アイディアを出すのではなく、引き出すスキル

アイディアを出すのではなく、引き出すスキル


questioning「何か問題が提示された時、すぐに解決案を探しに行ってしまう。人からアイディアを引き出す質問をどのように出したら良いか分からない」

弊社で現在企業向けに行っている8週間のGlobal Discussion Course。その場で物事が決まっていくグローバル・ミーティングでいかに発言・貢献していくかを学ぶコース。大体4-5週目から、議題に置いて行かれないようになり、意見も出せるようになってくる。ただ、ここで問題に突き当たる。

私がDiscussionをFacilitateしている内は面白いアイディアが出ててくるのですが、課題を与えてグループに分けて、Discussionをさせるとあまり面白いアイディアが出てこない。

このコース、以前グループ分けする際、シンプルな課題を与えていたので、解決案はある程度想定できるものであまり気にしていなかったのですが、最近はよりCreativeな発想が求められる、今まさに起きている複雑な問題を与えるようにしていますので、出て来る解決案の良し悪しがよく分かる。

何故面白いアイディアが出てこないのか。後でビデオを見てみると、誰も質問していない。みんなアイディアを出す側に回っている。「私はこう思う」とアイディアは出せても、出たアイディアに乗っかってその発想を広げようとしたり、「業界は違うが**という会社の成功例を応用できないか?」みたいな発想を広げる質問が出てこない。そこで、

常に面白いアイディアを出し続けるのは難しいが、人から何かアイディアを引き出す質問はいつでも出来る。そこを挑戦してほしい

といって、授業中に何度も見本を見せるも、

何か問題が提示された時、ダイレクトに解決案を探しに行ってしまう。大塚さんが聞いているような人からアイディアを引き出す質問、聞くと「なるほど」と思うも、自らどう出していったら良いかわからない

という。深い。。。

考えてみるといま行っているソクラテス方式の授業というのは、私が準備した「質問」に対し、受講生が「回答」する形でDiscussionが行われる。特にCreativeな解決案が求められるDiscussionでは、私がものすごく準備をしていく。どのフレームワーク(問題解決ツール)を使うかを事前に決め、ライブで物事を決めていくので、どう議論が流れるのか、何度も何度もシミュレーションをしてから臨む。

もちろんこうした授業自体、受講生にとって、アイディアの出し方や説明の仕方を学んだり、新しい視点や考え方を刺激するトレーニングになるので、悪くないと思いますが、こと「答えの全く思いつかない問題に対し、人からアイディアを引き出したり、議論を前進させるための質問」のスキルは、Discussionがうまくいかなかった場合、「自分の仕切りのどこが悪かったのか」と後で反省できる私の方が余程磨ける。

この絵、何かがおかしい。

ということで、「人からアイディアを引き出す質問の出すスキルを磨くトレーニング方法がないか?」

ここ1ヶ月、「質問力をトレーニングする方法」に関する論文の中で面白そうな研究を片っぱしから読んでみました。一つ面白そうな手法を探し、早速先日試してみましたので、次回の記事で報告したいと思います。

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Posted by Masafumi Otsuka

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