アニメをアウトソースする

アニメをアウトソースする


ちょうど先週の日曜日に3ヶ月に渡って行ったグローバル・コミュニケーション・クラスが終わりました。このグローバル・コミュニケーションと名付けたプログラム。ある程度の英語力(TOEICで言えば600点以上)と社会人経験(5年以上)のある人を対象に3ヶ月で一気に世界で活躍する際に必要なスキルをつけていただく。そういったイメージで昨年春よりスタートしたプログラムでちょうど先週末第3期が終わりました。

週1回の講義(全12回)では普段このブログで書いているような日本式とは全くコミュニケーションの取り方、特に多人数でその場で物事を決めていくミーティングなどでどう貢献していくかをはじめ、論理的に考える力、ブレストやプレゼンテーションの準備及びリハの仕方、Creativityなど従来個別に縦割りで開発してきたスキルを横で切る(一括で開発する)イメージで設計しています。

正直未だ様々な実験(というと受講生に怒られそうですが)を繰り返しながらプログラムを進化させています。

基本的に予習は一切なし。外国人ビジネスパーソンも毎回ゲストとして招き、その場で課題を発表して2時間から2時間半かけて休憩なしでDiscussion通じて解決していくのでちょっとでも気を抜くと一気に置いていかれる。授業は全てビデオ取りされ、終了後にすぐにインターネット経由で見てもらい復習。そして後日私のコメント入りの60ページに渡るスクリプト(授業中のやり取りを台本化・これは毎回3,000円ちょっと払ってアウトソースしています)がフィードバックとして届く。受ける方もやる方もクタクタになります(笑)。
そしてこのプログラムのハイライトが最後の3回のセッションで、2つのチームに分け、oDeskとFreelancer.comの海外のアウトソーシングサイトを使って、課題と予算を与え、何かcreativeなものを作ってもらう。第2期は以前ブログで書きましたが、クラスの広告用ポスターをフィリピンデザイナーとパキスタン人デザイナーに発注してもらいました。
さて、今回はどうしようか。同じことをやってもつまらない。「そうだ!同じ広告でもポスターではなく30秒のアニメを発注してもらおう」と思い、試しにoDeskとFreelancer.com両方に募集をかけてみました。各サイトの募集要項。
oDeskはこちら
Freelancer.comはこちら

ただいくら海外のアウトソースが破格に安いからと言っても予算が1万円弱でしたので、さすがに思ったほど応募はありませんでした(oDesk: 6名、Freelancer: 4名)。特に難くしたのが日曜日の朝、2週間に渡って実際にskypeを通て登場しなければいけないという制約。登場してもらい、「ここを直して」「嫌出来ない」などやり取りしてもらわないと授業が成立しないので仕方がない。

当然事前に過去の作品を送ってもらい、それを見て、気に入った何名かと実際にskypeで面接して、きちんと趣旨を理解しているかどうかを何度も確認の上、2名のアニメーターを雇いました。面白いことにまたパキスタン人とフィリピン人でした。
パキスタン人の過去作った作品
フィリピン人の過去作った作品
これら作品を見てこれに似た感じのテイストで2名とも作ってくれるということでこの2名に決めました。
第1週目にまず2つのグループに分け、各グループに外国人ビジネスパーソンに入ってもらい、アニメのストーリーボードをブレストしながら作っていく。1時間後に実際にアニメーターにskypeで登場してもらい、画面共有機能等を使いながらイメージを伝えていく。そして翌週までに試作品が出来てくる。ここでミスコミュニケーションが起きていると試作品で見事に出る。だから皆さん真剣です。
翌週あがってきた試作品を見ながらもう一度アニメーターと打ち合わせ。相手はプロなので意見をうまく引き出しながら一緒に考え、作っていく。そして最終発注をし、翌週あがってきた最終作品を各チームに広告代理店という想定で10分間のプレゼンをしていただきました。
ちょっと今回、私のアニメーター選択ミス(想定していたアニメと違ったタッチのものが出てきました)でパキスタン組には可哀想なことをしてしまいましたが、特にアニメのようなイメージを伝えるのが非常に難しい仕事を依頼する際、ちょっとしたミスコミュニケーションがどれだけdamagingか、本当に勉強になりました。
スクリプト起こしなどシンプルなタスクは別にしてこうしたcomplexなタスクを世界中のタレントを活用するのはchallengingであると同時に、ほ〜んとexcitingであることを改めて感じました。oDeskをもっともっと活用していこうと思います。
各グループ、出来上がった作品はMANABI.stのフェースブックページより御覧下さい。1万円弱でこんなすごいものを作ってもらえる。考えられない時代に入ってきました。
今回も前回同様コンペにしたいと思いますので、気に入った方に「いいね!」ボタンを押していただけるとうれしいです。また、今後いろいろとオープンセミナー等企画していきたいと考えていますのでMANABI.stの企業ページへの「いいね!」ボタンもよろしくお願いします。第一弾として3/31(土)夜に”Pechakucha Night”を現在企画しております。傍観のみは禁止!来ていただいた方は全員400秒のプレゼンしていただきます(笑)。また第4期のGlobal Communication Courseも4月よりはじまりますので興味がありましたらご連絡ください。

Posted by Masafumi Otsuka

1

1

comments

Leave a Reply