presentation zen

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プレゼンテーションZEN.jpg「昨年読んだ全ての本の中でNo.1はどれか?」と聞かれたら迷わず“presentation zen”と答えます。実は前回書きました“TED Conference”も先月書きました“Powerpointの使い方”の記事も基本は全てこの本に教わり、Creativityに関しても多くのInspirationもいただきました。本当はもっと早くブログで取り上げたかったのですが、今まで多くの人にこの本をプレゼントしながらも洋書という事でなかなか読んでもらえず、日本語版が出るのをずっと待っていました。本日、ようやく翻訳版が出たようですので声を大にして紹介します。

さてこの本。著者は以前Apple在籍時にCEOのスティーブ・ジョブスのプレゼン製作チームに加わっており、現在は関西外大の准教授であるGarr Raynolds氏です。「どうして世の99%のプレゼンはつまらないのか。」をまず説明し、どのようにしたら聴衆にとって聞きやすい、メッセージの伝わりやすいプレゼンが出来るのかについて解説しています。

その中で、多くの人はパワーポイントの使い方が間違っていることを主張。どのようなスライドを作るべきかについて、大変詳しく解説しています。「パワーポイントは発表者の言葉に感情を与える為に使うべきもの」というのが彼の持論で、スライドには文字は使わず、絵や写真を用いるべきだと謳っています。そしてどのように絵や写真を使うべきか、その使い方からどこで購入できるかまで、手取り足取り教えてくれます。実はこのブログで使用している多くの絵・写真はRaynolds氏が推薦するiStockphotoというサイトで購入したものです。

本の中では沢山のBefore(悪い例)とAfter(良い例)の比較が出ており、とにかく分かりやすい。そして出てくるスライドがとにかく美しい。彼のスライド製作の原型となったのは日本の駅弁(彼はこれをプレゼンテーションと捉えています)や庭園の美しさで、こういった料理をはじめとするプレゼンテーションや日本的な景色に大変Inspireされたことも書かれており、日本人としてのプライドがくすぐられます(笑)。ちなみにこのブログのデザインもシンプルさにこだわる彼の教えを参考に作りました。プレゼンを行う機会のある人も聞く機会のある人も全てに読んで欲しい本です。この本、昨年の米国アマゾンの年間ビジネス書ランキングで4位に入ったようです。

一部の人は「こういったパワーポイントのスライドに絵や文字のみ使うやり方は外国人による英語でのプレゼンには効果があるが日本語には適していない」といいますが、それは全くのウソである事を声を大にしていいたい。自分の伝えたいことを文字を使わず絵・写真に変換する作業は大変創造力が必要とされ、その過程で難しい複雑なメッセージがシンプルなものに変わっていきます。

私は何度も日本語で彼のやり方を取り入れ、行っています。一度彼のいうやり方でプレゼンをしてみると、聴衆の反応が全く違うことが分かります。もう従来のやり方には戻れなくなると同時に、箇条書きだらけのPowerpointプレゼンテーションを見ると、がっかりしてしまいます。「読ませるくらいだったらPowerpointを使わなければいいのに」と思ってしまいます。

実は今年の4月、Apple Ginza Storeで行われた彼のプレゼンを見に行きまして、その時、弊社の「英語仕事人に聞く」でインタビューをさせて欲しいと聞いたところ、快諾していただきましたが、その後何度もe-mailしても全然連絡をいただけません。これだけが残念でなりません(悲)。Raynoldsさん、このブログ、読んでくれないかな~(笑)。。。

尚、Garr Raynolds氏は昨年グーグル本社でこのpresentation zenについて、1時間に渡るプレゼンを行っています。グーグルはこういった社内のプレゼンは全て外部にも公開しています。うれしいですね。日本語字幕はなく、全て英語ですが興味のある方は以下の動画をご覧ください。


Posted by Masafumi Otsuka

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