One risk, one day
“If you’re not prepared to be wrong, you’ll never come up with anything original.”(Ken Robinson, TED Conference)
以前TED Conferenceの記事で紹介しましたCreativity研究の第一人者であるKen Robinson氏のスピーチに刺激を受けて、Creativityのバイブルといわれる本を何冊か読んでみました。その中で、特に面白かったのはこの3冊。
これ以外にも何冊か読んだのですが、その大部分は「How to 本」でどうもピンと来ません。「How to 本」に共通する特徴は「こういった技を使えばCreativeな発想が出てくる」というもので、小手先のテクニック論に終始しており、根本的な問題解決になるように思えません。最近こういった本がよく売れているような気がします。「こうすればネイティブのように英語を話せるようになる!」や「こうすれば年収が3倍になる!」など。余談でした。。。今回はCreativeになる為に必要なマインドセットについて考えたいと思います。
さて、今後どうしてCreativityが重要になるのか。「ユネスコによると(途上国の生活水準向上と教育インフラが整備されつつあることにより)今後30年間で学位を持つ人間の数は今まで与えてきた学位の総数を超えるとのこと。そうすると、今まで一部の国でしか量産できなかった知的労働者が世界中で溢れかえることになります。そういったパラダイムシフトが起きている中、(特に人件費の高い先進国では)Creativity(新しいもの・サービスを作っていくスキル)は今後Literacy(識字能力)と同じくらい大切になってくる。」これは前出のRobinson氏がTed Conferenceで語った言葉です。
Creativityという真っ先に「芸術的な才能」を思いがちですが、私はもっと身近な問題に捉えています。「私はCreativeでないから大企業に向いている」といっていた友人がいましたが間違いなく誰もがCreativeな才能は持っています。しかし、学生生活、社会人生活を営む過程でこうしたCreativeな才能は少しずつ死んでいき、いつの間にか新しい発想が出来なくなってしまっている。変なことや突拍子のないことを言ったり行ったりして笑われたり、バカにされたくないですからね。
紹介した3冊の本で共通して書いてあったことが、Creativityにはrisk takingがつきものであり、risk takingには多くの失敗が伴う。しかし我々の教育システム自体が間違いを罰することを中心に行っている為、現在社会で求められる人材とその教育を行う機関の間に大きな溝ができている。まずはこの溝をしっかりと認識した上で、Creativeになる為のマインドセットを形成することが重要であると説いています。
そして究極的なマインドセットとして
「最近何か失敗をしたか。恥をかいたか。失敗や恥をかいていないことは自らのcreativityを放棄している何よりの証拠である。」
というメンタリティーに行き着くこと。結局我々は”Trial & Error”という言葉を良く口にするが求めているものは”Trial & Success”であり、このギャップをどう埋めていくかがCreativeなマインドセットを形成する鍵になりそうです。
もう一点。リスクについて非常に心に響くことが書いてありました。それは”To fight a bull when you’re not scared is nothing and not to fight a bull when you are scared is nothing. But to fight a bull when you are scared is really quite something.”人から見たリスクではなく自分が恐れと感じることに挑戦することがリスクであるという定義です。
前回の川井拓良さんといい、私が「この人こそグローバル人材」と感じる人は必ずこうしたメンタリティーを持っています。しかし偉そうに書く私がそういったメンタリティーを持っているかというと、未だ程遠い感があります。正直、失敗をしたくないし、恥はかきたくありません。そこでこのメンタリティーを自ら身につけようと昨年の秋から”One risk one day”という考え方を実践しています。
文字通り、一日一リスクをとっていくというコンセプトです。ちなみに今回の写真は私のPCの壁紙にしています(笑)。ある日突然大きなリスクを取れるわけはなく、普段からRiskをとっていく習慣を身につけようと行っているものです。大小問わず一日一つだけ何かリスクを取っていく。プレゼンが苦手なのにプレゼンの講師を引き受けたのもこうした発想に基づいたものでした。普段履かない靴下をあえて履いてみるという小さなリスクでも構わない。とにかく「自分が恐れを感じること、uncomfortableに感じること」を実践するように心がけています。それでもやはり恥をかくのは慣れず、未だに行動を躊躇してしまうことは少なくありません(笑)。挑戦して失敗した自分を褒めてあげるメンタリティーを、Creativeなメンタリティーを身につける道のりは遠そうです。。。
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