オープンにCommunicationをとるってどういうこと?

オープンにCommunicationをとるってどういうこと?


open communicationMost people do not listen with the intent to understand; they listen with the intent to reply.
-Stephen R. Covey

ちょうど、10年前、アメリカ在住の検事さんと仕事をしていて、ちょっとしたミス・コミュニケーションと不運が重なり、仕事を途中でキャンセルせざるを得なくなるという「事件」起きました。

当時の私の感覚からしてこの事件、こちらが全面的に悪いわけではなく、お互い様だから問題ないだろうと、キャンセルになった旨、メールを送ったら、すぐに電話が鳴った。かなり怒っている。やばい。。。

外国人、特に西洋人は押しが強く、議論をしていてちょっとでも油断をすると、やられてしまう強迫観念からか、議論に負けない為にも、事前に「こう言われたらこう言い返そう」等、何度もシミュレーションして、予想外の展開になりそうだったら、強引に相手を遮り、その先の話はさせず、自分の主張を何とか押し通そうとする。又は何かしら理由をつけて議論をやめ、リスケをしようとするなど、当時は相当構えていました。

しかし、この件は向こうにも非があったので、それ位は分かってもらえるだろうとメールで済むものだと思い込む。電話がかかっていること等想定していないので、準備は何も出来ていない。相手は全米トップクラスのLaw School(法科大学院)を卒業した検事さん。

外で取ってしまった電話。メモが取れない… 完全負け戦です。

仕方ないので、とりあえず本人の言い分だけ聞いてみて、その後「電車に入るから後で電話をする」等言い訳を作って切ってから対策を練ろう(←陰湿な性格・笑)と、作戦を切り替えました。

面白いことに、集中して聞いていると「なるほど。そういう風に約束してたと思っていたのか。それだったら怒って当然だな…」とちゃんと筋が通っている(検事だから当たり前か・笑)。誤解ないように確認作業を逐一入れながら聞いていたのですが、相手もちゃんと理解してもらっているという安心感からか、話し終えた時にはすっかりと落ち着いている。

そこで「そういう風に伝わっていたのだったら申し訳なかった。全くそんな意図はなく、自分はこういう風に伝えて、理解してもらったと思っていた」と話し出したら、相手も同じように、正確に理解しようと聞いてくれ、いつの間にか、「今後こういったミスコミュニケーションが起きないためにはどうしたら良いか」という建設的な話し合いになり、清々しい気持ちで電話を切りました。

7つの習慣冒頭の引用、世界的ベストセラー、7つの習慣(←私は途中で挫折してしまいました)の著者の言葉:

ほとんどの人は相手の話を理解しようとするよりも、どう返答しようかを考えながら聞いている。

と。これは深い。。。例えDisagreeしたとしても、それはちょっと横に置いておいて、一度、相手がどうしてそう思っているのか全部受け入れてみる。”Oh, I see why you’re upset.”とか”Oh, I see your point.”みたいなことをいって、その理由まで伝えてあげる。すると相手のガードが下がり、こちらの話をちゃんと聞いてくれるケースが多い。

でもこれが本当に難しい。 特に文化が違うと、相手の常識がこちらの非常識だったりするので、無意識に”Wait. I think you’ve got it wrong.”とか”Wait! I did’ t say that!” とついつい口に出てしまう。

オープンにCommunicationをとるとはどういうことか。この事件。私にとって大きなA-ha moment (気づきの瞬間)でした。今でも検事さんとは仲良くしています。


Posted by Masafumi Otsuka

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