自分を差別化する方法

different_3.jpgThis (book) is not a how-to. The reason I find how-tos discomfiting is that there is always the slim chance that people may actually take them on faith. What business-people need today is a fresh set of insights, not a fresh set of instructions.
--Youngme Moon

昨年も沢山ジャンルを問わず洋書を読みましたが、"Different (Youngme Moon著、邦題:「ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業」)"が一番面白かった。

私は洋書は本で読むよりもオーディオブックで聞く方を好みますが、この本、聞いていてどんどん新しいアイディアが出て来て、それを忘れないようにメモるのが大変でした。聞き終わった後、再度聞いてしまい、さらに本まで買ってしまった位、脳がフル回転状態でした。

パッションと好奇心が切り開く世界

curiosity_passion3.jpgIn today's world, it is more important to be passionate and curious than to be merely smart.
--Thomas Friedman

パッションと好奇心。現代では頭の良さ(IQなどで測定できるもの)以上にこの2つのスキルが重要になると「フラット化する世界」著者のフリードマン氏はいいます。「フラット化する世界」では自分のパッションを追及するツールがほとんどタダで手に入る。好奇心をより深いレベルで探求できる。そしてフリードマン氏はこう続けます。

「学ぶ意欲を持ち、常に何か新しいことを発見しようと好奇心旺盛の子供を私に預ければ、IQの高い学習意欲の低い子供を何度でも打ち負かすことが出来る」と。

どん底の先にあるもの

fringe_benefits.jpgIt is impossible to live without failing at something, unless you live so cautiously that you might as well not have lived at all--in which case, you fail by default.
--J.K. Rowling
2005年Steve Jobs氏がスタンフォード大学の卒業式で行った"Stay hungry, stay foolish"で締めくくられた伝説のスピーチは日本でも有名ですが、ハリー・ポッターの作者、J.K. Rowling氏が2008年にハーバード大学の卒業式で行ったスピーチはあまり知られていません。
Rowling氏は今では知らない人はいない大作家ですが、そのスピーチの中で、若い頃、「小説家になりたい」と思う自分と「そんなの夢物語を語ってないで現実を見なさい」という両親の希望の間でひどく悩んだといいます。共に大学を出てなく、裕福ではなかった両親は大学で英文学を専攻することを許さなかったといいます。そしてドイツ語を専攻するということで妥協する。しかし授業に出ても面白くない。そこで両親に内緒で学部を英文学に勝手に変えてしまう。

アクティブリスニングを短時間で身につける方法

wait.jpgどうしたらアクティブリスニングスキル(傾聴力)を短時間で身につけることが出来るか。
最近、アクティブリスニングスキル一本に絞って、徹底的な反復練習を行うコースを作り、そのレッスンを先生側で録音、後日私が聞き、直接コーチングする。
また同じレッスンを私と先生で行ったバージョンを終了後に見本として聞いてもらう。そういった試みを行っています。そこで改めてアクティブリスニングの難しさを痛感するとともに、大部分の方々が共通して躓くところが何となく見えてきました。
アクティブリスニングはこのブログでも何度も取り上げましたが、グローバルコミュニケーションを行う際のMUST HAVEなスキルで、その基本は「どんなことをしてでも相手の話している内容について理解する」コミュニケーションの取り方を指します。どんなタイミングでも、何度でも相手の話を遮り、絶えず確認作業を取っていく。日本人同士のコミュニケーションとは全く違う、世界標準のコミュニケーションの取り方です。例えば:

2重人格を演じる

dual_personality.jpg"...a language is not just a body of vocabulary or a set of grammatical rules. A language is a flash of the human spirit. It's a vehicle through which the soul of each particular culture comes into the material world."
--Wade Davis (人類学者)

どうも私の周りに竹中平蔵さんが嫌いな人が多い。しかし周りの外国人に聞いてみると、彼を悪くいう人は少ない。日本について書かれた海外の新聞や雑誌の記事には彼のコメントがよく引用されています。

「あいつ、何なんだ。欧米人かぶれしやがって。」こう言われる人を良く見かけます。私も一部の人にきっと言われているに違いません。特に帰国子女や国外でMBAなど留学された方や、外資系企業に勤め始めた方がこうして言われるケースが多いように感じます。12歳で帰国し、「彼は外人だから」といわれるのが嫌で嫌でたまらず、一生懸命日本社会に溶け込もうと努力してきた私としてはこれを聞く度に心が痛みます。

不確実な時代に安定を求める

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Uncertainty is the essence of life, and it fuels opportunity.
--Tina Seelig

「不確実な時代に安定を求める。これっておかしい。」先日友人とランチ時に何気なくいったら、「大塚さん、それは違いますよ。不確実な時代だからこそ安定を求めるんですよ。」といわれ、ハッとしました。そして、年初の週間東洋経済で「公務員」が名だたる一流企業を抑え、人気企業ランキングトップに立ったという記事を思い出しました。

  • 不確実な時代 → 従来と同じことをやっていては食べていけない → 何か新しい、今までなかったことに挑戦してみよう
  • 不確実な時代 → 何をしたら良いのか分からない → 確実に、安定収入の入るところにいよう

この2つのマインドの違いは何か。「不確実な時代」に「確実なところ」。なんだか頭がこんがらがってしまいます。そんな場所は果たしてあるのか。

教育と雇用のミスマッチ

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「募集されている仕事が全然埋まらず、失業率が高く推移している。もしかしたら求められている人材が教育されていないのではないか。」

今週号の英エコノミスト誌に米国に関する面白い記事を発見。アル・ゴアをノーベル平和賞にまで導いた映画「不都合な真実」の製作スタッフが今度は上記質問に挑むドキュメンタリーを作ったとのこと。

このドキュメンタリーの中にワシントンDCの教育長Michelle Rhee氏が市長の全権委任の元、「優秀な先生は給料を倍増させる。その代わりtenure(終身地位の保証)制度を止め、先生には業績に応じた給与システムを受け入れてもらう」ことを全米先生組合に提案するシーンがあるといいます。

もちろん組合は大反対。つい最近行われた次期市長を決める民主党の予備選において同組合は対立候補に約1億円寄付し、現市長は負け、Rhee氏と共に政治の舞台を去るといいます。そして組合にとってより好意的な市長が誕生する。

Twitterの凄さを知る

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Twitter。その評価は私の周りでは賛否両論です。あからさまに拒否をする人、うまく使いこなせないでやめてしまう人、すっかりハマってしまう人といろいろいます。私はTwitter歴、1年。ブログの更新を告知したり、同じようなことを考えている仲間を探しに行き、その人のツイート(つぶやき)にコメントしたり、友人の近況を知ったりとした使い方をしていました。しかし、今回、想いを伝える手段としてのTwitterの威力を目の当たりにし、驚きとともに、すごいポテンシャルを持ったサービスだと気づかされました。

そう思ったきっかけは先週水曜日、朝の勉強会(正式名称:『朝カフェ次世代勉強会』)で「グローバル人材に求められるコミュニケーションスキル」というタイトルの講演する機会をいただいたことからでした。何と朝6時半開始の勉強会です。わざわざ朝早起きまでして、来ていただいて話を聞いていただく。だからこそ、話を通じてなんらかのInspirationを持ち帰ってもらいたい。

議論の出来ない識者

outraged.jpg日本人はコミュニケーションにおいてメッセージの真偽や当否よりも(中略)『何が正しいのか』という問いよりも、『正しいことを言いそうな人間は誰か』という問い方が優先する。そして、『正しいことを言いそうな人間』とそうでない人間の違いはどうやって見分けるかについて客観的基準がない。だから結局は「不自然なほどに態度の大きい人間」の言うことが傾聴される。
--日本辺境論(内田 樹著)

昨年秋、「もっと若者に政治に興味を持って欲しい」とある著名な方の呼びかけで数百人の若者(大学生が中心)を集め、政治家・学者・新聞記者の計7-8名と大学生から20代のビジネスパーソン4-5名の計10数人程度を壇上に上げ、「どうしたらもっと若者が政治に興味を持ってもらえるのか。何が問題になっているのか」をテーマとしたシンポジウムのお手伝いをました。

相手をengageしながら考える

scent_marketing.jpg途中までいってからいい淀んだり、一度言っておいてから、「何か違う」と撤回してみたり、同じことをちょっとづつ言葉を変えてぐるぐる回したり・・・そういう語り方は「本当の自分が思っていることを言おうとじたばたしている人の特徴です。すらすらと立て板に水を流すように語られる意見は、まず「他人の受け売り」と判じて過ちません。断定的であるということの困った点は、「おとしどころ」を探って対話することができないということです。主張するだけで妥協できないのは、それが自分の意見ではないからです。
--日本辺境論(内田 樹著)

「日本人には意見がない」という人が結構います。しかし私はそうは思わない。日本語という言語がそういうスタイルに適していないのではないか、そういったコミュニケーション方法を取らない、求められない言語なのではないかとずっと思い、このブログを通して問いかけてきました。