テレカンはやめた方が良い #2

テレカンはやめた方が良い #2


teleconference以前、同じタイトルの記事で、ビデオ会議が出来る環境の中、何故多くの方々は英語に不安があるのにも関わらず、あえてテレカンを行なっているのか。相手が直接見える分、テレカンをビデオ会議に変えるだけで遥かにコミュニケーションが取りやすくなると、主に私の経験をベースに書きました。

ただ、「私の経験だけだと説得力が足りないな〜」と思い、もしかしたらちゃんと比較研究がされているのではないかと調べてみたところ、ドイツのFraunhofer Instituteという研究機関が行なった興味深い実験を発見。

2つのタスク(オフィスの引越計画と予算配分)を2つの拠点に分け、一つのグループはそのコミュニケーションツールとしてテレカン + e-mailのみを用いて行わせ、もう一方のグループにはビデオ会議のみで行わせる。そして、どちらの方が効果的だったかを調べたといいます。その結果が面白い。

電話とe-mailのみでやり取りをしたのに比べ、ビデオ会議で行なった方が

より生産性の高いミーティングが行われた

  • 70%の参加者がより参加・貢献しようという意識が働いた
  • 60%の参加者は、他の参加者を見ることが出来、資料もライブで共有することによって、よりオープンなDiscussionが行われていると感じた

チームワークが向上

  • 81%の参加者は電話とe-mailのみだと一体感よりも分業で行なっていると感じ、ビデオ会議だと純粋にコラボしている(みんなで決めている)ように感じた
  • 74%の参加者はビデオ会議の方がよりポジティブでリラックスした雰囲気を感じた
  • 91%の参加者は難しい仕事をチームで解決する際、ポジティブでリラックス出来る環境であることが非常に大事だと答えた

より明確な意思疎通

  • 79%の参会者はビデオ会議の方が相手が見える分、より集中して参加でき、効果的。

そして研究者は以下のように結論づけました。

テレカンとe-mailのみでのやり取りは分業感を高め、ヒエラルキーを助長。結果として、ディスカッションによって物事を決める余地が少なくなってしまうのに対し、ビデオ会議はよりオープンにみんなで決めていると感じること。
参加者の大部分はテレカンの方がよりstressfulでtune outしやすいと答えた。ビデオ会議の方がモチベーションをあげ、より貢献しいようという気持ちが働き、さらに導かれた結論を受け入れようとするマインドも強く働くこと。

面白いことに同じタスクを行うのに、ビデオ会議の方が早く終わったわけではなく、実際にかかった時間はそれほど変わらなかったとのこと。

そもそもこの実験、グローバルというよりもドイツ国内(ネイティブスピーカー同士)で行われたと思われ、これにグローバル(拠点数の増加や文化の問題)、ノンネイティブスピーカー(言語の問題)という要素を入れると、「生産性」、「チームワーク」、「意思疎通」がさらに大きな影響を与えることは容易に想像できます。

テレカンは飛車角落ちで将棋を打つようなもの。引き続き「テレカンはやめてビデオ会議にしよう運動」を展開していきたいと思います。

参考記事
Study: Video-conferencing Ups Productivity of Virtual Teams
Virtual Teams: United On Video, Divided On Conference Call

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Posted by Masafumi Otsuka

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