結論を事前に決めてミーティングに臨んではならない

結論を事前に決めてミーティングに臨んではならない


Dealing with uncertainty「まだざっくりとしたアジェンダしか決まってないからアメリカ出張を延期しようと思うが、アメリカ人の同僚は『そんなの来てから考えればいいじゃん』という。どうしたら良いか?」

ある日本の大企業に勤める方からこう相談を受けました。「出張目的、解決したい課題は明確になっていますか?」と聞いたらなっているという。ただ、細かいミーティング日程の設定、ミーティング毎に何を決めるか、落とし所(結論)のイメージがまだ見えていないという。

「解決したい課題が明確になっているんだったらいくべき」とアドバイスしました。

多くの日本企業、日本人は「解決したい問題」が決まると詳細なアジェンダを決め、台本までは行かないまでも、ミーティング中は回り道せず「結論」にたどり着かないと不安になる方が多い。細かいアジェンダを決めるのみならず着地点(結論)もすでに決めて臨む場合も多い。

「ちゃんとアジェンダを細かく決めていかないと、やつら(外国人社員)は何を言いだすか分からない。すると話がどんどん逸れていって、時間がもったいない。だからちゃんとこちらで全部考えてあげ、道筋を用意してあげないと、いつまで経っても物事が決まらない。」

ここまではっきりという人もいました。日本人同士の場合、【問題 → 結論】にストレートにいかないと、出席者に対して失礼だと感じるのか。発表者はものすごい時間をかけて準備をしていく。日本人同士の場合、これが一番効率的なやり方なのかもしれない。

しかし、これがグローバルとなるとまるで景色が変わってくる。ガチガチに準備された上に、結論まで決められてきたら、わざわざ集まる必要はない。メールでもらうか、ちょっと集まってもらい「これでいくからよろしく。以上!」と聞けば良い。

わざわざミーティングをするんだったら、結論はその場で決めると思っている。だからミーティング中、より良いDecision makingが行われるために、自分がどう貢献できるか、一生懸命考える。

でも既に落とし所を決めてしまっている日本人からすれば、「このリスクを考えたか?」や「何故そうなるのか?」等、質問されると、結論を覆されそうな感覚を覚えてしまい、鬱陶しい。そもそも結論を下した人間がその場にいないケースが多く、すると結論を変えられたら困る。同じミーティングでも:

外国人:「より良いDecision Makingを行う場」
日本人:「既に決まったことを理解してもらう場」

という認識のズレが生じている。そもそも外国人からすれば自国のマーケットでどう売っていくかの話。まさか現地の一時情報を持っている自分抜きに既に結論が出ているとは思わない。

ミーティング前に明確にしなければいけないのは「結論」ではなく「解決したい問題」です。これだけはめちゃくちゃクリア(英語で”Crystal Clear”といいます)にしていく。「結論」はその場で決める。もちろんどう解決したいか、ざっくりとしたプランは必要だと思いますが、それも含めて”Any suggestions in how we should solve this issue?”と現地社員を抱き込んで考える。

これ、相当Uncomfortableかもしれませんが、少なくてもグローバルの案件については現地社員を交え、オープンの場でDecision makingを行わないと、そもそも良いDecision makingが出来ない。また現地社員は自分の価値が出せないと感じ、辞めていってしまい、イエスマンしか残らなくなってしまいます。

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Posted by Masafumi Otsuka

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