発想をつないでいく

発想をつないでいく


connectionPeople will be most creative when they feel motivated primarily by the interest, satisfaction, and challenge of the work itself—and not by external pressures.
-Creating Innovators (Tony Wagner)

前回の記事、『oDeskを使った英語学習術』で実際に発注をかけましたFacebook用のカバー写真がようやく出来上がりました。今回は珍しく(!?)アーティストとうまく連携して発想を膨らますことが出来ましたので、そのCreative processをシェアしたいと思います。

前回、バングラデシュ人を採用する過程及び実際に仕事を発注するプロセスを細かく書きましたが、その3日後戻って来たイメージはこれです。

sketch1

う〜ん。なんかイメージと違う。。。Simplicityを感じない。白黒のハンモックのスケッチのバックにニューヨークのタイムスクウェアの夜景を出せば、「リラックス」と「忙しい」のコントラストが出て、「もっと楽しく行こうよ!」というイメージが伝わると思ったのですが、タイムスクウェアのノイズが大き過ぎてリラックス感、静寂感が伝わらない。

「ちょっとイメージと違う」と正直に伝え、少しブレストをするも煮詰まったので数日お互い考えることにしました。そうしている間にカバー写真とは別にプロフィール写真を作る為に$20で採用した別のグラフィック・デザイナー(アルメリア人)から「まだ打ち合わせが出来ないのか」との催促が。。。ヤバイ、まだカバーも出来ていないのに。。。

「まあ、いいや。どうせだったらいま煮詰まっているカバー見てもらい、新しい視点をもらおう」と、ビデオスカイプで登場してもらい、まずはいまの自分のフェースブックのカバーを見てもらい、シンプルにいきたいということ。「リラックス感」「静寂感」をメッセージとして出したいことを伝え、少しブレストしました。ここであがった問題点が

  • ハンモックが全体の中で浮いてしまって、タイムスクウェアと喧嘩している。ハンモックをどうやって写真にblend inさせ、一体感を出すか
  • カバーに自分が入ってしまうと、プロフィール写真の位置づけが難しくなる。違和感なく自分を2回出す方法はないか

anul_arakelyanとのこと。いろいろと話しているうちに何かイメージが湧いたらしく、ちょっと簡単にスケッチに落としたいというので早速依頼。その間にFacebookで繋がったので彼女のページ内に公開されている作品集をざっとみていました。いいセンスしています(思いっきり主観ですが…)。特に気に入ったのが右のグラフィック・アート。これはちょっと期待が持てそうだとワクワクしながらイメージがあがってくるのを待っていました。

そして3日後にあがってきたのがこれです。

sketch2

berlin_art_museumこれ自体、特にいいと思いませんでしたが、「プロフィール写真をカバー写真の一部にする」という発想がすごく新鮮で、これを見た時、ぱっと思い出したのが去年の秋、ベルリンの絵画館に行ったとき、一目惚れした右の絵画。この「中央の古本の中でシャボン玉を吹いている男」みたいな感じでプロフィール写真を作れないか。また、私が気に入った彼女のグラフィックアートを使わせてもらい、その中に組み込めないか、とその使用許可を含め尋ねた所、”Of course!”と快い返事をいただきました。

その後、どうやって私のプロフィール写真を彼女の絵の中にblend inさせるか。例えばテーブルの一番左端(プロフィール写真が入る所)に写真立てを入れ、その中写真立ての中に私を入れるか、開いた本はどうか等いろいろと話し合いました。また、絵の中の一部だけではなく、プロフィール写真自体でも単体で使えるように作って欲しいと依頼。本人、何かアイディアが浮かんだらしく、あとはお任せしました。そして、3日後にイメージがあがって来ました。

sketch3

すごい!新たに書類を重ねてその中から古紙がはみ出し、その中に私がいる。ものすごいクリエイティブです。これだったらプロフィール写真単体としても利用出来ます。即採用!早速2つのファイルを送ってもらいました。

実際に入れてみると書類の高さが足りず、まだずれている状態ですが、後日、もっと書類を積み重ねてくれるということでとりあえず私のFacebookページにアップしました。アップした途端、「いいね!」を沢山頂き、本人大喜び。今まで色々なアーティストと一緒に仕事をしてきましたが、今回はこちらから「こうして、ああして」と細かく指示するのではなく、自分のイメージを正確に伝え、何が問題になっているのかを明確にして後は任せてしまう。こうしたやり方がアーティストのモチベーションをあげ、個性を引き出す。良い勉強になりました。

バングラデシュ人のアートをベースにアルメリア人のアーティストが発想を広げ、それが去年秋にみた一枚の絵に繋がり、それをベースにお互い満足する作品を創り上げていく。出発点が以下の簡単なスケッチだと思うと良くここまで変わったものだと感心してしまいます(笑)。

facebook_cover

こうしたことが2名のグラフィックデザイナーと3週間かけて、わずか$50で出来る。これはもう英語学習の領域を遥かに超越しています。ちなみに今回雇ったアルメリア人デザイナーはAnul Arakelyanさん。この人はoDeskでデビュー仕立てで私との仕事が初めてだったみたいですが、今後大きく羽ばたいていく予感がします。

世界中のタレントとコラボする。楽しみながらいま、世界を舞台に活躍する際に求められているスキルを一括で身に付ける。失敗してもわずか$50。安い英会話レッスンだったと思えば良い。是非oDeskを利用してこの未知の世界を体験して欲しいと思います。


Posted by Masafumi Otsuka

Leave a Reply