参考文献を辿っていく読書術

参考文献を辿っていく読書術


book考えても見なかった面白い視点や好奇心を大いに刺激される本に出会うと必ず「著者のこの発想、どこから来たのだろう」と思ってしまいます。そしてもっと深くそのトピックについて掘り下げていきたいと思い、その本の最後に出てくる参考文献の中で面白そうなものを探し、発想のルーツを辿っていきます。

例えば4年前に「自分を差別化する方法」という記事で紹介した「ビジネスで一番大切なこと」(Youngme Moon著)という本。過去、マーケッティングの分野で最も刺激を受けた本ですが、

企業(ブランド)が自社製品をさらに差別化しようと新しい機能を追加すると、他社もそれを真似る。そうしたイタチごっこが激しい競争を生み、結果として消費者からすればどれも同じモノに見えてしまう。そんな中、同じ商品カテゴリーに属しながら大きく成功するブランドがある。

Differentと指摘。その代表例としてIKEA(家具)、REDBULL(栄養ドリンク)、シルク・ドゥ・ソレイユ(サーカス)、Mini Cooper(車)、Birkenstock(靴)が挙げられており、こうしたブランドは「競争の激しい業界の中で何故長期にわたって何故真似されないで成長出来ているのか」、それを独特な視点で解説している。

内容自体は「ブルーオーシャン戦略」を代表とする他の代表的なマーケティングの本とそれほど変わりませんが、その発想方法というか、問題のアプローチの仕方が全く違う。少なくても私にはそう感じる。

The Design of Everyday Thingsご冗談でしょうファインマンさんそして、この独特な発想法、どこから来たんだろう。そう考え、巻末の参考文献リストから筆者に大きく影響を与えたと思われる本を探し、読んでいく。この本に関して言えば、何冊か参考文献リストから本を読みましたが、「ご冗談でしょう。ファインマンさん」(Richard Feynman著)と”The Design of Everyday Things”(Don Norman著)の2冊が特に印象に残っています。何か著者の発想の原点を垣間みたような感覚を受けると同時に、新たに読んだこの2冊の本から「面白い!」と思った視点のルーツをその参考文献に求め、辿っていく。

こうして自分の好奇心を探求していくと、色々な考え方や新たな視点に影響され、知らない間に自分独自の視点が形成されていくのを感じます。

よく人に本を勧められ、途中で挫折し、「大塚さんあの本、面白く感じなかったのですか。」とガッカリされることもありますが、面白く感じなかったんだから仕方ない。そもそも自分が面白いと思った本でも全く響かない人がいる。また、同じ面白いと感じる本を読んでいても響いている箇所が違う場合の方が多い。結局面白いと思う所自体が自分の個性であり、そこをさらに深く追求していくわけですから、より個性も磨かれていく。

あれれ。ちょっと本題から逸れてしまいましたが、考えても見なかった面白い視点や好奇心を大いに刺激される本に出会ったら「著者のこの発想、どこから来たのだろうか」と考え、その発想のルーツを参考文献として挙げられている本を読みながら辿っていく。間違いなく新しい発見が待っています!

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Posted by Masafumi Otsuka

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