ガラパゴス化する英語業界

英語教育業界、正直ここ10年間、進歩している気がしません。ビジネス英語とかいいながら出てくるのは「本当にそんな表現使うの?」と疑いたくなるような単語や表現ばかり。これだけリーマン・ショック以降、世界が猛スピードで変化し、それに合わせて英語自体も劇的に変わっているのに気付いていないのか、見て見ぬ振りをしているのか。アカデミック過ぎて全然実践的ではない。
例えば「ビジネス英語のバイブル」と言われているNHKラジオの【実践ビジネス英語】。今週のテキストを読んでみるとシチュエーションがニューヨーク在住の日本人ビジネスマンが出張帰りの飛行機の中で腰を痛め、入院した話をアメリカ人の同僚としている。そして病院食の善し悪しについて話している。この会話が何とも洒落ててアメリカ人、それもウォールストリートで働いている白人同士がsmall talkに使うようなおしゃれな表現のコレクションになっている。"be laid up (寝込んでいる)"とか"be in agony (苦しみもだえている)"など私でも絶対に使わない表現を覚えさせる。私だったら"resting"とか"be in pain"とシンプルな言葉を使う。もちろんsmall talkも重要ですが、そこが本質ではないし、実践的ではない。

Eye contactを保つスキル

「ビデオ会議とかでこちらの主張が、ちゃんと伝わっているかどうか不安です。」
最近Executive向けのCommunication Coachingをはじめ、eye contactの大切さ、感情表現を表に出すことの大切さを痛感します。英語が世界の共通言語として、よりシンプルなコミュニケーションツールに生まれ変わった今、このeye contactを保つスキル、感情表現を表に出すスキルが本当に重要になってきます。この2つのスキルは表裏一体でglobal communicationにおいて最も重要なのではないかと最近特に感じています。
日本語という言語が感情表現を表に出す必要のない言語だからでしょうか、私が見る限り、英語を話しているとき感情を表情に出している人は少ないように感じます。大部分がポーカーフェースで相手とやり取りしている。そこを指摘すると、

“Um-hum”を使うのはやめましょう

週間東洋経済の「脱TOEIC特集」で弊社のサービスが紹介されて以来、MANABI.stのレベルチェックテストを受けるTOEIC高得者が増えています。終了後別途カウンセリングを予約してもらい、一緒に講師側で録音された音声を聞くとほぼ共通した所で躓いている。
先週カウンセリングを行った中で3名はTOEIC 900点を超えていました。これだけの点数を持っていても仕事で英語が通用せず困っているという。何故か。
音声を一緒に聞いていていつも感じるのが、聞く姿勢が完全にpassiveになっているということです。これはTOEICの点数に関係ない。ほぼ全員passive、受け身で聞いています。"um-hum"や"yes"だけ挟みながら聞いている。
これ意外に思われるかもしれませんが、"um-hum"や"yes"のみで確認されると相手が「この人、本当に理解しているか」と不安になります。

激動の時代に求められるスキル

Bombarded by change, most organizations simply cannot envision the functional capabilities needed two or three years from now. Conventional training faces some of the same challenges. By the time courses are designed and delivered, the subject skills are already becoming outdated.
-IBM Global CEO Study 2012
2年前に「変化のスピードに着いていけるか」という記事の中で、IBM社が隔年出しているGlobal CEO Studyというレポートを紹介しました。これはIBM社が1,500名社以上のグローバル企業のCEOと直接面談し、世界のトップが今後の世界情勢をどう見ているか、そしてそれにどう対処していこうとしているかを調査したものです。
今後の世界動向を占う上で、とても分かりやすく書いてあり、このレポートを通じて、今後どういった人材が求められているのか大いに参考になります。2010年のレポートでは
  • キーワードはComplexity. グローバル化の加速に伴い、新興国で億単位で新たな新規消費者層が誕生。ニーズが多様化しすぎて何が当たるかわからないこと。

常にDoerでありたい

There's two kinds of people in this world… You've got your 'talkers' and you've got your 'doers'. Most people are just talkers... But when all is said and done, it's the doers who change this world. 
-映画「処刑人(The Boondock Saints)」より
5/19(土)にPechakucha nightというイベントを行いました。pechakuchaとは20枚のビジュアルスライドを20秒自動送りで行うプレゼンスタイルで2003年に東京に住む外国人建築家が建築家同士仕事を見せ合う交流イベントとして実施。その方法がユニークでクリエイティブということで瞬く間に世界中に広まりました。
昨年、友人の石倉洋子さんがこのpechakucha styleをイベントに取り入れているのを見て、「これは面白い!」と現在年に2回行っているGlobal Communication Seminarに取り入れています。

溢れんばかりの才気

It's difficult (to play with her) in a sense that it's so natural and it doesn't daunt on her that we mortals have difficulty following her… but it's that difficulty that makes the music so interesting and adventurous.
-Daniel Barenboim
友人で音楽家の永井千佳さんが昨年書いたブログ記事「薄幸な運命が天才を開花させる」を読んで以来、天才チェリストで若くして亡くなられたジャクリーヌ・デュ・プレ氏にすっかりと魅了されています。最近ではセミナーや講演を行う前に必ず永井さんがその記事内で埋め込んだデュ・プレ氏のライブ演奏を聞いて心を落ち着かせています。
私は中学時代、音楽の成績はずっと2でしたので1だった美術よりは少なくとも倍の才能があります(笑)。ですから今回は自信を持って音楽について熱く語りたいと思います。

Don’t plan… “Improvise!”

まずはちょこっと告知。4/22(日)午前10時より英語によるDiscussionを体験していただくオープンセミナーを行います。詳しくはこちらを御覧下さい。さて、今回のブログ記事。最近ビジネス書を読んでいると"improvise"という言葉をよく見かけます。日本語に直すと「即興」。世の中がこれだけ複雑化し、1年先すら読めない時代。いままであったものをよりcheaper, faster, betterにするというビジネスモデルが通用しなくなったことは今期ソニーを始め日本のエレクトロニクス業界が計上した巨額な赤字をみればよく分かります。
「こうした不確実な時代、大切になるのは先々まで計画してR&Dに巨額な投資をするよりも計画はそこそこに小さくはじめ、実験し、走りながら考え、先の見えないゴールに対してimproviseしていくスキルが重要になってくる」と最近読んだJugaad Innovationという本の一節に大きく頷かされました。当然ビジネスは一人で行っているわけではないのでこれには様々な国の人達とのコミュニケーションは避けて通れない。

アルゼンチン行ってきました!

Imagination comes, works, when you are not trying, when you have a peculiar passive clarity.
-Brenda Ueland
3〜4ヶ月日本で働いて1ヶ月外国で働きながら充電するというノマドワーキングが果たして可能か。今回、約1ヶ月、アルゼンチンのブエノスアイリスにその調査を兼ねて行ってきました。
初日にiPhoneをなくしてしまい、出発前ヤフオクで買ったSIMロックフリーの携帯電話が現地で不良品と判明、仕方なくその場で安い携帯電話を調達するも何故か日本からの通話を受けつけない(会社宛の電話を転送出来ない)。さらに宿泊先のインターネットが故障。出だしから大きく躓きました。ネットがないとどうしょうもないのですぐにアパートを借りる手配をしました。

自分にしか出来ないことをする

昨年のはじめに友人でSNSマーケティングの専門家の宗像淳さんに"The 4-Hour Workweek"という本を薦められ、著者が3ヶ月毎に場所を変え、世界中を旅しながら働いているということを知り、その時は「羨ましいな〜」としか思いませんでした。しかし、昨年夏頃から何か新しいinspiration、刺激を求め1ヶ月日本から脱出出来ないか、急に意識し出し、これがようやく明後日から実現出来ることになりました。いま時代がすごい勢いで動いているのを実感しています。
「何事も出来る限りシンプル化する」
「自分にしか出来ないことをする。それ以外は人に任せる」
昨年はこの2つを追求した年でした。私が現在携わっているビジネスは基本的には3つ。

アニメをアウトソースする

ちょうど先週の日曜日に3ヶ月に渡って行ったグローバル・コミュニケーション・クラスが終わりました。このグローバル・コミュニケーションと名付けたプログラム。ある程度の英語力(TOEICで言えば600点以上)と社会人経験(5年以上)のある人を対象に3ヶ月で一気に世界で活躍する際に必要なスキルをつけていただく。そういったイメージで昨年春よりスタートしたプログラムでちょうど先週末第3期が終わりました。

週1回の講義(全12回)では普段このブログで書いているような日本式とは全くコミュニケーションの取り方、特に多人数でその場で物事を決めていくミーティングなどでどう貢献していくかをはじめ、論理的に考える力、ブレストやプレゼンテーションの準備及びリハの仕方、Creativityなど従来個別に縦割りで開発してきたスキルを横で切る(一括で開発する)イメージで設計しています。