パッションと好奇心が切り開く世界

パッションと好奇心が切り開く世界


curiosity_passion3.jpgIn today’s world, it is more important to be passionate and curious than to be merely smart.
–Thomas Friedman

パッションと好奇心。現代では頭の良さ(IQなどで測定できるもの)以上にこの2つのスキルが重要になると「フラット化する世界」著者のフリードマン氏はいいます。「フラット化する世界」では自分のパッションを追及するツールがほとんどタダで手に入る。好奇心をより深いレベルで探求できる。そしてフリードマン氏はこう続けます。

「学ぶ意欲を持ち、常に何か新しいことを発見しようと好奇心旺盛の子供を私に預ければ、IQの高い学習意欲の低い子供を何度でも打ち負かすことが出来る」と。


今まで自分のパッションや好奇心を追求したくてもリソースやお金の問題で出来なかったのが、最近ではそれを追求できる環境が整っています。

先日、ある20代前半の方が限られた予算の中でグルーポンと似たサイトを日本ではじめようと、freelancer.comという究極のアウトソーシングサイトを使ってそのサイト作りに挑戦したプレゼンを聞きましたが、その一つ一つのプロセスが「え~、そんなことまで、そんなスピード感覚で、そんなに安価でアウトソース出来るの?」と聞いていて大変刺激を受けました。何しろこのサイトにはアメリカの大学生が自分の卒論をアウトソースしているようで、時代はそこまで来たかと驚かされます。

また先週、こちらも20代前半の若い友人ですが、海外の大学を卒業した日本人の就職活動をサポートする場を提供。題して「プレゼン型オーディション面接」。学生に5分間自由スタイルでプレゼンをやらせ、企業はそれを見て、面接をしたいかどうかその場で札を上げて決める。残酷そうに見えますが、そこは真剣勝負。見学していていろいろと感じることがありました。

そもそもこのアイディア。主宰した友人は中学、高校、大学の15年間を海外で過ごし、大学時代には成績優秀者として表彰されるも、いざ卒業してへ帰するも就職活動で面接の機会さえ与えてもらえない。国内大生と比べると圧倒的に不利な、時には門前払いまで受けるという屈辱を味う。今後グローバル展開をせざるを得ない日本企業にとってこうした人材は宝のはず。周りを見回すと自分のように日本での就職に苦労している人が百人単位でいる。「どうしたらこの問題を解決出来るか」という想いから出てきたといいます。

最後に先日忘年会で久々にお会いした40代の友人。「何か熱くなれる、社会的に意義のあることをやりたい」と大手都市銀行のエリートポストを捨て、4年前に独立。インターナショナル・プリスクール(幼稚園前の児童向けのインターナショナルスクール)をはじめ、給与が大きく減った中でも「子供にパッションと好奇心を学ぶ場を与え、毎日が本当に楽しい」と、話を聞いていて大きくInspireされました。

こうした方々に共通しているのがとにかく熱い。「やりたい」と思ったことをとことん追求して、今まで誰もやっていないことにチャレンジする。時勢もこうした人々を後押しします。

私が起業した2002年頃は起業ブームで、当時国民生活金融公庫に80枚以上ものビジネスプラン(MBAを出たてでしたのでそれだけのパワーがありました・笑)を引っさげて融資申請をするもあっさり却下。しかし今では、政府の雇用促進の為に躍起となっている上で申込みが少ないせいでしょうか、日本政策金融公庫の無担保無保証融資が以前と比べ格段に借りやすくなったと聞きます(上限1,000万円まで)。ここで「無保証」というのが重要で、失敗したら「ごめんなさい」が出来、ゼロから再チャレンジ出来ます。不確実性が強い今だからこそ自分が熱くなれることを実現するチャンスなのです。

こうした中、私が勿体ないと思うのは高い頭脳を持ちながら大企業で好きなことをやらない(やらせてもらえない)で、つまらなそうに働いている人々です。私の周りでもこうした人々は非常に多い。

パッションと好奇心。これさえあれば何とか切り開いていける時代。チャレンジをした者のみ、大きくRewardされる時代。この流れは今後加速していくように感じます。誰にでも何か熱くなれるものを持っています。子供の良いお手本になる意味でも我々大人が自ら進んでこうした姿勢を見せなければいけない。最近、いろいろな方と話していて切に感じます。


Posted by Masafumi Otsuka

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