ネイティブ同士が話し出し、スピードが急に上がった時にやるべきこと

ネイティブ同士が話し出し、スピードが急に上がった時にやるべきこと


speed1「ネイティブが一人しか出席していないミーティングではゆっくりと話してくれるのですが、複数ネイティブがいて、ネイティブ同士が直接話し始めた瞬間、一気にスピードが上がって置いていかれる。」

以前「最も大切な英語フレーズ」というブログ記事で、グローバル・コミュニケーションの一丁目一番地は

「ネイティブの話すスピードに自分が合わせるのではなく、自分にとってcomfortableなスピードにネイティブをslow downさせること」

だと書きました。 もちろん今でも”Can you speak more slowly?”が最も大切な英語フレーズだと思っていますが、

「複数ネイティブが出席するミーティングで、ネイティブ同士が話し始めるとスピードが一気に上がる。”Can you speak more slowly?”とお願いしても、あまり効果がない。他にできることがないか?」

と何人か相談を受けましたので今回はこの対策について書きたいと思います。

ちょうどゴールデンウィーク明けから、ある企業で約2ヶ月Global Discussion研修を行う予定があったので、良い機会だと思い、色々と実験してみました。

この研修は日本人だけではなく、同じ会社に勤めるExpats (転勤で日本に来ているネイティブ)にも参加してもらって(日本人8名 + Expatsで実施)、日本人がネイティブ並みに英語力を上げるのではなく、日本人とネイティブが一緒になって、いかに歩み寄り、よりスムーズなコミュニケーションを図る為にはどんなことができるか。一緒になって考えてもらうことが目的の研修です。

過去Expatsを一人か二人に参加してもらっていましたが、ネイティブ同士のやりとりが頻繁に発生するシーンがもっと出てくるよう、今回はexpatsを4名に増やしてもらいました(日本人8名 + Expats 4名の計12人で実施)。

効果テキメン!Expats同士やり取りする場面が激増。その瞬間、凄まじくスピードが上がる。

イメージでいうと時速30キロのスピードで議論していたのが一気に時速120キロ以上に上がっていく感じでしょうか。当然日本人は即、置いていかれてしまう。

そこで、ネイティブ同士のやりあいが始まりスピードが一気に上がった直後に、”Hayai (早い)!”と日本語で叫びながら議論を止め(笑)、参加者の中でも高い英語力を持つ日本人を「今話されたことを要約してください」と当てる。当然要約できない。

これを何度も繰り返すことでネイティブに、

「どんなに英語力が高くてもあなた方が直接やりとりした瞬間に日本人を置き去りにしている」

という現状をこれでもかという位、認識してもらいました。

その後、どうしたら継続的にゆっくりしたスピードで話し続けられるか、全員でdiscussionをし、アイディアが出ればネイティブに試してもらうことを繰り返し行いました。

色々とtrial & errorを繰り返しましたが、一番効果があったのが、日本人よりもネイティブの意識改革で

「可能な限り少ないword数を使って話すこと。そして絶えずもっとシンプルなwordを使えないか、自問自答しながら話すこと。」

でした。 流れるようスラスラと話されると間や抑揚が出ない。いかに流れないように話させるか。

可能な限り少ないword数で話す意識を持つ。すると少ない単語で伝えられないかと考えながら話し出すので、間や抑揚が生まれる。少しブロークン気味に話すようになります。

さらにもっとシンプルな単語で伝えられないかを絶えず自問自答してもらうことによって、”oh wait. I mean **”と単語の言い換えが頻繁に発生。

少ないword数で話すこと。シンプルなwordを使えないかを自問自答すること。この二つを同時に意識すると、シナジーが働き、さらにスピードがゆっくりとなる。

嬉しい副作用として、ネイティブにこうしてコミュニケーションの取り方を変えてもらうことにより、はじめはネイティブ同士で話し出し、盛り上がると、日本人が絡んでいけなかったが、よりslow downできるので、日本人も絡んでいけるシーンが作れるようになりました。

結果、全員参加による生産性の高いミーティングができるようになり、結果として良いdecision makingにつながる。

今回参加したExpatsも日本人とより円滑なコミュニケーションを取るにはどうしたら良いか、大きなヒントを得たようで、とても喜んでいました。

このブログ記事。日本人よりもネイティブ向けに書くべき内容なので後日英語ブログにも書きますが、日本人が今できることとして、少し人間関係が築けているネイティブに対し、

“When participating to a global meeting can you try using fewer words and constantly try asking yourself: ‘Is there a simpler word that I can use?’ when you speak? Especially when you guys talk to each other, the conversation speed gets so fast that you almost leave all Japanese behind.”

とお願いしてみるのはいかがでしょうか。その効果を実感できると、ネイティブの意識も変わっていくと思います。是非試してみてください。

あっ、帰国子女の方でspeed controlができない方は特に意識してくださいね。これ以外に良い方法がありましたら是非教えてくださいね!

参考記事
グローバルコミュニケーション力を上げる為に今すぐできること
ネイティブ社員にこそ英語教育を!
日本人のグローバル化を阻む3大マインドセット


Posted by Masafumi Otsuka

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