パッションより大切なもの。

パッションより大切なもの。


big_magic明確なパッション(人生のゴール)を持っていない人に、「自分のパッションを追いかけなさい」というのは、最悪なアドバイス。「ダイエットの成功法は極めてシンプル。ただ痩せれば良い」といっているのと同じ。
 - Elizabeth Gilbert, 作家

ちょうど、20代の頃、当時勤めていた銀行を辞めるとき、「君はその歳(当時26歳)にもなって、まだ自分のやりたいことがわからないのか」と当時の上司に言われたことがいまでも鮮明に覚えています。最近色々と就職や転職の相談を受けていて、自分のキャリアゴールが見えず、そういう自分を責め、苦しんでいる人が多いように感じます。当時私も同じように自分を責め、情けない思いをしました。

冒頭の引用。数あるTED Talksのプレゼンターの中でも、何十回もみてしまい(最後に埋め込みます)、大きくinspireされた作家、Elizabeth Gilbertさんが最近書いた本、“Big Magic: Creative Living Beyond Fear” からの抜粋。改めて大きくinspireされました。

私はもう43歳になりますが、いまだに「大人になったら何になりたいか」考えています(本当です!)。何か一つの分野に大きなパッションがあるかと言われれば特にない。ただ、global communication, global collaboration, creativity。この3つ分野について興味があり、色々と行っている実験についてこのブログに書いていますが、

「大塚さんは一体どこを目指しているですか?」
「どこにパッションを感じるのか?」

と聞かれても良く分からない。 Gilbert氏によると(大塚の感覚的翻訳になりますのでご容赦を!・笑)

大きな使命、パッションを持って生きている人も少なくありませんが、「何かにパッションを持って生きていないと人生失格」みたいな風潮が世の中にあり、その影響からか、大抵の人は何かしらのパッションを持っていないとといけないと思い込み、見つけられない自分を責めてしまう。

パッションよりも好奇心を追った方が良い。好奇心の方がパッションより遥かに軽いし、分かりやすい。方法は簡単。単純に次の質問を自分にすれば良い:

『いま、目の前にあるオプションの中で、何に興味のあるのか?』

どんなに小さいものでも構わない。深く考えずにいま自分の好奇心をそそるものをやってみなさい。それをやることで何か次の好奇心の引き金を起こすかもしれない。そうしたらそれを追求しなさい。小さな宝探し(scavenger hunt)にいくような感覚。

こうした冒険はあなたを全く想像しなかった場所に連れて行くかもしれない。運良ければこれがパッションに繋がるかもしれない。いや、全く繋がらず、結局はどこにも辿り着かないかもしれない。 大きな成果をみることなく、好奇心を追求することだけ人生で終えてしまうかもしれない。

それでも良いのではないか。良いどころか「私は人生を知的好奇心を探求するために捧げた」といえれば、究極的に楽しい、幸せな人生だったと言っているのと同じことではないか。

何だか励まされます。翻訳されることを祈ります。大抵こういう本質的なところに触れる本(かなり主観が入りますが…)は翻訳されない。。。きっと売れないんでしょうね。

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Posted by Masafumi Otsuka

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comments

    Oct 31
    2015

    Kotaro S

    自然体で自分の言葉で、とてもパーソナルなストーリーですね (TED見ました)。
    お陰様で土曜日の朝がとても温かくて美味しい飲み物と始まったようです。

    Reply
      Nov 03
      2015

      Masafumi Otsuka

      きっとKotaroさんに響く本だと思っていました(笑)。ぜひ読んでくださいね。以前ご紹介した、The Creative Habitsと併せて読むと面白いと思います。FBに大好きな作家と書きましたが、読んだのはこの1冊だけ。大好きなプレゼンターの間違いでした… Good to know that I made your day!

      Reply
    Oct 31
    2015

    Kotaro S

    大塚さん、売れるかどうかはタイトルと帯次第です。
    いいタイトルを考えてみましょう、ある日、壁から助けが出てきたら。
    そしたら、著者にコンタクトしてみましょう。

    励みになる言葉を待っている、いつも背伸びしていきなきゃって思っている人、特に仕事をしている女性に多く、潜在的な読者は少なくないと思います。

    Reply
      Nov 03
      2015

      Masafumi Otsuka

      翻訳作業はあまりモチベーションがわきませんが、誰かやってくれるんだったら大歓迎です(笑)。タイトル、ここが問題なんですよー。過去、面白かった本は著者に連絡して(Made to Stick, Different, Idea Stormersなど)当時は翻訳するよーとオファーしたのですが、大体すでに決まっていて、全く魅力のないタイトルをつけら、後日出版されたので著者にタイトルの直訳を報告したところ、タイトルに口出しできない契約だったといっていました。出版社は「売るノウハウはこちらに任せろ」的なスタンスなんでしょうね。まあタイトルから売り込めば問題ないと思いますが。。。Let me know what you think once you read this.

      Reply

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