デザイン・センスを磨く

デザイン・センスを磨く


cover_designまずはちょこっと告知。6/18(火) のNHKクローズアップ現代に出ます。「急拡大する“クラウドソーシング”」という特集で19:30より放送します(実際の放送はこちらで御覧頂けます)。

さて、今回のブログ記事。まずは右の2つの画像を見てください。これは先日行ったセミナーでの成果物です。受講生を2グループに別け、現地にいるバングラデシュ人とアメリカ人グラフィック・デザイナーを各グループに割り当て、ビデオSkypeで登場してもらい、一緒になって世界で勝負出来そうな和書の英語翻訳版の表紙をデザインするというプロジェクトに挑戦してもらいました。

何故こうしたことを考えたかというと、

  1. 感化された洋書の日本語版が出る度にその日本語タイトルや表紙のデザインにがっかりさせられることが多く、今後ビジネスパーソンにもデザイン・センスが必要なのではないかと思ったこと。
  2. 今後益々日本が世界の一員として組み込まれていく過程で、世界中の人々、特に異業種の人間同士でアイディアをぶつけ合い、一緒になって何かをinnovativeなモノを作っていくスキルがより求められていること。

この2つを同時に学ぶ場を作ってみたかったからです。

料理の旅人今回は授業冒頭に、英語版を作る和書を紹介。これは年に240冊以上本を読む私のクレージーな兄に世界でも勝負出来そうな和書がないかと尋ねた所、「料理の旅人」という本を紹介してもらったので、兄に事前に聞いたその内容をざっくりと説明(私はこの本を読んでません・笑)。直後に2グループに分けて、70分間で、その場で英語のタイトルを含めたコンセプトのブレスト、さらにスケッチアーティストを交え、その場で画面共有をしながら一緒にデザインを考えてもらいました。

終了後に今度は私の知人でアメリカでもトップのデザインスクールを出た、本も何冊か出しているベルリン在住のデザイナー、Romeo Alaeff氏に登場してもらい、受講生が作りあげた2つの表紙についてコメントをもらい、デザインの基本的コンセプトを学びました。Alaeff氏曰く:

  • Group A(Food Sprit)の表紙はシンプルでちょっとミステリアスな要素がある。目には優しいが、何について書かれている本かが伝わってこない。小説といわれても通用する。
  • Group B(24 KNIVES)の表紙はGroup Aに比べて日本的な要素が沢山はいっており、包丁が揃っているので料理について書かれた本であることが分かる。ただ、日の丸の上に桜を被せることで出来る四角の枠がデザインを支配(dominating the design)してしまい、どうしてもそこに目がいってしまうのが勿体ない。
  • 文字やグラフィック等で情報を大量に伝えようとすると、逆に見ている方は混乱してしまい、伝えたいメッセージが伝わらなくなってしまう。デザイナーはメッセージよりも美しさを追求してしまう。この2つをいかにうまくバランスさせ、「欲しい!」と直感的に思わせるかどうかの相乗効果をどうやって持たせるかが大切。BのタイトルとAのシンプルでちょっとミステリアスな要素を組み合わせればより良くなるのでは。

と。実際にやってもらってみてこれがいかに難しいか改めて感じると同時に、非常に勉強になりました。

さて、今回のNHKの取材。2名のアーティストをoDeskというグローバルアウトソーシングサイトを通して募集、面接、採用するところからセミナーまで全て撮っていきましたので、「こんなことまで出来る時代になったのか」と感じていただけると思います。

いま、インターネット環境が新興国でどんどん整備され、テクノロジーもどんどん進化し、世界中の人々とコラボレーションが出来る、大きな可能性に満ちた、考えようによっては恐ろしい時代に入ってきてます。初めてここまで踏み込んだライブ授業を行ってみましたが、次回はさらにクリエイティブなこと、面白いことが出来そうです。会社が直面するリアルな課題に対してoDeskを使って世界中のタレントとコラボレーションして解決していくような前回のブログ記事で書いたようなプロジェクトもどんどんやっていきたいと思います。

ちなみに画面共有しながらVideo Skypeで作っていく過程はこんな感じになります。


Posted by Masafumi Otsuka

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