Global Project Managementを学ぶスパルタ研修

Global Project Managementを学ぶスパルタ研修


Global Management Project実践か、研修か、その境界線が見えにくい、本気になっていま求められているスキルを学べる場をデザインしたい。いつも頭を悩ませながら、私みたいな変わり者を使う勇気のある企業で、色々な実験をさせていただきておりますが(笑)、先週にキックオフした、Global Project Management Skillをスパルタ方式で学ぶ研修にワクワクし、密かに期待しています。

この企画。「グローバル人材育成」・「自立型人材育成」を手がけるグローバル・エデュケーションさんと一緒に企画し、サントリー食品インターナショナルさんで実施させて頂いているもので、以下のように設計しました。

  1. 各部署から5名ずつ人を出してもらい、部署毎にチームを作成。全10チーム(10部署)を作り、3ヶ月かけてあるプロジェクトをやってもらう。
  2. プロジェクト内容はGlobal Crowdsourcingサイト(今回はFreelancer.com)を通じて世界中のアーティストを活用し2分間のアニメを制作すること。
  3. アニメのテーマは自分が所属する部署、社内外国人(主に国外)向けに部署をアピールする。社内Recruiting用のアニメであること。
  4. 各チーム予算は$400以内
  5. 3ヶ月後に各チームは役員の前で制作したアニメを発表。順位付けも行う。

というもの。

さて、このプロジェクト、簡単そうに見えて、半端なく難しい。恐らくアニメが仕上がってくるのは3チーム以内だと予想しています。

何故か。無音アニメなら別にして、まともにアニメを作ろうとすると、まず自分でストーリーを考えた後に、プロの脚本家、ナレーター(音楽を含む)、アニメーターと3名のアーティスト雇わないといけない。

global collaborationそしてそれぞれ雇うのに、freelancer.com等のサイトに募集要項(Job posting)をまず出し、応募者の中からスクリーニング。その後Skypeを使って面接をし、採用。面接の際は当然価格交渉が発生します。

採用した後、アーティストとブレストし(これが難しい)、ミスコミュニケーションが起きていないことに注意。期日通り、仕事が仕上がってくるか、これも管理しなければいけない。

脚本がないと、ナレーションはできない。ナレーションがないとアニメが作れないので、一人のアーティストで躓くと先に進めない。アーティストに途中で逃げられる危険大。不確実な要素だらけです。

恐らく参加者はかつて感じたことのないストレスや危機感を感じるでしょう。ただ、たとえ失敗したとしても知らない間に、現在のグローバル・ビジネスにおいて、どういったスキルが求められているのか、嫌という程、体感する。ざっと書きますと

  • グローバル・コミュニケーション力(アーティストはノン・ネイティブが多い)
  • コラボする力(自分とは違ったバックグラウンドを持つ者とコラボして自分では絶対に作れないものを作る力)
  • Creativity (発想力)
  • ライティング力(魅力的な募集要項を書かないと応募者が少ない)
  • 予算・期日管理能力
  • 交渉力(価格・条件等)
  • 人材を目利きする力(ビジネスパートナーを探す際求められる目利き力)
  • マネージメント能力(相手の個性をうまく引き出す力、ことアーティストは難しい…)
  • テクノロジーを使いこなす力(実際に会わないので、ファイルのやり取り、チャット、Skypeの様々な機能等)
  • チーム・ワーク(自分のチーム内の役割分担)

従来の研修というとこうしたスキルを単体で開発していきますが、リアルビジネスではこうした垣根がない。今回行うこの企画は極めて実践に近いものだと思います。

サントリーさん。さすがは、「やってみなはれ」を理念とする会社。ここまで不確実な要素が多い研修を取り入れようと考える日本の大企業はほとんどないと思います。

この3ヶ月間、あちこちで火災が発生するような予感がしますが、終わった後私も含め、大きな気づきがありそうで、結果どうなるか楽しみです。12月の発表会楽しみです。


Posted by Masafumi Otsuka

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