Home思考法
欧米人が何故ブレストが好きなのか理解出来ない。全く役に立たないアイディアをひたすら出し続ける。時間の無駄以外の何物でもない。
日本人はブレストが嫌いな人が多い。ブレストは日本人のビジネス文化に合っていない。だからといって日本人は新しいアイディアを出し、それを具体化する行為をやっていないというわけではない。欧米人と全く違うやり方でやっています。
友人でコンテンツマーケッティングの第一人者の宗像 淳さん(イノーバ社長)と週一回、「日本を世界に!」というテーマでお互い協力して出来ることはないかとブレストをしています。宗像さん曰く
世界に通用する商品を作ったりサービスを提供している日本企業は沢山あるのに、きちんと英語で情報発信をしていないためにその大部分が売れてないこれが本当に悔しい。ずっと「良いものを一生懸命作っていれば、時間はかかるかもしれないがいつか売れるはず」というマインドでビジネスをして行っていたために、言葉にして説明する能力開発を怠ってきた。
と。これ、人材面でも全く同じようなことが言えているという話で盛り上がりました。
「良いリーダーは部下の性格や個性など、より深く、個人レベルで知ろうとする。偉大なリーダーはもう一歩踏み込み、部下一人一人の価値観を学ぼうとする。そして自分の価値観と部下の価値観を共に話し合い、チームの価値観を作り上げていく。」
- The Leadership Challenge (James Kouzes, Barry Posner著)
優れた企業文化はどのように作っていけば良いのか。
「どんなに立派な経営理念や企業の価値観を掲げても、個々の従業員が自分の価値観を理解できていないと、あまり効果がない。」という話を前々回のブログで書きました。
企業理念や価値観は明確に理解しているが、自分の価値観が分からない社員と企業理念や価値観は知らないが、自分の価値観を深く理解できている社員とではどちらの方が仕事に対するモチベーションや生産性が高く、離職率が低いか。
前回のブログ記事で、後者の社員の方がperformance levelが圧倒的に高いという話を紹介しました。
しかし、DISKやMBTIなど社員の性格判断や特徴を捉えるテストはあるものの、個々の価値観まで踏み込んだテストはなかなか見つからない。
「誠実であり続ける」「変革への情熱を抱く」、「未来を描く」、「ともに生み出す」。
上記4つを企業の価値観に掲げているのはどちらの会社だと思いますか?
2015年の不正会計事件で上場廃止直前まで追い込まれた東芝です。
経営理念(ミッション)、ビジョン、価値観(バリュー)。掲げるのは簡単ですが、浸透させるのは本当に難しい。浸透させるには何が必要か?
2003年のイラク戦争。当時米統合特殊作戦コマンド司令官として着任したマククリスタル中将は当初、敵のテロ組織、アルカイダの動きを全く把握できなかったらしい。
PDCAのサイクル(現場や情報機関から情報を吸い上げる → 情報を分析、ターゲットを選定 → 計画を策定 → 計画の実行 → 実行後のレビュー)をどんなに早く回しても、敵の動きは常に一歩先をいっており、突入しても敵は既にいない。逆に奇襲攻撃をかけられたりする。
20代だった頃は、講演や会議に出ても、質問することはまずなかった。そもそも何を聞いたら良いか分からない。大勢の前で何かを聞くのは恥ずかしいし、バカな質問をして後で笑われたくない。
それが30代半ばにある本を読んでから、マインドがガラリと変わり、今では会議や講演を聞きにいった時は、必ず質問するようにしています。
本は「ご冗談でしょう、ファインマンさん」という自伝。著者のリチャード・ファインマンはアメリカの理科系大学の最高峰といわれるカルフォルニア工科大学(Caltech)の教授で、ノーベル物理学賞を受賞者。
あるラーメン屋でご飯を食べていた時の話。カウンターの向こう側に入ったばかりだとすぐ分かる、人の良さそうな50歳前後の新人店員がいる。その他ベテラン店員が2名。
夜のピーク時だったので、忙しく動き回る2人のベテラン店員に対し、年齢が一回りも上と思われる新人は申し訳なさそうに、何も出来ずに突っ立っている。スープ係なのか、ご飯モノや定食を出した直後にスープだけを出している。
都内の有名私立中学校に通う子供を持つ友人から昨年聞いた話。
夏休みの自由研究。海に捨てられるプラスティックゴミを誤って食べ、死んでしまう海中生物の問題に興味を持ち、これをどう解決していけば良いか、2名のクラスメートと組み、共同研究することになった。
事件はその中間報告で起きる。発表を聞いた先生が、
「ミーティング中、意見やideaを出すとその後に変な間(沈黙)が出来てしまい、『理解されなかったのではないか』とか『何か場違いなことを言ってしまったのではないか』と不安になる。」
という悩みを聞きます。そこでその人がどんな風にグローバル会議で意見やideaを入れているのかをチェックしてみると、一点気づくことがあります。
何かideaや意見を入れる時、“I think…”から発言を始めている。