ハーバード大学教授が考える、いま教育業界で起きている静かなイノベーション

ハーバード大学教授が考える、いま教育業界で起きている静かなイノベーション


education

まずは告知。3月11日(水)20時〜21時まで、弊社で初のオンラインセミナー(無料)をWebinar形式で開催します。トピックは「グローバルコミュニケーション」について。TOEIC900点を持っていても、英語でのコミュニケーションに苦しんでいる人がいる一方で、600点程度の語彙力、表現力で、十分にディスカッションに参加している方もいます。この違いは何なのか。詳しく解説します。

Webinar(ウェブ上で行うセミナー)で行いますので、PC, タブレット、スマホとデバイスさえあれば、どこでも聞くことが出来ますし、途中に質問も出来ます。お申し込み及び詳細はこちらを御覧下さい。尚、今回は先着100名までで締め切らせて頂きます。

さて、今回のブログ。いま、ハーバードやスタンフォード大学、大学院等で提供する超人気授業をCourseraやedXというインタネット上の教育プラットフォームより無料で受講出来るすごい時代になってきています。どうもこうしたコースをMOOC (ムーク、Massive Open Online Courses)と呼ぶらしい。

私も一昨年から、Critical Thinking, Design Thinking, Growing Established Brands等、いくつかコースを取ってみました。しかし恥ずかしいことに全て途中で挫折。ビジネススクールの友人達がTwitterやフェースブック等で、「**コース無事終了。楽しかった!」と書き込んでいるのを見る度に「情けない。。。」と自分の根気のなさにガッカリしていました。

しかし、最近Youtubeで、昨年行われた新経済サミットというイベントでこのブログでも良く紹介しているハーバードビジネススクールのYoungme Moon教授が「教育イノベーション」というタイトルで参加したパネルディスカッションの動画を発見。その中で、9割以上のオンラインコース受講者が途中で挫折しているという話を聞き、驚くと同時に何だか救われたました。

この人の観察能力や独特な視点、問題提議の仕方(プレゼン能力)にはいつも大きな刺激を受けます。パネルディスカッションの冒頭でMoon氏は、今後起きると予測される教育界のイノベーションについて以下のように解説しています(最後に日本語吹き替えビデオを埋め込みます):

  • 他の産業に比べて教育産業ほど変化のスピードが遅い産業は珍しい。
  • 例えばビデオゲーム。自分が子供だった頃と今を比較すると、提供している体験がまるで違う。いかに早い段階で人を引込み、夢中にさせ、飽きさせず長い時間続けさせられるか。凄まじい進化を遂げている。
  • 対して教育業界、こと(小中学校)義務教育を見ていると今も昔も体験はそれほど変わらない。授業は情報を一方的に伝達する形式(Information Delivery System)になっており、それを吸収(absorb)出来るかどうか。これを生徒のモチベーションに頼るシステムになっている。
  • 学校は顧客(Audience)が捕虜(Captive)となっているので、サービス提供側(先生)が顧客体験をあげようとするインセンティブがほとんど働かない。
  • しかし、今後これが大きく変わっていく可能性がある。そのきっかけとなったのは2012年3月に行われたあるオンラインコース。MITで実際に行ったCircuits and Electronics(電気回路)という超人気授業を3ヶ月コースとしてオンラインコースとして一般に開放。ネット上の教育プラットフォームで受講生の募集をかけたところ、何と世界中から15万人の受講者が集まった。
  • 世界でトップクラスの大学の人気教授が提供する看板授業。これこそ現在考えられる最高のInformation Delivery System(←Moon氏のこの定義の仕方が面白い)。それもAudienceがCaptiveではない状況。そんな中、何割が最後まで終えられたか。こんな興味深い実験はない。その結果は。。。
  • 何と95%以上脱落していったといいます。MITの最も有名な授業でも受講生を最後まで引きつけられない。実際、ほとんどの大学が出しているオンラインコース。終了率はその大部分が10%以下だといいます。
  • この結果に、有名大学の看板を背負った教授陣も衝撃を受ける。MOOC (Massive Open Online Courses)を通じてサービス供給側(先生)に過去考えられなかった競争原理が働くようになる。結果、大きなイノベーションが起きるだろう。

と。Moon氏曰く、いまがオンラインコースは黎明期。まさにどうやったら顧客体験をあげていけるか、様々な実験が繰り返されているといいます。

懲りなく(笑)、いま私はCourseraで“Learning How to Learn: Powerful mental tools to help you master tough subjects”というオンラインコースを受講しています。非常に興味のある分野で、既にプログラムの2割程度履修しました。しかし。。。

Moon氏がいうように内容は面白いのですが、Information Delivery Systemの域からは出ていない。各50セッション強。各セッション3分から15分のビデオ講義を見て、最後にクイズを答える形式になっている。ビデオは一応オンライン用に工夫して撮ってありますが、インタラクティブ感はなく、夢中にさせ、飽きさせず長い時間続けさせられる仕組みになっているとは、とてもいえない。「学び方を学ぶ」というコースで挫折してしまったら立ち直れそうにありません(笑)。。。

以前Creativeな発想を引き出す方法 #1:常識を疑え!という記事を書きましたが、まさに自分が「授業とはこういうものだ」、「脱落するのは生徒側の問題」という常識に縛られていたことに気付かされ、ハッとしました。と同時に「オンラインコースはまだ黎明期でノウハウが確立されていない」といわれると、私の好奇心が掻き立てられます。オンラインコース、色々と実験してみたい。

ちょうど昨年より企業研修でウェビナー(ウェブを通したセミナー)を依頼されるケースが増えて来て、どうしたら顔の見えない、不特定多数の相手に対し、インタラクティブ感を出しながら飽きさせず最後まで聞き通させることが出来るか。色々と考えながら試行錯誤してきました。

そこでその第一歩として冒頭のWebinarで実験したいと思います。Webinarという形式が果たして良いのかも含めて、グローバルコミュニケーションに興味があり、終了後に率直なフィードバック(アンケート)を頂ける方。ご協力して頂けるとうれしいです。お申し込み、詳細はこちらのリンクよりお願い致します。では、3/11(水)20時にお会いしましょう。


Posted by Masafumi Otsuka

Leave a Reply