アートとコミュニケーションの深い関係 Part 2
同じものを見ていてもアーティストは我々一般人とは違う独特な見方でそれを捉えている。その独特な見方さえ身につければ誰にでも絵を描くことが出来る
–Betty Edwards
中学の時、美術の成績で1をつけられて以来、絵を描くことにずっと抵抗を感じていました。自分はArtistには絶対になれない、と。でもこの考えを180度覆す、まさに「目から鱗が落ちた瞬間」をつい先日体験。これ、かなりヤバイです。。。
まずは右の芸術作品を見ていただきたい。そう。私が書いた自分の右手です。「おいおい。ゾンビか!?」っていう声が聞こえてきそうですが、これを見ると☆木先生が1をつけたのも頷けます(笑)。しかし!次の日に奇跡が起きるのです。
その前に冒頭の引用。今読んでいる”Drawing
from the right side of the brain (邦題:「脳の右側で描け」 Betty
Edwards著)”からの引用。
次の日に書いた同じ右手。同じ人間が書いたものとはとても思えません。私も出来上がった絵をみて、「何だこれは?」とショックに陥りました。
著者のEdwards氏が大学で絵を教え始めた頃、生徒が繰り返し描く下手な絵を見て、「どうして**を**の前に描くの?明らかに位置関係は逆でしょ!」とイライラしていたといいます。そして「一層のこと逆さまにして描いてみたら」と言い生徒にピカソの絵を逆さまにして描かせたら、本物のピカソが誕生した(笑)。
「何故正しい向きだと描けなくて逆さだと描けたのか」と生徒に尋ねたところ「逆さにしたら何を描いているのか最後まで分からなかった」と答える。これが彼女のEpiphany(突然のひらめきの瞬間)だったといいます。もしかして自分達(Artist)は無意識のうちに、一般人と全く違うようにものを見ているのではないかと。
Artistは例えば手を描く時、それを手として認識せず、単純にそれを輪郭と空間で出来た物体として見ているといいます。そしてそれをそのまま忠実に描く。でもNon-artistはそれを手と決めつけて「手とはこうあるべきだ」という思い込みをもとに描き混乱していく。これはノーベル賞級の発見だと思います。
実際に私がペンを持った自分の手を描いた時、手としては一切認識せず、親指の角一点をずっと見つめ、まず指を見ているという感覚を完全に消し去ることからはじめ、見えている輪郭と空間を忠実に描くという作業を行いました。
「マインドセットを変えていこう!」とこのブログで良く書いてきましたが、これを実体験としてこれほど分かりやすく感じたことはありません。わずか一日。というか冒頭のゾンビの手(!?)を含め3回目の挑戦でArtistの感覚に入っていく。「今まで見ていたのは何だったのか」と怒りすら覚えるような、全く違う世界観がみえてくる。
実は英語を使ったCommunicationも全く同じで、「英語をツールとして使いこなしている人の『コミュニケーションの取り方』さえ分かれば、誰しも上手にCommunicationが取れるようになる」。これはマインドの問題で私の絵同様、時間(何年英語を勉強してきたか)や努力(どれだけ単語・表現を覚えたか)などが解決する問題ではありません。
最近宇都宮大学や企業・団体向けにDiscussionの取り方を学ぶセミナーを行っていますが、1~2回でその特別な見方、コミュニケーションの取り方が分かってしまい、一気に突き抜けていく人たちを何人も目撃してきました。
When you communicate in a special way in which good communicators do, then you start to communicate.
–Masafumi Otsuka
完全パクリです(笑)。従来才能だと思われてきた芸術もコミュニケーションも、見方をちょっと変えるだけで誰でもある程度まで一気にレベルアップできる。身をもって体験した瞬間でした。
関連記事
アートとコミュニケーションの深い関係
Google+
11
11
comments