日本人が「恥」と考える行為が、グローバルでは「信用」につながる!?

seibu「なお(中略)サーベラス・グループによる西武鉄道の一部路線廃止や埼玉西部ライオンズの売却の可能性などが報じられており、皆さまには大変なご心配・ご迷惑をおかけしておりますが、当社といたしましては、そのような考えは一切ございません。」

「武士に二言なし」、「朝令暮改」に代表されるように日本では一度口に出した言葉は取り戻せない。そういう人は信用出来ないと考えられます。それだけ話す内容を注意深く考え、使う言葉を入念に選ばなければいけません。先日行われた西武HDの株主総会前のドタバタ騒動を見ていてこれが良く分かります。

デザイン・センスを磨く

cover_designまずはちょこっと告知。6/18(火) のNHKクローズアップ現代に出ます。「急拡大する“クラウドソーシング”」という特集で19:30より放送します(実際の放送はこちらで御覧頂けます)。

さて、今回のブログ記事。まずは右の2つの画像を見てください。これは先日行ったセミナーでの成果物です。受講生を2グループに別け、現地にいるバングラデシュ人とアメリカ人グラフィック・デザイナーを各グループに割り当て、ビデオSkypeで登場してもらい、一緒になって世界で勝負出来そうな和書の英語翻訳版の表紙をデザインするというプロジェクトに挑戦してもらいました。

研修とリアルの境をなくす究極のグローバルOJTとは?

odesk_project「だったらoDeskを使って世界に打って出るプロジェクトを作りましょうよ!」

先月からあるベンチャー企業で英語によるDiscussion研修をやる予定が、「Discussionはバーが高すぎる」と役員会に通らなかったらしく、社長に「残念だけど今回はパス。でも研修の最後にやるoDesk(グローバルアウトソーシングサイト)を使って世界中の人材を使いこなす体験をさせる部分は通常業務に組み入れたいとかなり喰いつきが良かったよ」と聞き、思わず冒頭の言葉を口にしていました。

「研修は収益に直結させなければ意味がない」と思いつつ、きちんと投資対効果を測る仕組みが作れないのを残念に思っていました。

ワクワク感がない所に学びはない

draw_squad_33年くらい前にどうしても絵を描けるようになりたくて、いろいろと挑戦したのですが(以前ブログ記事で書きました)、あえなく挫折。再チャレンジということで2年くらい前に東京にあるアートを専門とする大学の「初級イラスト」公開講座に申し込みましたが、全然初級ではなく2回目の授業で同様に挫折。諦めはしませんでしたが中断していました。

昨年秋にベルリンに行き、その時出会った米国人画家よりプライベートレッスンを受け、再々チャレンジ。プライベートレッスン自体は5回しか取れなかったので、それほど進歩したとは思いませんでしたが、別れ際に彼が言った「何でもいいから毎日描いて欲しい。必ず捉えらるようになれるから…」といわれたので、何か毎日楽しく続けられる「絵の公文」みたいなものがないかと10冊位は取り寄せたでしょうか、ずっと探していました。

いま求められているCreativityとは?

collaboration社会が安全で安定しているときは、(今あるモノを)より良く、より効率的に行うスキルが求められる。政治、テクノロジー、ビジネス等、社会環境が不安定になり、過去の常識が通用しなくなるとき、求められるスキルが劇的に変わってくる。「いまあるモノを改善していく」スキルの価値は急速に下がり、"creative"なスキルが大きく求められ出す。
-Bruce Nussbaum

いまどのビジネス書を読んでも"Creativity"という言葉が繰り返し出てきます。"Creativity"と聞くと眉間にしわを寄せる人が多い(笑)。「勘弁してよ。私はCreativeではない」と。

ちょっと抜けているくらいがちょうどいい

imperfections"Cling to your imperfections; they are what make you unique."

ちょうど先日、ある会社の新人研修で「この度は**社に入社、おめでとうございます!」と言おうとした所、何を勘違いしたのかそのライバル会社の名前を言ってしまいました。「やっちまった!」と思いましたが、皆さん大笑いして、当初張りつめていたピーンとした緊張感が解け(英語でのDiscussion相当ビビっていたようです・笑)、結果は良しと。

また、セミナーなどで出て来る意見を整理する為、良くホワイトボードを使いますが、英語の綴りが分からなくなることが多く、しょっちゅう参加している外国人に"Hey, is this the right spelling?"と平気で聞く。

College ReadyではなくInnovation Ready

innovation_ready「フラット化する世界」の著者トーマス・フリードマン氏が3/30付NY Timesのコラム"Need a Job? Invent It" に、

いま過去の中流階級を支えてきた「中級スキルで高給がもらえる仕事」がすごいスピードで消え去っている危険な時代に入っている。(中略)中級レベルのスキルで出来る仕事は近々消滅するだろう。(中略)中流階級に所属する人は(スキルをあげて)高度なスキルの仕事に就くか、階級を落とされるか、その選択に迫られている。

と書いています。いまルーチン化出来る仕事が新興国に奪われるスピードがますます加速。ルーチン化出来ない、高度なスキルが求められるも、ニーズがあまりにも複雑化され、どんなスキルを開発すれば良いのか、特にSTEM (Science, Technology, Engineering, Math)以外のいわゆる文系出身者にとってその定義が難く、本来それを担うはずの大学がその目的を果たせていないとフリードマン氏はいいます。

「失敗」ではなく「実験」

experiment"Experiment never fails."
-Dale Dauten

「失敗を恐れるな!」と良く耳にしますが、正直私はこの言葉があまり好きではありません。もちろん失敗から学ぶものは沢山ありますが、それは後で振り返ってみての話。特に公の場で恥をかきたくないし、惨めな思いはしたくない。出来ることならこうしたことから避けて通りたい。

そんなことをいつも考えながら最近兄に勧められた本、「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」の中で、山中氏が研究成果が出なかった時に読んで励まされたと紹介していた本、「仕事は楽しいかね?」(デール・ダーテン著)を読み、大きくinspireされました。「実験を続けている以上、失敗はしない」と。

人材育成のプロがいない日本企業

helping_hand

私は仕事柄、外資系企業と日本企業の人事(研修担当)の方と話す機会が多く、話す度にいつも大きな違いを感じます。それは社員をお客さんとして見ているかです。

外資系企業の人材育成担当者(といってもほとんどが日本人)はいま現場の最前線で活躍している社員の動向、彼ら彼女らが何に困っているのか。日頃から対話しつつ、世界の流れ、それに伴って求められているスキルの変化等、高いアンテナを立てて追っているのが話していてよく伝わってきます。社員を「お客さん」と考えている。

サービス紹介の動画作っちゃいました!

先日の書いた記事「何故説明がうまく伝わらないか」で紹介した本、"The Art of Explanation (Lee LeFever著)"の中で、「ウェブでビジネスを行っている全てのサイトはトップページにシンプルに2−3分でサービス・商品を紹介する動画を入れるべき」と書いてあり、深く納得。
ちょうどサービス紹介ビデオをいつも使っている海外アウトソーシングサイトのoDeskを使い予算$300で、今流行のWhite board animationスタイルで作ってもらおうと思っていましたが、この本の中に「プロ仕様にすれば効果があるワケではない。素人テイストの方が逆に顧客の感情移入を促し効果がある」といくつか彼が作った動画 (Common Craft Styleというらしい)を紹介しながら、そのノウハウを惜しみなく公開。「よし。これだったら作ってみよう!」と決心しました。