いま求められているCreativityとは?
社会が安全で安定しているときは、(今あるモノを)より良く、より効率的に行うスキルが求められる。政治、テクノロジー、ビジネス等、社会環境が不安定になり、過去の常識が通用しなくなるとき、求められるスキルが劇的に変わってくる。「いまあるモノを改善していく」スキルの価値は急速に下がり、”creative”なスキルが大きく求められ出す。
-Bruce Nussbaum
いまどのビジネス書を読んでも”Creativity”という言葉が繰り返し出てきます。”Creativity”と聞くと眉間にしわを寄せる人が多い(笑)。「勘弁してよ。私はCreativeではない」と。
冒頭の引用。ちょうど今読んでいる”Creative Intelligence“という本の中からの抜粋で、著者のNassbaum氏は、「今まで”creative”といえば一部の天才や著名な芸術家のみに与えられた特別な才能であったが、いま、時代の変化に応じて”creative”の定義が大きく変わって来ている」といいます。そしてこう続けます。
いま求められている商品、サービス、体験はあまりにも複雑になりすぎていてもはや、一人の天才に頼ることが出来なくなってしまった。これからは従来の垣根(国籍、業界、職種)を跨いだモチベーションの高い人達同士のコラボによってイノベーションが起こっていく
例えばネットワーク機器の大手のCisco Systems社の人材開発責任者は幹部候補生を雇うとすぐにインドに連れて行くといいます。そして携帯電話を片手に話しながら、おむつなしの素っ裸の赤ちゃんを抱き、裸足で普通に歩いている女性を見せる。すると幹部候補生達は衝撃を受ける。地域によって求めるモノ、サービスも違えば欲しいものの優先順位すら違う。そして、こうした世界でビジネスをする難しさを嫌というほど味わうと書いてあったのが非常に印象に残っています。
いまのCreativityは「国籍、業種、職種を跨いだ専門家集団とコラボレーション」によって生まれるとNassbaum氏は結論づけます。ここからは私見ですが、そこで大切になるのが、きちんとこうした「グローバルな場でのコラボの仕方やコミュニケーションの取り方」、そのルールが分かっているかどうか、ちゃんと輪の中に入り、貢献出来るか。いままさに求めれているのがこうしたスキルなのです。
そんな中、いま私が見ていて一番歯がゆく思うのが、専門性、英語力、モチベーションも十分備わっているのに、このコラボの方法が分からず、輪の中に入れない日本人が本当多い。共通して皆さん、自分の英語力、英会話力のなさのせいにする。
以前「日本人のグローバル化を阻む3大マインドセット」という記事に書きましたが、我々日本人のDNAに無意識に刷り込まれている実践している
- 分からないことがあったらまず自分で調べてから聞きなさい。
- 考えはまとめてから話しなさい。
- 自分で出来ることは全て自分でやりなさい。
というマインドと正反対でこの「コラボのルール」
- 分からないことがあったらタイミング、頻度関係なくその場で止めて聞く。
- 考えは相手を抱き込みながら一緒になって考え、まとめていく。
- 自分でなくても出来ることは他の人に任せて、自分の得意なことで貢献する。
は行われています。今まで無意識でやっていたことと正反対なことをいきなりやれと言われても出来るわけがない。いきなりその場に放り込まれて「慣れろ!」と言われても、無理に決まっています。つい先日、オランダに出張に行った外資系製薬会社にいった友人(日本人)が
グローバルチームとワークショップ。これからこういうスタイルの会議は結構多いけど、日本人が発言したりファシリテートするにはコツがいる。少し研究してグローバルコミュニケーションのビジネスパーソン向けの研修コンテンツとして作りあげられないかな?
といっていました。いま、こうした「コラボのルール」を学ぶ場所がないことが問題になっています。私もいろいろと実験はしていますが、同様な危機感を持ち、実践で色々試されている方々も多いと思います。そういった方は是非 こちらまでご連絡ください。近々、そういった方々との集いを企画したいと思います。またお時間がある方は是非5/7(火)のセミナーにお越しください。一緒になって大きなムーブメントを起こしましょう!
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