顧客体験を上げる前に従業員エンゲージメントを上げよう
従業員エンゲージメント(Employee Engagement)という言葉をご存知でしょうか。米Forbes誌によると
従業員エンゲージメントとは従業員が企業やそのゴールに対して抱いている心理的なコミットメント
と定義しています。この従業員エンゲージメントの指標。ここ数年、外資系グローバル企業の中でhot topicになっており、従業員エンゲージメントスコアが前年に比べて大きく落ちた部署や、他の国に比べて低く出た場合、その原因を探って欲しいと、私のような外部ファシリテーターを雇い、ワークショップを行い、その原因を究明し、このスコアをいかにあげていくべきか、トップマネージメントは真剣に考えています。
何故この従業員エンゲージメントの指標を外資系グローバル企業の幹部は重要視するのか。スタンフォード大学ビジネススクール(MBA)教授のChip Heathが最近出した本、”The Power of Moment: Why Certain Experience Have Extraordinary Impact”によると
リッツ・カールトンホテル、ディズニー、サウスウェスト航空など、優れた顧客体験を提供する企業を研究するとある共通する特徴に気づく。この従業員エンゲージメントスコアが例外なく高い
と言います。そして
優れた従業員体験を提供できていない企業は優れた顧客体験を提供することはできない
と結論づけています。あっ、従業員体験をあげるというのは従業員を甘やかすという意味ではないです。これは従業員エンゲージメントスコアをどう測定しているかを見るとよく分かります。
米調査会社のGartnerは従業員エンゲージメントを測る際、聞くべき代表的な質問を以下の9つ提案しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
- 会社全体の戦略的なゴールを理解しているか。
- 会社のゴールや目標を達成するためにあなた自身が何をすべきかを理解しているか。
- あなたの仕事と会社のゴールや目標との接点が見えるか。
- 自分が所属しているチームに対して誇りを持っているか。
- あなたのチームはあなたが最高の仕事をするためにinspireしてくれるか。
- あなたのチームはあなたが仕事をちゃんと終えられるようサポートしてくれるか。
- 仕事上で正しいdecisionを行うための情報は揃っているか
- 何か突発的な問題が起きた時に誰に助けを求めれば良いかを把握しているか。
- Do you have a good understanding of informal structures and processes at the organization?(これだけうまく翻訳できないので原文のまま記載します)
数年前まで各質問を5段階で回答させている例を見てきましたが、最近の傾向として、よりポジションを取らせるために3段階(そう思わない・どちらでもない・そう思う)で回答させているように感じます。
従業員エンゲージメント。日本企業ではあまり導入している話を聞きませんが(違ったらごめんなさい)、優れた顧客体験を提供するにも、また優秀な従業員を他社に取られないためにも、この従業員エンゲージメントスコア。コンスタントに調査し、改善していくべき大切な指標だと思います。
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