありませんが・笑)。
石倉さん曰く、
「自分のキャリア、業界、企業、働く場所などを、自分で決めずに、周囲に任せてしまっている人は意外に多いようです。自分ではそう意識していないとしても、私たちは周囲の期待にこたえよう、周囲の意見を聞いて決めよう、家族に喜んでもらえるような意思決定をしようと思っています。」
そして「人生において自分が主役である」という感覚が知らずして失われていく。と。
誰しもが「ユニークさ」を持っていると石倉さんはいいます。ただ、本人が気づいていないだけだと。この言葉には非常に勇気づけられます。
ユニークな自分を発見する第一歩として、石倉さんはまず「自分を『オープン化』しなければならない」といいます。これには激しく同意します。まず自分はどういう人間で、普段どういったことを考え、何を目指し、何故それが自分に取って大切なのか。こうしたことを発信していく。私はこのブログを通して自分をオープン化しているつもりです。そうすると色々な出会いがあったり、「こういったことを一緒にやりませんか?」と新しいことをするチャンスがもらえる。そしてそれに挑戦することにより、さらに自分のユニークさを発見。それをブログに書いたり人に話したりするとまた何かチャンスが与えられる。こうした良い循環(positive spiral)が自然とまわりだす。
冒頭のRobinson氏の「(自分の)才能が自然と浮かびあがってくる環境を作り」とはこのことなのではないかと本を読んでいて感じました。よく「ブログを書いていたり、自分をオープン化すると公に誹謗中傷などされることありませんか?」と聞かれますが、正直、全く嫌な思いをしたことがありません。逆にいいことづくめで、周りに自分の個性をより引き出してもらっているように感じます。
石倉さんは私のビジネススクールの先輩ですが、話しだすと新しいアイディアがどんどん出てきて、無意識のうちにタメ口(笑)になってしまうほどyoung-heartedでいつも良い刺激を受けています。
「人生そんなにまじめに考えず、思いっきり個性を発揮して、楽しく生きようよ。大きく時代がが変わった今、世界はあなたのユニークさを求めてるんだよ。」と優しく語りかけるような口調で書かれたこの本。現在キャリア形成に悩んでいる20代、30代の方々に是非読んでほしいと思います。
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