時代遅れの英語教材で学んではいけない

時代遅れの英語教材で学んではいけない


英語教材先日、ふらっと書店に入り、ビジネス英語の教材を立ち読みしたところ、面白いことに気づきました。見本となる対話文が実際のグローバルビジネスの現場で行われているものと比較し、あまりにもかけ離れていると。

例えばポッドキャストで人気のビジネス英語の7月分のテキスト。まず対話文(スキット)が出てきて、そこに出てきた新しい単語・フレーズが隣のページにリストアップされている。

テキストの最後にその月に覚えなければいけない新しい単語・フレーズが全てまとまっている。全て数えたところ180もありました。その中で、あくまでも私の感覚ですが、知らなくても良いと思われる単語・表現はなんと80個。40%以上です。

こういう単語・表現はわからなければ止めて聞けば良いし、ノンネイティヴが参加するglobal meetingで、ネイティヴがこういった難しい単語・表現を使うのはルール違反。 ノンネイティヴは覚える必要はない。

必要のない単語・表現を覚えさせようとしている。これはひどい。。。しかし、これ以上にひどいと思うのが、「止めて聞く」という確認作業が、対話文に一切入っていないこと。

まるで、

止めて聞くのは日本人として恥しい。一発で聞き取れるように単語・表現を覚えるべき

と暗黙のメッセージが込められているようにさえ感じます。

英語によるmeeting(その場で意思決定が行われるもの)において、単語・表現・内容の確認作業を絶えずやらないと一瞬でおいていかれる。私も週に数回、5名程度(日本人は私一人)でmeetingを行なっていますが、1-2分に一回は自ら議論を止め、こうした確認作業を行なっています。

見本となるべき対話文で確認作業を入れていなければ、実践しようという意識が働くわけがありません。

この教材に限らず、私が立ち読みした全てのビジネス英語の教材、対話文中に確認作業が入ってませんでした。

アメリカ人とだけ、アメリカ国内でビジネスをすることが目標ならこの学習方法はわかります。しかし、今のグローバルビジネスは全く違う。

主戦消費マーケットが欧米から新興国に移り変わり、それに伴い英語もネイティヴ、ノンネイティヴ同士がシンプルなコミュニケーションするためのツールへと急速に変化を遂げています。

もう、

  1. 対話文(スキット)を聞く・読む
  2. 出てきた新しい単語・表現を学ぶ

という形式で学習させるものは一気に時代遅れになったと考えて間違いない。勉強している方々にとって、次から次と新しい単語・表現を覚えさせられ、永遠と終わらない学習ゲームをさせられている。

今の時代は対話文とフレーズ集が分かれているのではなく、これが一体となっているもの。つまり対話文中、難しい単語・フレーズが出てきた直後に”Excuse me. What do you mean by ***?”と相手を遮り、確認する。内容でちょっとおいていかれそうになった瞬間に”Wait. I’m getting a little confused. You’re saying ***, right?” などの確認作業が嫌というくらい行っているもの。

これがまさしく、普段私がグローバルビジネスの現場で行なっている会話であり、英語教材もこうした対話が主流になっていないとおかしい。

見本となる対話文の中に状況に応じた確認作業が沢山入っていれば、本番でもやろうという意識が働き、こうした確認作業を通じて語彙力や表現力をつけていくのが理想だと思います。

今後ブログでこういった対話事例を具体的に紹介していこうと思いますが、このような教材がありましたら是非教えてください。

参考記事
ガラパゴス化する英語業界
分からないことをその場で「分からない」というスキル
Active Listeningを短時間で身につける方法


Posted by Masafumi Otsuka

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