記憶力の良い人が無意識で行っている習慣

記憶力の良い人が無意識で行っている習慣


ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由私は研修やワークショップをする仕事をしていますが、人の名前を覚えるのが苦手で、こうしたスキルをつけようと、記憶力を上げる本を何冊か読みましたが、どれもピンとこず、挫折。「才能がないんだな〜」と諦めていました。

しかし、昨年の暮れ、面白い本を発見。「ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由」という本で、著者で平均的な記憶を持つ、Joshua Foerという米国人ジャーナリストが記憶力の世界大会を取材。そこで何故か世界でトップクラスのイギリス人のMemory Atheleteに気に入られ、「本気で記憶力について取材したかったら、自らこの世界に飛び込んで見るのが一番。私に弟子入りするなら、1年以内に全米チャンピオンにしてあげる。」と誘われ、弟子入り。1年後(2006年)、USA Memory Championshipに出場して、本当に優勝してしまう軌跡を描いた本で、めちゃくちゃ面白い。

全米大会で優勝するにはどれ位の記憶力が必要かというと

  • 99名の顔と氏名が書かれたデッキが配られ、それを15分かけて覚える。その後デッキが追加、シャッフルされたものが配られ、15分以内に何枚、正確に名前を答えられるかを競う。Foer氏は107枚答えられたとのこと。
  • 紙に何百ものランダムに出された数字が渡され、決められた時間内に順序を間違えず何桁、正確に覚えられるかを競う。Foer氏の大会での記録は87桁だったらしい。
  • 52枚のランダムに切ったトランプを何秒でその順序を含め正確に覚えられるか。Foer氏は100秒で覚えられたとのこと。

一年でここまでスキルを上げたというのは凄すぎ。Foer氏曰く記憶力の良い人と悪い人との決定的な違いは、前者は覚えたいデータを瞬時に覚えやすい画像や映像に変換する能力に長けているとのこと。ここで面白い実験を紹介していました。学生を二つのグループに分け、全員に名字がBakerという人の写真を見せる。

一つのグループには
「この人の名前はBakerさんです」

もう一方のグループには
「この人はbaker(パン職人)であるBakerさんです。」

と伝える。そして数日後にもう一回写真を見せてテストしたところ、後者のグループが圧倒的に覚えていたらしい。何故か。前者は名前と顔がリンクしないのでそのまま流れていってしまうのに対し、後者は、無意識に写真で写っているBakerさんがパンを焼いている姿を想像したり、彼に白い帽子をかぶせたり、「この人きっと焼きたてのパンのいい匂いがするんだろうなー」などの想像していく。すると写真→パン職人→bakerさんとリンクが形成されるので、後日写真を見せられた瞬間、Bakerさんと答えられる。

記憶力の良い人はまず聞いた名前を自分が覚えやすい画像に置き換える。そして相手の顔をよ〜く観察、何か特徴を探し、その特徴と画像を関連づけて、新たな画像を作ってみる。この画像が鮮明であればあるほど記憶に残るとのこと。鮮明にするには、よりぶっ飛んだ、面白くするといいらしい。

よし!今年から新たにはじまったある企業での8週間のGlobal Discussion研修で早速、この方法で名前を覚えることに挑戦。しかし、一人目であえなく撃沈。。。聞いた名前をそれを呼び起こす画像をまず考え、次にその人の顔をじっくりと観察、特徴を探し、その画像と関連づける新たな鮮明な画像を数秒で作成なんて普段から練習していないと不可能に近い。

一人だけ、見た瞬間に「この人、今年引退した広島東洋カープの黒田投手に似ているなー」と思ったら名前がHiroshiさんだったので”Hiroshi”-maで瞬時で関連づけ、ラッキーなことに覚えられました。なるほど。そっか。Hiroshiさんは特徴が大きかったので深く考えずに探せたが、小さな特徴を捉えるトレーニングを積めば、いけるかもという感触を得ました。毎回全員(16名)写真を撮るので、後日、ゆっくりと特徴を観察して、それぞれ鮮明な画像を頭に焼き付け、今では完璧に名前は覚えています。

記憶力の良い人は意識していようがいまいが、瞬時に記憶したいデータを後で呼び起こせる鮮明な画像に置き換えているといいます。ランダムに50桁の数字を瞬時に覚えるのも(詳しくは本に書いてあります)、このテクニックの応用版を使って覚えることが出来、「なるほど」と納得してしまいました。

スマホが出てから、スマホを自分の記憶装置のように考え、「スマホでいつでも情報を呼び出せるから忘れても問題ない」と思ってきましたが、この本を読んで、記憶力というスキルこそ新しいことを学ぶ際、強烈な武器となるスキルかもと考えが180度変わりましたので、その理由については別のブログ記事で書きたいと思います。単にノンフィクションの読み物としても十分面白いので、まだ読まれていない方は「ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由」、超勧めします。


Posted by Masafumi Otsuka

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