不安・恐怖心とどう向き合うか

不安・恐怖心とどう向き合うか


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“It’s so hard to get comfortable. It just comes and goes…”
-Jerry Seinfield
いろいろとcreativityやプレゼンに関する本を読んでいますが、大きくinspireされる本に限って、必ず引用、紹介される1つのDVDがあります。ずっとみたいなーと思っていましたが、regional codeの関係で、見れずにいました。しかし先日運良く見ることが出来、何か新しいことに挑戦しようとする時に絶えず襲ってくる不安や恐怖心とどう向き合うべきか、大きく考えさせられました。
“Comedian”というタイトルのこのDVD(日本製のDVDプレイヤーでは再生出来ません)。ある日こつ然と姿を消した伝説のコメディアン、Jerry Seinfield氏のその後を追ったドキュメンタリー映画です。
Jerry Seinfieldといえばアメリカでは知らない人がいないくらい有名なコメディアンで、自分の名がついたレギュラー番組を約10年間持ち、ピーク時に年間200億円以上稼いだといいます。しかし、1998年にすべてを捨て、突然表舞台から去る。

このDVD。Seinfield氏は過去使ったジョークを全て封印。ゼロからニューヨークの小さなコメディーバーに毎日立ち、全く新しいコメディーを作り上げていくcreativeプロセスを追いかけたドキュメンタリー映画です。
はじめは5分すら持たせるネタがない。それでも毎日小さなコメディーバーに立ち、アイディアを試す。ある場面ではネタが飛んで固まってしまう。恥を忍んで隠していたノートを見るもパニックに陥って声が出てこない。「これってもしかして初ネタ?」とお客さんに声をかけられる痛々しいシーンもありました。それでも立ち続ける。そしてネタが5分持つようになり、20分になり、最後に彼が目指す75分間のStand up Comedyが完成されていく。
冒頭の引用は彼が絶えず口にする言葉で、「いつまで経ってもcomfortableになれない。なったと思った瞬間に消えていく」と。表舞台に立つ前のピーンと張りつめたすごい緊張感が毎回伝わってくる。うまくいったネタを30分後に別のコメディーバーでやると全然受けなかったりする(少なくても本人にはそう感じる)。「頂点を極めた人でもこれなのか」とびっくりしてしまいます。
「いつになったら人前に出る不安や緊張がなるんだろう」と常に疑問に思ってきましたが、「新しいことに挑戦している以上、comfortableになることはない」と大きく納得されました。逆に緊張や不安がなくなったら成長がストップしてしまうのではないか。そしてSeinfield氏の舞台に立つ回数を見て、自分は圧倒的に舞台に立つ回数が足りてないと大きく反省しました。
75分間のコメディーを完成した後に彼は”Late Night with David Letterman”という超がつくほど人気テレビ番組でその新しいコメディーの一部を披露します(Youtube動画を参照)。大爆笑を取るも、終了後、奥さんに「緊張のあまり、途中から何が起きていたのかさっぱり分からなくなってしまった。自分はナチュラルにみえたか」と聞く。
「今までテレビでコメディーを成功させても終了直後に最高3件しか電話がなかったが、今回は30件も電話があった。それでもまだ自分の中で納得がいかない。もっと何か違うものがあるのではないか。一生見えないものを追い続けるような気がする」
と語り、締められたこのドキュメンタリー。大きくinspireされました。


Posted by Masafumi Otsuka

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