Michael Porterのメッセージ力

Michael Porterのメッセージ力


michael porter.jpgMBA留学時、Strategy(戦略論)でBマイナスの成績をつけられ、これではまずいと帰国後、戦略論の権威であるハーバードビジネススクールのMichael Porter教授の「競争戦略論Ⅱ」という本を買い、読むも途中で挫折。周りにいる友人にStrategyって何かを説明してもらってもイマイチ理解できず。自分はやっぱり頭が足りない、戦略家(Strategic Thinker)にはなれないとずっと諦めていました。

昨日幸運にもMichael Porter教授の講演を聴きにいくという機会に恵まれ、なるほどStrategyとはこういうものなのだと理解すると共に、1時間聴衆をInspireし続けられるPorter教授のプレゼン力の高さ、その発するメッセージ力の強さに圧倒されました。

以前「プレゼンの準備法」という記事でプレゼンとは「聴衆の心に響くメッセージを伝え、そのメッセージに沿って『よし頑張るぞ!やってみるぞ!』と動機付ける為に行うものである」そして

「聴衆がもっとも受け取りやすい、感情移入しやすいストーリー形態にするべき」ということを書きましたが、Porter教授のプレゼン中、ずっと私は「この考え、コンセプトをどのように自分のビジネスに応用できるか。ああしてみてはどうか、こうしてみてはどうか」とinspireされ続けながら聞いていました。話に感情移入させるとはまさしくこういうことです。普段私は人のプレゼンを聞くときはノートは取らないでその人の話を集中して聞くようにしていますが、今回に関しては話を聞きながら面白いアイディアがポンポンでてきて、それをノートにずっと書いていました。

とにかく複雑な話を誰しもが感情移入できるストーリに変え、シンプルに伝える。「本物は違うな~」という印象を受けました。ポーター教授曰く、Strategyの本質は「Best Companyを目指すのではなくUnique Companyを目指すことにあること。」そしてそのuniqunessを最大限に生かせるように会社のゴール、行動、ビジョン、持っている全ての資産をAlign(揃えて)していく。いってみれば当然といえば当然のメッセージだったのですが、とにかくその伝え方がinspirationを与え続けるストーリー構成となっており、身振り手振り熱く語ります。同じメッセージでも伝え方によってこれだけ違うものかと改めて感じさせられました。

以前”One risk, one day“という記事を書きましたが、これは自分を成長させる為に一日一リスクを取っていくことをモットーにすることで、こういった場では最後のQ&Aで必ず質問をしようと自分の中で決めています。最近こういったプレゼンテーションでは3回連続質問しており、当然今回も質問しようと意気込み、質問もばっちり考えていたのですが、ちょっとビビッてタイミングを逃してしまい、結局質問することができませんでした。やはりこういった場では一番初めに手を上げないとダメだと深く反省しました。そこで懇親会のときに真っ先に本人のところに行き、考えていた質問をぶつけてみました。細かい内容は別として、このブログで普段書いているような、「日本流コミュニケーション方法、マインドセットが、日本のグローバル化の弊害になっているのではないか。そしてその問題は相当根が深い」という話をいろいろな例を出して話したところ、ポーター氏も内容に興味を示してくれました(と勝手に私は思っています・笑)。

もちろん戦略論の講義でしたが、今後のビジネスのいいヒントをたくさんもらい、「よし頑張るぞ!やってやるぞ!」と大変勇気付けられた素晴らしいプレゼンテーションでした。私も会社もuniqunessをより明確にし、誰にでも感情移入できる形でシンプルにアピールできるようになりたいと前向きな気持ちになりました。


Posted by Masafumi Otsuka

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