ハーレー・ダビッドソンに学ぶInnovativeな文化の創り方

ハーレー・ダビッドソンに学ぶInnovativeな文化の創り方


ideation先週11/22付の日経新聞で、ハーレー、「バイク離れ」の中で快走する戦略 (ライフスタイルや「体験」を提供)という記事の中で、

大型バイクブランドのハーレー・ダビッドソンがバイク離れの中で逆に販売を増やしている。その背景には「モノ」としてバイクを売るだけではなく「体験」を提供するブランド戦略があるという。

と書いてありましたが、この話の裏に、昨年末から今年の夏にかけて、全国80以上ある全てのディーラーさん一軒ずつ周り、「いかに顧客体験を上げていくか」、ハーレーらしい具体的な顧客体験案作りを丸一日かけて考えるIdeation Workshopが実施されていたことはあまり知られていません(Workshopの詳しい内容はこちら)。

Ideation Workshopとは何か。Ideationとは”Idea”と”Creation”の造語で、新商品・サービスの開発をはじめ、社内で抱えるどんな難しく、Creativityが求められる”business challenge”でも、関係者を一同に集め、1日か2日かけて、CreativeなIdeaをどんどん出してもらい、最終的に一人で考えても絶対に出てこない、誰もが想像しなかったbreakthrough ideaに導くワークショップ。

Harley_Debutハーレーが行ったこのワークショップ。私自身一部お手伝いをさせていただきましたが、非常にうまく設計されており、ファシリテートしていた私自身もビックリする位Creativeな案がいくつも出て来ていました。アイディアは上からやれといわれたものではなく、各ディーラー、全てのスタッフ自身が考え、生み出したものなので当然実現しようとします。お客さんも喜ぶはずです。

ハーレーさんのワークショップの設計には直接関わりませんでしたが、こうしたワークショップを設計の段階からやってみたい。さらに日本人だけではなく、英語で様々な国の人々を交えてやってみたいとずっと考えていました。この想い、実現します。

年に一度、1週間の間、アジア各国のスタッフを東京に集め、いつものテレコンではなく、Face to faceで一緒に仕事をしながら親睦を深める”Asia Week”というもの実施しているある日本の大企業に「アジアのスタッフ向けに丸一日かけて何か面白い研修をやって欲しい」と頼まれたので、迷わず「Ideationをやりましょう!」と提案。

Creative Challengeを「どうしたら世界のタレントをより活かせる(やりがいを感じてもらえる)環境を作れるか」とグローバル展開している日本企業の多くが抱える大きな問題に設定しました。

idea-stormersワークショップの設計はIdeation Facilitatorの第一人者であり、以前、答えは社内にあるというブログ記事で紹介した本、Idea Stormersの著者、Bryan Mattimore氏に手伝ってもらいました。聞いてみるものですね。快諾して頂いた上に、何時間もSkypeを通じ、ブレストに付き合ってくれました。

Mattimore氏が提唱するCreativityを引き出す為のテクニックは7つありますが(ハーレーのワークショップでもその一つを使ってました)、どんなCreative Challenge なのかに応じてどのテクニックが合うか、一部工夫を加えたり、いくつかのテクニックを状況に応じて組み合わせたりする。

とにかく準備が大変!Mattimore氏曰く、”Ideation is 80% failure”とのこと。一つのテクニックがうまく行かなかったらさっさとやめ、次のテクニックに移れと。いくつものバックアッププランを用意するよう言われ、前日は疲れとプレッシャーで潰れそうになっていました(笑)。

実際にやってみてほ〜んと勉強になりました。もちろん面白いアイディアも沢山出てきましたが、それ以上に、何が問題になっているのか。各国違った情報が出てくるので、問題の全体像がよく見えると同時に、参加者同士がそれを深く共有できる。共有することによってより感情移入が起き、一緒になって必死に考えるのでチームビルディングにも役立つ。さらに今回はCreativeな考えを出す為のテクニックを3つ紹介したのでそれを実際にスキルとして職場に戻って帰り活かせる。一石三鳥、いや四鳥です。

ハーレーさんは世界にある1,500ものディーラーさんで全て同じIdeation Workshopを行ったといいます。何故そこまで徹底して行ったか。その理由がよく分かりました。

IdeationこそInnovationを起すような文化を社内で創りたいと考えている企業にとっての一つの答えなのではないか。これから凄まじく流行っていきそうです。


Posted by Masafumi Otsuka

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