「理解出来ていないのは自分だけ」という誤った思考法
分からない単語や表現が出てきたり、内容で置いていかれそうになった瞬間、躊躇せず、その場で「ちょっと待って!」と止めて、理解するまでしっかりと確認作業をする
自分のリスニング力のなさ、勉強不足が原因で止めてしまうのは、理解できている周りに迷惑をかけてしまうのではないか
そこで研修中、何とかこれを体感してもらおうと、Discussionのトピックを発表時に、いかにも置いていかれていそうな人(大体表情を見ていれば分かります・笑)を当て、”Do you understand what this word mean?”みたいに聞きます。すると”No.”という。ここで他の置いていかれてそうな人に聞いて見る。すると同じく分からないという。“See! You’re not the only one”といって、次に頷きながら聞いていた人に答えてもらう。
もちろんそこでちゃんと説明できるケースもありますが、「なんとなく理解できている」のとそれを「周りに分かりやすいように説明出来る」のは同じように見えて、実は違って、うまく説明できないケースが多い。
結局参加しているノンネイティブの外国人を交え、全員説明できないケースが少なくない。そういう状況を作れるとうれしい(←性格悪い・笑)。一番はじめに当てた人に「ほら、もしあなたが、相手を自ら止めて確認作業をしていたらヒーローでしたよ」といってあげられる。
これを何度も何度もやっていくと、自信を持って止められるようになるし、止めた後の確認作業のやり方もその時に色々な例を学ぶことができるので、止めた後の確認作業を含め、ナチュラルに出来るようになります。
これは何も日本人だけの問題ではありません。「これを聞いたら頭が悪いと思われるのではないか」という思考は万国共通で、特にエリート思考が強いほど、この傾向が強いように感じます。
ただ、グローバルで利害関係者を一同に集め、複雑な問題をその場で解決しようとするGlobal Meetingで、この思考法のまま臨むと、一瞬で置いていかれ、一言も貢献できない。するといずれ呼ばれなくなるし、せっかく貢献できるものを持っているのに出せないのは会社にとって大きな損失になる。
努力でなんとかなる英語力以上に、こういった呪縛からの解放の方が厄介で、いかにこれを教えるかこそ我々教育業界の人間は研究しなければいけないのではないかと日々感じながら色々と実験しています。
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