グローバル化した日本語
以前「最も大切な英語表現」というタイトルのブログ記事で”Can you speak more slowly?”を何度でも伝える大切さについて書きました。相手の話す速度に自分が合わせるのではなく、自分が理解しやすい速度に相手を合わせさせるのがグローバルコミュニケーションにおいて最も大事だと。
先日ある日本大企業の人事の方から面白い話を聞きました。この会社。最近日本の大学を出た、日本語が話せる新卒の外国人を取り始めているといいます。
事件現場はトイレ。新人研修を受けている外国人社員同士の会話(英語で話していたらしい)。
研修の講師がレクチャーをしている日本語はよく理解できるのだが、何か課題を与えられ、同僚とチームを組まされ、話し合いを始めた瞬間に置いていかれる
と。話すスピードが速すぎるし、聞いたことのない言葉がバシバシ出てくる。
あれれ。日本人が英語のミーティングで置いていかれるのと同じ現象が起きている。英語ネイティブの社員にして欲しくないことを日本語ネイティブの社員が無意識で行っているというのは興味深い。
先日e-Jan networksという快適にテレワーク(自宅で仕事)が出来るためのプラットフォームを提供している会社の社長の坂本史郎さんと話していたら、同じようなことを言っていました。
e-Jan networksは5年位から積極的に外国人プログラマーを採用しだし、今では社員80人中、2割以上は外国人だといいます。
ここの会社のユニークなところはフルタイムで英語・日本語・中国語の先生を雇っているということ。私も何度かお邪魔しましたが、外国人社員はネイティブレベルまではいかないにしてもほぼ全員、日本語は話せます。
当然会議もほぼ日本語で行われる。そこで全く同じように日本人社員が外国人社員を置いていってしまうらしい。
そこであるプロジェクト・リーダーが「聞き取りやすい日本語」で話す配慮をすべきと、日本人が外国人が出席する会議で日本語を使う際、以下のルールを提案したといいます。
- ゆっくり、はっきり、話す
- 難しい単語を使わないようにする。
- 一文を完結させる。途中で文章を終わらせない。
例:この話は、日本語で。→この話は、日本語で話します。 - 口語を使いすぎない。
例:しちゃうんですが→してしまうのですが - 何文も続けて、長い文を作らない。
- 二重否定は使わない。
例:ないこともない
素晴らしい!
グローバルミーティングでの1番のルールは出席者全員が話の内容を常に100%理解していること。置いていかれている人がいないことを全員で気配りしていること。英語だろうが日本語だろうが関係ありません。
これからグローバルでコラボする機会が益々増えてきます。言語を磨くと共に、こうしたマインドセットを持っていることが大切だと最近、強く感じます。
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