Our biggest goal is to continue to force ourselves to always start our creative work on a white page and not take advantage of past successes and challenging ourselves.

シルク・ドュ・ソレイユ。過去世界３７カ国で20種類ものエンターテインメントショーを公演。

さて、冒頭の引用。

いつも通りスーパー意訳させていただきますと「我々の最も大切にしていることは過去の成功に捕われず、常にゼロから新しいクリエイティブなショー作りに挑戦することです」。そしてこのように続けます。「自分の成功体験を捨て切れずに失敗してしまった人を私は数多く見てきた」と。

どうしても人間、一度手に入れた成功、うまくいったことは捨て切れず、時には出し惜しみまでしたりし、何が何でもすがりつこうとしてしまいます。そして時代が目まぐるしく変化し、ゲームのルールが一気に変わっていく中で潰れていく、落ちていく企業・個人の例は嫌というほど見ます。

ラリベルテ氏はそれに真っ向から挑戦。何と会社の利益の７割を新規ショーの開発費にまわすといいます。利益の７割を研究開発にまわす。信じられません。上場企業だったらまず株主が許さないでしょう。これはラリベルテ氏がシルク・ドュ・ソレイユの株の95%を保有するからこそ出来ることですが、それでも一度作り上げてきたことを捨て、まっさらの画用紙から再度creativeなショーをゼロから作り上げる。常にリスクを取り続けるその姿勢は多いに刺激を受けます。

こうして現在シルク・ドゥ・ソレイユでは複数のレジデントショー（常設公演）、ツアーショー（巡回公演）を並行し、世界１０カ国以上で２０種類ものショーを展開しています。２０種類全て違うコンセプトのショー。しかもすべてオリジナル。それぞれのショーはその芸術性の高さから多くの名声を集め、世界中で幅広い人気を博しています。

「失敗など恐れない。常にリスクを取り、同じことは２度とやらない。」ラリベルテ氏の言葉はいろいろなビジネス書に引用されており、多くの人々をinspireしています。

私もその一人です。現在いろいろな形式のセミナー、ワークショップをやっています。中心はもちろん「日本人のグローバル化を手伝う学びの場づくり」というコンセプトですが、やはり学びは楽しくなければなりません。自分の中ではEdutainment (Education + Entertainment)というコンセプト＋Practical（実践的）でなければならないというイメージで毎回ショー（プログラム）を企画しています。

例えば今Discussionのクラスをやっておりますが、受講者が集中力を切らさないような、誰しもが感情移入出来るようなストーリーを作っていく。正解のない問題にみんなで知恵をしぼって解決する。終わってみなければ分からないようなワクワク感を絶えず与えられ続けられないか。英語を話しているのを忘れるくらい熱中出来る問題、storyを展開出来ないかを常に考えています。

しかし一度プログラムを作ってしまい、ある程度満足できるプログラムを作ってしまうと、次もまたそれを使おうとする。これがラリベルテ氏のいう”pitfall”なのですね。

全く同じことは２度とやらない。絶えず新しいもの取り入れ、もっと高いレベルのPractical Edutainmentを実現出来ないか。もちろん失敗して落ち込むことも多いですが、挑戦したから落ち込んだわけで、そうした自分を褒める強いマインドを持っていたい。ラリベルテ氏の言葉にいつも「今回もリスク取ってやるぞ！」とモチベートされている自分がいます。