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Communicationの取り方

欧米人が何故ブレストが好きなのか理解出来ない。全く役に立たないアイディアをひたすら出し続ける。時間の無駄以外の何物でもない。
日本人はブレストが嫌いな人が多い。ブレストは日本人のビジネス文化に合っていない。だからといって日本人は新しいアイディアを出し、それを具体化する行為をやっていないというわけではない。欧米人と全く違うやり方でやっています。
20代だった頃は、講演や会議に出ても、質問することはまずなかった。そもそも何を聞いたら良いか分からない。大勢の前で何かを聞くのは恥ずかしいし、バカな質問をして後で笑われたくない。
それが30代半ばにある本を読んでから、マインドがガラリと変わり、今では会議や講演を聞きにいった時は、必ず質問するようにしています。
本は「ご冗談でしょう、ファインマンさん」という自伝。著者のリチャード・ファインマンはアメリカの理科系大学の最高峰といわれるカルフォルニア工科大学(Caltech)の教授で、ノーベル物理学賞を受賞者。
都内の有名私立中学校に通う子供を持つ友人から昨年聞いた話。
夏休みの自由研究。海に捨てられるプラスティックゴミを誤って食べ、死んでしまう海中生物の問題に興味を持ち、これをどう解決していけば良いか、2名のクラスメートと組み、共同研究することになった。
事件はその中間報告で起きる。発表を聞いた先生が、
「ミーティング中、意見やideaを出すとその後に変な間(沈黙)が出来てしまい、『理解されなかったのではないか』とか『何か場違いなことを言ってしまったのではないか』と不安になる。」
という悩みを聞きます。そこでその人がどんな風にグローバル会議で意見やideaを入れているのかをチェックしてみると、一点気づくことがあります。
何かideaや意見を入れる時、“I think…”から発言を始めている。
20年弱前、アメリカにMBA(経営学修士)留学した時に、「教え方の神」と呼ばれるファイナンスの教授がいた。
授業時間は90分。クラスが始まる数分前に、コーヒーを持ちながらフラフラと入ってきて、雑談しているうちに、催眠術にでもかけられたかのように、どんどん深い集中状態に入っていく。そしてその集中力は一瞬たりとも切れない。
「はい。今回のdiscussionは終わり。」と言われて、一気に現実に引き戻され、「もう90分経ったのか?」と驚く。あまりにも過集中の状態が続いていたので、終わった後、ドーっと脳が疲れる。
外国人:"What do you think?"
日本人:"I think ***.”
(沈黙...)
外国人:”What do you think?”
日本人:”I think ***."
(沈黙...)
「普通に英語で意見を言ったりコミュニケーションを図ることは出来るが、会話がなかなか発展していかない(続かない)。」という相談をよく受けます。
「会議で相手の言ったことに賛成できなくなった瞬間に集中力が切れてしまい、参加しようとする気持ちが萎えてしまう」
という相談をよく受けますが、私は
賛成出来ない時こそ会議に貢献するチャンス。発言しないとダメ。
と伝えます。すると
「英語の会議に参加する為に、どのように英語力を上げていけば良いのか?」とよく聞かれます。私は英語力よりも
話の内容が分からなくなった瞬間に話し手を遮り、どこが理解できないのかを具体的に伝え、理解できるまで何度でも確認するスキル
を身につける方が大切だと答えています。すると
「英語力よりもそんな当たり前のことが何故大切なんですか?」
帰国子女はグローバルミーティングなどで、日本人とネイティブとの間に入り、双方のbridge的な役割を期待されますが、それが機能しているケースが少ないように感じます。
Bridgeになるどころか逆にネイティブのように振る舞ってしまい、周りの日本人を置いていってしまっているケースの方が多い。以前あるグローバル企業に勤める日本人が
「せっかく英語によるミーティングが良いスピードで進んでいて、しっかりと参加できていたのに、帰国子女の人が入った瞬間、話すスピードが一気に上がり置いていかれてしまう。」
「良い出し(positive reinforcement)」という言葉はご存知でしょうか。「ダメ出し(negative reinforcement)」は部下や生徒などが望ましくない行動を取った瞬間にそれを指摘し、改めさせるために行うものに対して、「良い出し」は望ましい行動を取った瞬間にそれを指摘し、継続的にその望ましい行動を促すために行うもの。
ちょっとイメージしづらいと思うので具体的に書くと、「ダメ出し」は「ほら、そうやったらダメでしょう。こうしなさい!」と注意をするのに対し、「良い出し」は「今の**(具体的な行動)、とてもいいね!その調子で続けてね。」という伝える行為。