時代遅れの英語教材で学んではいけない

英語教材先日、ふらっと書店に入り、ビジネス英語の教材を立ち読みしたところ、面白いことに気づきました。見本となる対話文が実際のグローバルビジネスの現場で行われているものと比較し、あまりにもかけ離れていると。

例えばポッドキャストで人気のビジネス英語の7月分のテキスト。まず対話文(スキット)が出てきて、そこに出てきた新しい単語・フレーズが隣のページにリストアップされている。

グローバルコミュニケーション力を上げる為に今すぐできること

TEDx Talk先月(9月)の初めに、TEDxのイベントで"Why most global communication fails and what to do about it"というトークを行ってきました(動画は最後に埋め込みます)。

今回のスピーチは日本人向けというよりも、英米人向けに「グローバルビジネスにおいて、英語はもう、あなたたちの言語ではないんだよ。もっとノンネイティブに合わした話し方をしないと結局自分を含め、みんなが損をする」をコア・メッセージにスピーチを設計しました。

「ググレカス!」はグローバルでは絶対に言われない

ggrks私は世界20カ国以上の人々とコラボして、色々なプロジェクトに関わってきましたが、その場でわからない事を聞いた時、相手から「そんな事もわからないのか?」なと言われた事は一度もありません。聞かれたら、ちゃんと親切に説明してくれますし、逆に相手からどんなに初歩的な質問をされても「そんな事も分からないのか?」や「それは自分で調べなさい」など言った事はありませんし、そう思ったことすらない。

特にプロジェクトを指揮している立場にいると、例えトンチンカンなことであっても聞いてもらった方が、相手がどのレベルで理解しているのかを一瞬で把握でき、その場で解決できるので安心します。

「英語力」と「英語での会話力」の違い

Discussion直接は存じ上げませんがマイクロソフトのアメリカ本社で日本人エンジニアとして働くの牛尾 剛氏が最近書いた「生産性を向上させるためには、日本人エンジニアに英語での会話力は必須だと思った」というブログ記事、が面白い。

「何故外国人はやたらとDiscussionをしたがるか。多くの日本人がDiscussionに対し、誤ったマインドを持って臨んでいて勿体無い。もっと気軽に考えて欲しい。」

という素敵なメッセージを現場目線で非常に分かりやすく伝えています。ちょっと長い記事ですが、その小タイトルを書き出して見るだけでも勉強になります。

「理解出来ていないのは自分だけ」という誤った思考法

not_only_me
TOEIC®で700点持っていようが満点を持っていようが、関係ない。現在弊社で日本企業の幹部向けに行っている2ヶ月間のGlobal Discussion研修で、一番はじめに身につけていただくスキルとして、
分からない単語や表現が出てきたり、内容で置いていかれそうになった瞬間、躊躇せず、その場で「ちょっと待って!」と止めて、理解するまでしっかりと確認作業をする
というスキルを学んでもらっています。

TOEIC 900点組がかかってしまう呪い

TOEIC Curse「外国人と1対1であれば普通に意見を出せるし、対等に議論が出来る。だが、グループで意見をぶつけ合って、その場で物事を決めていく、問題解決をしていくミーティングに出ると、全く参加出来ない。何が話されているのかは、ほぼ理解出来ているが、意見は出せない。どうしたら良いのか」

最近こういった相談が特に多い。先日もニューヨーク在住で外資系金融機関に現地採用されている日本人の方が弊社のレベルチェックテストを受けまして、後日その音声ファイルを聞いていたら、発音を含めてほぼ完璧な英語を話している。何が問題になっているのかとカウンセリングで聞いた所、全く同じことを仰っていました。「1対1は何とかなる。ただグループミーティングになると発言出来ない」と。

Unlearning

  • unlearning理解出来ていないのは自分だけなのではないか(止めて聞いたら周りに迷惑がかかるのでは)
  • 思いついたことが場違いなことではないか(そう思っているのは自分だけのでは)
  • 違うと反論され、何も言い返せないのでは(自爆してしまうのでは)

MBA留学をしていた時、私はこういった思考に呪われていました。私が行った学校の授業が全てケーススタディーで行われ、成績の半分が授業中の発言で決まる。3回連続発言しない授業が出てくると非常にマズイ。仕方なく勇気を振り絞って何かを言っては、「何であんなことを言ってしまったんだ!?」と帰って布団をかぶっては叫ぶ。この繰り返しでした。

人材育成のプロがいない日本企業

helping_hand

私は仕事柄、外資系企業と日本企業の人事(研修担当)の方と話す機会が多く、話す度にいつも大きな違いを感じます。それは社員をお客さんとして見ているかです。

外資系企業の人材育成担当者(といってもほとんどが日本人)はいま現場の最前線で活躍している社員の動向、彼ら彼女らが何に困っているのか。日頃から対話しつつ、世界の流れ、それに伴って求められているスキルの変化等、高いアンテナを立てて追っているのが話していてよく伝わってきます。社員を「お客さん」と考えている。

TOEIC高得点者でもミーティングに参加出来ない理由

Discussion"We are always getting ready to live but never living."
-Ralph Waldo Emerson
最近英語力も仕事力も十分に備わっているのに、「私にはまだDiscussionなんて無理。もう少し勉強して英語をちゃんと話せるようになってから大塚さんのセミナーに参加させてください」と言われ、残念に感じることが多い。英語力さえ頑張って伸ばせばDiscussionする力も自ずとついてくると思っている人が多いように感じます。
でも正直TOEIC 700点の人と900点の人が初めてDiscussionに参加して出せる力は変わりません。一瞬で置いていかれてしまいます。求められているスキルが全く違うのです。先日もあるワークショップに参加してまさにこれを体験しました。

日本人の英語に一番厳しいのは日本人

「(英語を)日本人がいない中では普通に話せるのだが、一人でもいると話しづらい…」
先日都知事が英語で行った以下のツイートが話題になっていることを友人が教えてくれました。
We held the first Tokyo Olympic Games as a developing country in 1964. I want make sophysticated events as a leading country next time.
当然、こうした綴り、文法共に間違ったツイートをすると英語の専門家が黙っていません。ビジネス英会話の専門家、慶応大学の日向先生がご自身のブログで、以下のような厳しいことを書いていました。
読売新聞の記事によると都知事の英語によるツイートはオリンピック招致が目的とのこと。しかし、このような意味不明の英語ツイートでは逆効果というものでしょう。