何故沈黙(awkward silence)が出来てしまうのか?

何故沈黙(awkward silence)が出来てしまうのか?


awkward silence最近弊社で行っているGlobal Communication Courseのカウンセリングをしていて、多くの方があることに勘違いをしていることに気付きました。それは「沈黙」に対する考え方です。

沈黙が出来る構図は大体同じ。【まずは何か聞かれる】→【思いついたことを言う】→【自分は話し終えたつもりが、相手が黙っている】→【焦る】→【自ら沈黙を破り、また話し出す】→【話している内に空回りし出す】

カウンセリング(先生側で録音された受講生のレッスン音声を一緒に聞きながら行います)中、「何故自ら沈黙を破り話し続けたのか?」と聞くと「話した内容がうまく伝わっていないと思ったから」と皆さん口を揃えて言う。

でもこれは違います。そもそも理解出来ていなかったら相手は”Wait! I don’t understand. What do you mean by **?”と必ず聞いてきます。相手が黙っていると言うことは、まだ話の続きがあると思っているからです。

日本人同士だったら阿吽の呼吸で話終えたことを無意識に察知出来ますが、外国人と話す場合、話し終えたことを意識的にシグナリングをしてあげないとそれが伝わりません。ではどうやって自分が話し終えたことをシグナリングしてあげるか。私は以下の2つをいつも提案しています。

1. 質問で返す。
2. 抑揚をつけて言い切る

1. 質問で返す
とにかく話し終えたらシンプルに
- Well, that’s what I think… How about you?
- Do you agree with me?
- What do you think?
- Am I making sense?

など言って、すぐに相手をengageする(抱き込む)。そして相手の考えも引き出し、それに乗っかり話を展開していく。

2. 抑揚をつけて言い切る
インド人の英語とまではいかないまでも我々日本人もあまり抑揚のない上にソフトなトーンで話しています。最後の言葉をビシッと滑舌良く言い切るだけで、話し終えたことは伝わります。

ただ、抑揚をつけて言い切ってしまってもいいのですが、基本的に意見を聞かれたら相手の意見も聞いてあげないと失礼にあたります。常に相手をengageする意識を持つ。一度にすべてを説明しようとせず、何か聞かれたらポジションを取り、簡単に1つ理由を説明して、相手の意見を聞く。当然相手もengageしてくるのでそれに乗っかって話せば良い。するとほとんど沈黙はなくなります。

相手が黙って聞いているのは「伝わっていない」のではなく「まだ先があると思っている」からです。だからきちんと自分が話し終えたことを相手に分かるようにシグナリングしてあげる。すると沈黙がなくなり、より円滑なコミュニケーションが図れるようになります。是非実践してみてくださいね。


Posted by Masafumi Otsuka

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comments

    Jan 17
    2014

    たこべる

    沈黙ですか?WikiHowにこんな記事がありましたので、リンク貼っておきますね。
    http://www.wikihow.com/Persuade-People
    少し長いのですが下方のTipsに要約されてます。お互いにけん制し合ってる場合、沈黙が起きるかもしれませんね。早く話す。生意気であれ。は少し笑えます。

    Reply
      Jan 18
      2014

      Masafumi Otsuka

      たこべるさん
      コメントありがとうございます。例え専門家でなくても専門家のように振る舞う。以前内田樹氏の「日本辺境論」という本で

       『何が正しいのか』という問いよりも、『正しいことを言いそうな人間は誰か』という問い方が優先する。そして、『正しいことを言いそうな人間』とそうでない人間の違いはどうやって見分けるかについて客観的基準がない。だから結局は「不自然なほどに態度の大きい人間」の言うことが傾聴される。

      ということが書いてあり、大いに納得したのを思い出した。しかし、大小は別として日本人に限らず心理的に影響されてしまうのですね。MBAでネゴシエーションクラスと取った時、沈黙は相手を不快にさせるので金なりと習ったことも思い出しました。日本人同士だとそうでもないのですが。。。ここら辺をどう捉えたら良いか難しいです!みんな一色単に出来ないということでしょうか。文化によって傾向はあると思うのですが。。。

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        Jan 21
        2014

        たこべる

        そんな本を書いておられる方がいるんですね。でも、これは結構当たっているかもしれません。どちらがリードするかはお互いの立場や状況によりますが、押しの強い性格、主張し続ける人が主導権を握ると思います。また、相手が引く場合もあります。

        ネゴシエーションクラスはなかなかおもしろそうですね。
        >沈黙は相手を不快にさせるので金なりと習ったことも思い出しました。

        不快にさせると逆効果のような気もするのですが、理解に悩みますね。
        多分、アメリカ人は常に英語に主語が付くので自分中心的な物の考え方になっているのだと思います。
        相手がどう思うかを優先して考えるのが日本人の美しい文化だと受け止めておきましょう(笑)

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