新興国が世界消費の半分を占める時代。Are you ready?

新興国が世界消費の半分を占める時代。Are you ready?


No Ordinary Disruptionこのブログでよく「これから変化の早く、複雑化していく時代」に入っていくということを書いていますが、では実際にどう変わっていくのか。例えば以前「oDeskの衝撃」という記事で$50でポスターをパキスタン人デザイナーに発注した際のビデオチャットのやり取りを紹介する等、私個人から見たミクロ的な話は紹介できても、2006年に出版され世界に衝撃を与えた「フラット化する世界(トーマス・フリードマン著)」みたいにマクロ的に視点でいま世界で何が起きているのか分かりやすく解説する本にはなかなか出会えない。

ちょうど先月、No Ordinary Disruption: The Four Global Forces Breaking All the Trendsとういマッキンゼー・グローバル研究所が出した本を読み、久しぶりにビビっときましたので、何回かに分けて紹介します(大体こういいながら1回目で終わるケースが多い・笑)。巻末の参考文献だけで本の半分を占めているからすごい。ざっと要点だけ羅列していくと:

新興国が消費マーケットの主役になる

  • 2030年までに新興国からの消費は3,600兆円(USD $30 trillion)に達し、世界消費の半分を占める。2010年でもすでに1,400兆円(USD $12 trillion = アメリカとほぼ同等)だった。

ではこうした消費はどこから生まれるのか。

  • 2010年〜2025年のGDPの成長率の半分近くは新興国における440もの都市(うち、中国が46都市)で起きる。その95%は我々先進国の人たちは聞いたことのない都市(ガーナにあるクマシ市等)。

なぜ都市で起きるのか。ここが面白い。

  • 教育機関が充実していて、インフラがしっかりとしているので、商品やサービスをより安く効率的に届けることができる。水、住居、教育など過疎地に比較すると30%-50%安く届けることができる。よってより低コストで持続的に成長していくには地方に散らばっている人口はますます都市に集中するようになる。

そしてこれからは国ではなく都市毎にビジネス戦略を考えなければならない。その理由として:

  • インドでは4つの大きな宗教、数百の方言、20もの正式な言語が存在。アフリカ大陸では2,000もの言語や方言が存在。同じ言語を話しても都市によって性格がまるで違う。ブラジルのサンパウロ市(人口1,100万人)とクリティーバ市(人口180万人)たった350キロしか離れていないが、サンパウロはブラジルというよりもニューヨークの方が文化が似ている。

そんな中、未だに本社を欧米に置く多くのグローバル企業

  • 今後大部分の成長ポテンシャルが新興国で行われる中、欧米に本社を置き、現地の人を置き去りにして、英語を話す人たちだけで現地のビジネス戦略を決めている。
  • 300人グローバル企業のトップをインタビュー。現地のライバル企業に比べて顧客ニーズとそれをきちんとオペレーションで提供できる自信があるか、6割以上が自信がないという。

現地のタレントを活用できていない現実について

  • 新興国、いや新興都市の中でトップタレントを雇い、教育して、維持していく、Global Talent Managementが今後ますます大事になってくる。しかし、最近の調査によるとこうした平均的に見てグローバル企業のトップマネージメント層200人の内、新興都市かの人達はわずか2%しかはいっていない。
  • もちろんタレントが不足してというのもあるが、それよりもいまだ現地のタレントをどう活用したら良いか模索している要素の方が強い。

私の目から見て日本企業より遥かに欧米のグローバル企業の方が現地の人間をうまく活用しているように見えていましたが、これは現地で英語を話す人たちをうまく活用しているのということだったかもしれません。

国ではなく、都市でマーケットをセグメント。それもいまだ聞いたことのない、440もの都市に対し、違ったビジネス戦略を練らない。日本では英語を社内公用語化しようという流れが盛り上がってますが、いまは英語よりさらに進化して:

英語を話さない、現地の優秀な人をいかに早い段階で目利きして、教育し、要職につけるか

こちらにゲームのルールが急激にシフトしていっているように感じました。いままでとは少し違った、Global Talent Management能力が求められてくる。15年後だったらまだ現役でいれるので、面白そうな時代が見ることができそうです。準備しておかなければ。。。


Posted by Masafumi Otsuka

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comments

    Nov 28
    2015

    Harry

    国毎ではなく、都市毎にセグメントするって、
    面白いですね。確かに安くてナンボの大阪と
    東京とは違いますもんね。
    ブラジル行ってみたくなりました。

    Reply
      Jan 05
      2016

      Masafumi Otsuka

      Harry,
      この本、面白いですよ!早く読んだ方がいいですよっていうことで翻訳を待たずに(さすがにこの本は今年夏頃には翻訳版が出ると思います)読んでみてくださいね。それよりも先にブラジルに行ってみてください。いま大変なことになっているようですが…

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