日本人が「恥」と考える行為が、グローバルでは「信用」につながる!?
「なお(中略)サーベラス・グループによる西武鉄道の一部路線廃止や埼玉西部ライオンズの売却の可能性などが報じられており、皆さまには大変なご心配・ご迷惑をおかけしておりますが、当社といたしましては、そのような考えは一切ございません。」
「武士に二言なし」、「朝令暮改」に代表されるように日本では一度口に出した言葉は取り戻せない。そういう人は信用出来ないと考えられます。それだけ話す内容を注意深く考え、使う言葉を入念に選ばなければいけません。先日行われた西武HDの株主総会前のドタバタ騒動を見ていてこれが良く分かります。
筆頭株主で米投資会社サーベラスが以前、「西武ライオンズ球団の身売り」や「一部路線廃止」の提案をし、後日撤回したにも係らず、西武HD側は株主総会前に西武鉄道のほぼ全車両の中刷り広告に、既成事実のような書き方で冒頭記載の広告を出す。ただ、この感覚は日本以外ではなかなか理解してもらえない。
意思決定のプロセスにもこういった考え方は大きく影響します。日本では意思決定を一部の限られた人達の中でクローズドに行われる。意思決定のプロセスでDisagreementがあった場合、「身内の恥をさらす」感覚になるのか、公になることはまずありません。だから例えオープンなミーティングを行っても結論が先に決まっていて、それを共有する場になってしまう。
しかし、グローバルな場では誰にでも見える形でその場でオープンに物事を決めていく。こうしたスタイルで意思決定を行う際、大切なのは「途中で立場を変えても良い」という柔軟性です。 そもそもある問題の解決策を皆で考えているわけですから、まずは立場を取り(何か案を出し)、何で自分はそう思ったのか、きちんとそれを伝える。その後、考えても見なかった視点・アイディアやデータが出て来て、「そっちの案の方が良いかも」と思ったら、立場を変えても全く問題ない。こうしたことが良いDecision makingにつながると、グローバルな場では考えられています。
大事なのは「立場を変えたかどうか」ではなく、この一連の意思決定プロセスに入っていること。それがその人の信用に繋がる。
日本人が「恥」と考える行為が、グローバルでは「信用」につながる。こうした考え方の違いも、世界から見て日本という国、日本人という民族をより分かり難くしているなのではないか。こうした日本人の思考法も世界に知ってもらう必要があるのではないか。今回の西武HDのドタバタ劇、特にほぼ全車両中吊り広告まで出したという話を聞き、強く感じました。これは英語ブログにもアップしたいと思います。
Google+