なぜ大部分のプレゼンはつまらないのか

なぜ大部分のプレゼンはつまらないのか


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It’s not about you. It’s about the audience. 
-TJ Walker
「なぜ大部分のプレゼンはつまらないのか?」昨日「朝カフェ次世代研究会」という恐らく世界一の早朝勉強会(何と朝6時半に開始!)にてこのお題で講演をしてきました。タイトルがこれでつまらない講演だったらと考えると思わず笑ってしまいますが、ここ数年いろいろな人のプレゼンを見ていて「折角素晴らしいメッセージを持っているのにうまく伝え切れてなく勿体ないな〜」と思う機会が多かったので、ちょっとタイトルは刺激的でしたが、自分の中で新しいことに挑戦するという意味も込めてやってきました(笑)。
さて、冒頭の引用。アメリカで有名なプレゼンのコーチであるTJ Walker氏が“Presentation Training A-Z”という本で語った言葉でいつも通りスーパー意訳しますと「(プレゼンは)あなたが主役ではない。主役はあくまでも聴衆である。」そしてWalker氏はこう続けます。

「自分を中心に考えると『恥をかきたくない』だとか『権威を失いたくない』と心配してしまい守りに入ってしまう。でも『聴衆にどうしたら自分のメッセージを分かりやすく伝えるか。』『どうしたら聴衆をinspire出来るか』と聴衆を中心に考えると全くマインドが変わってくる。例えうまくいかなくても自分が思ったほど強く想いが伝わらなかったというだけの話で、それを次に生かせば良い。だから守りに入らず、大きくリスクが取れる」と。
私はこの言葉が大好きで、いつも「聴衆が主役」というマインドでプレゼンの準備をします。すると準備方法が世間一般で行われているやり方と全く変わってきます。特に最近脳の研究が進み、それがプレゼンに応用されることにより、いろいろなことが分かってきました。聴衆は
  1. マルチタスクが出来ない
    スライドの文字を読みながら、または事前に配布された資料を読みながらあなたの話を同時に聞くことができない。だからパワーポイントを使うんだったら文字は入れない。資料は終わった後に配る。
  2. Passiveに人の話を聞く限界は20分
    これを考えると20分毎に何かactiveなイベントを入れてみる。
こういうことを考えながらプレゼンのストーリーボードを考える。目的はあくまでも聴衆をinspireすること。”inspire”。今回来ていただいた方がtwitterで日本語訳を書いていました:
活力となるような思想・感情などを人の心に吹き込むこと。鼓吹。鼓舞。
そうそう。これこれ!自分の伝えたい想い、メッセージを実現させる為に聴衆をinspireし続けるにはどうしたら良いか。これを常に考えては試し、磨いていく。プレゼンはうまいとか下手とかではなく、これをやろうとしていることが伝わると絶対に相手は引き込まれます。
「『なぜ大部分のプレゼンはつまらないのか?』という思いっきりバーを上げる、自らの首を絞めかねないお題をよく選びましたね」と今回、多くの人に言われましたが、「自分がいかに素晴らしいプレゼンターか見せつけよう」とは考えず、あくまでも主役は聴衆。聴衆に『確かに!だから多くのプレゼンってつまらないんだ。こういうやり方だったら私にも出来るかも。』」と思ってもらいたい、何らかのinspirationを持ち帰ってもらいたいと思うからこそチャレンジ出来るのです。いつも始まる前は吐きそうになるくらい緊張しますけどね(笑)。
今回のアルファーブロガー達が多い会でしたので、早速いくつか記事を書いていただきました。同じプレゼンを聞いていても響く箇所が違うということが分かり興味深いです(笑)。ありがとうございました!
永井孝尚のMM21
永井千佳の音楽ブログ
坂本史郎の【朝メール】より
また今回使ったスライド及び当日の講演中のtwitterでのやり取りをまとめたものも乗せますね。最近何でも埋め込める。技術の進歩はすごいです!

Posted by Masafumi Otsuka

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comments

    May 12
    2011

    Moto

    Masa-san, Good timing. Your presentation is very helpful since I am planning a presentation. I will use the technics you mentioned. Thank you so much for sharing it!

    Reply
    May 13
    2011

    永井千佳

    大塚雅文さま
    「リスクをとらなきゃだめだ。そうしなければ新しいものは何もうまれない。」「恥をかくことを恐れるな。自分が恥をかくことなんかなんでもないじゃないか」「オーディエンスのwiifmはなんだ」「一つのコアメッセージから最後まで1ミリもずれてはいけない」「何人いても関係ない。とにかくメッセージを伝えること」おっしゃっていたことが目の前で実現されていました。
    自分の知識を見せるだけでは家で資料を読んでいたほうがいいですものね。そうではない、その人だからこそ語れること、そしてあふれるような伝えたい情熱。これと周到な準備さえあれば、テクニックを超えたところで人々が感動するプレゼンになるのだと実感しました。素晴らしいです。Bravo!

    Reply
    May 14
    2011

    Masafumi Otsuka

    Hi Moto-san,
    Great to hear from you. What kind of presentation are you doing? Hope everything is well with you and your family!
    Masa

    Reply
    May 14
    2011

    Masafumi Otsuka

    永井様
    コメントありがとうございます!う〜。何だか偉そうなことをいっていて赤面です。。。永井さんの「音楽の楽しさ」を伝えるプレゼン。どんどん研ぎすまされていくんでしょうね!楽しみにしています。

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