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アクティブリスニング(active listening)という言葉をご存知でしょうか。直訳すると傾聴力でしょうか。相手の話を聞くとき、内容を誤解なくきちんと理解できるように、絶えず相手にその内容を確認しながら聞く姿勢で、テニスのラリーのように"What do you mean by...?","Can you give me an example?", "This is what I hear you saying..."などやり取りを行いながら理解を深めていくやり方で、英語によるコミュニケーション方法の基本となります。
対して、Passive Listeningは相手の話に頷き、時には「そうですね」等の相槌を打ちながら黙って聞く手法で、内容の是非の判断や批評する姿勢で聞きません。相手に好きなように気持ちよく話させる方法で、普段我々が使用しているコミュニケーション方法となります。このアクティブリスニング力を身につけず、単語・表現力・リスニング力などの英語力ばかりを強化し、身につけた英語力をPassive Listeningの手法で使用している多くの日本人ビジネスパーソンの現状については何度かこのコラムで書いてきました。
「大塚さん、私(弊社の社員)は何を目標に英語を頑張れば良いのでしょうか?」と良く聞かれるのですが、この質問にはいつも困ってしまいます。我々英語教育関係者がきちんとした目標を示すことができないから多くの方々(企業)がTOEICの点数に頼ってしまう。このもどかしさは常に感じています。
私は社会人1年目にTOEICを受け、MBA受験時にTOEFL(PBT)・GMAT、MBA卒業後にCASEC、英検1級、TOEFL(iBT)、Phone Pass、TSST(アルク)と一通りメジャーと呼ばれるテストは受けてきました(各受験記はこちら)。そこで感じたことは、テストでコミュニケーション力を測る場合、対面のインタビュー形式でなければダメだということです。
"Are you creative?"と聞かれたとき、あなたはどう答えますか。恐らく9割以上の人は"No"と答えるでしょう。今回は私が最近、非常に興味を持っている分野であるCreativityについて書きたいと思います。
きっかけは昨年、ある会社の社内研修で新規事業のアイディアを社員から引き出すセッションを行って欲しいといわれ、引き受けたことでした。「お前はそんなことまでやっているのか。専門は一体何なんだ。」と笑われてしまいそうですが、広い意味での「グローバル人材教育」と答えています(笑)。その新規の事業アイディアを引き出す研修は今流行のマインドマップを使って行い、突拍子もないような面白いアイディアがいくつも出てきて私にとっても非常に楽しいセッションではありましたが、この体験を通して、今後の成長戦略に困っている企業の実態を肌で感じました。同時に個人として「もっともっとアイディアがいっぱい出てくるように仕切れたのではないか」「日本人独自のCreativityを最大限に引き出す方法はないか」について深く考えるようになりました。
一昨年「フラット化する世界(トーマス・フリードマン著)」を読み(というかAudio Bookで聞き)、激動のグローバル化した時代に備えたマインドを持っていないと恐ろしいことになるのではないかと自分の中で大きな危機感を持ちました。この本はアメリカが2000年以降、急速なIT技術の発達により多くのサービス業務がインドを中心とした国々にアウトソーシングされていく過程を描いたもので、ゾッとするような話が散りばめられています。
例えば個人の確定申告。国外にアウトソーシングされた件数は2003年に25,000件しかなかったが2005年には400,000件へと急上昇。インドでは毎年会計学を専攻した学生を70,000以上輩出。平均給与は月100ドルだといいます。しかもモチベーションレベルが米国で同じ業務を行うものと比べ遥かに高いといいます。次は放射線科医。米国の中小病院は平均年収が30万ドルを超える放射線科医を雇うお金がない。しかも絶対数は不足している。そこで中小の病院は(恐らく米国で資格を取った)インドやオーストラリア在住の放射線科医にX線分析を発注するという活路を見出す。価格は圧倒的に安く、時差を利用できるので効率的(夜発注を出すと朝には結果が届く)といいます。
最近人の講演を聞きに行く機会が多く、つい先日もある外資系企業日本支社の元社長のプレゼンを聞きに行きました。今回はプレゼンについて、とりわけパワーポイントの使い方について書きたいと思います。
実は昨年からプレゼンテーション研修(日本語によるプレゼン)の講師をある研修会社から依頼をされ、時々行っています。恥ずかしい話、私は昨年までプレゼン・スピーチが大嫌いで可能な限り、避けて通ってきました。ビジネススクール時代でさえ出来る限り逃げていたという情けないものでした(そう簡単に逃げられませんでしたが。。。)。とにかく緊張する。準備の仕方が分からない。一度紙に書き出して満足してしまい、あとはほとんどがぶつけ本番で行う為、三振か二塁打(ホームランとは書けなません・笑)と出たところ勝負でした。
5年位前からの友人でベストセラー「NHKの英語講座をフル活用した簡単上達法」の著者、そしてカリスマ英会話講師でもある川本佐奈恵さん(本人のブログはこちら)に依頼され、今朝は朝早くから彼女が経営する英会話学校のEnglish Timeで臨時講師をしてきました。常々ビジネスパーソンばかりを相手に「英会話はもう卒業しよう」「英語力≠コミュニケーション力」を唱えてきましたが、英語のレベルがバラバラの主婦層にも伝えたい、伝わるかどうか試してみたいと思い、挑戦した次第です。
いつものようにDiscussionをやるわけですが(今回使用した教材はこちらをご覧ください)、今回はワイドショーに出てきそうな殺人ネタを使いました。1964年にニューヨークで起きた殺人事件で殺された若い女性はアパートが立ち並ぶ空き地で38人の目撃者に見守られながら殺されたという事件です。38人は女性が35分にわたって3回もナイフで刺されたのを見ていたにも係わらず、誰も警察に連絡しなかった。この事実を知った記者は「なんて社会は冷たくなったのだ」と嘆いたという話で、Discussionは
昨年初めてiPODを買い、自分の中で大きな発見がありました。それは学習スタイルとして視覚(見る)よりも聴覚(聞く)に頼ったほうが集中できるということです。
本を読むのは昔から好きで今でもジャンルを問わず週に1-2冊読みますが、つまらない話が続いてしまうとたとえその先が面白いと言われても途中で挫折してしまいます。挫折率は3割程度。あまり根気がありません(笑)。買った本の3割も読み終わらないのはお金がもったいない。何とかならないかと常々思っていた中、ちょうど一年前同業のアメリカ人が本を読む代わりにAudio Bookで聞いているという話を聞き、これだったらどんな本でも一応読み終えることができるかもと思い、それだけの為にiPODを購入しました。
今日は「欧米流ミーティング・Discussionでの貢献法」というセミナーを行いました。出席者7名で誰でも感情移入できる問題を提起し(今回は米国、車のディーラーがよく使うだましのテクニック→事前課題はこちらをご覧ください)、それを英語で議論を通じて解決するというセッションを行ったのですが、毎回Discussionを仕切る難しさを感じます。特に出席者が全員初対面で、Discussionを行うのは初めての場合はさらにハードルが上がります。本格的なDiscussionが初体験という状況の中、どのように緊張を解き、発言しやすい雰囲気を作っていくか。議論をコントロール、誘導してしまうとDiscussionのダイナミズムが一気に失われてしまう為、ある程度は自由に議論を泳がし、その過程で解決に導いていく。その中で「英語力 ≠ コミュニケーション力」、「Discussionのスピード感」「フレームワークの使い方」など今までこのブログで伝えてきたことを伝えていこう(気づきを与えよう)としています。
恥をさらすようですが、先日入院している知り合いのお見舞いに行った時の話。
知り合い:「ここはマンショウ(満床)らしいよ。」
私: 「マンショウって何?」
知り合い:「え~、そんなことも知らないの(笑)?これだから外国人は困るね。」
こうしたことは、私にはよく起きます。言われ易いキャラクターということはもちろんありますが、昔からとにかく分からないことはあまり深く考えず聞いてしまう。もちろん私だって恥ずかしい思いは出来ればしたくありません。しかし帰国子女の私には一般的な日本人として「何を知っていなければならず、何は知らなくても良いか」、つまり常識と非常識の線引きが分からないのです。今ではこのように言われても気にならないようになりましたが、MBA留学するまでは外国人呼ばわりされるのが嫌で嫌でたまりませんでした。聞くのを控えていた時期もありました。
【英会話】→【ビジネス英語】→【ミーティング・ネゴシエーション・プレゼンテーション】→【実践で使えるようになる】
これが仕事の現場で使える英語力を身につけるための勝利の方程式と言われており、どこの英会話学校も英語教育関係者もこれを謳っておりますが、私にはこの方程式に大きな疑問を感じています。私にはどうしても【英会話・ビジネス英語】から【ミーティング・ネゴシエーション】へのステップがウソに見えてなりません。それも【英会話・ビジネス英語】のステップで時間をかければかけるほど、その次の【ミーティング・ネゴシエーション・プレゼンテーション】への道がますます遠のいていくように感じます。