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「中国人とビジネスをしているんだけど時々何を言っているのかさっぱり分からない。本当に参っちゃうよ。」
最近こういったことをいう欧米人が増えているように感じます。もちろん相手は中国人に限ったことではありません。
先日(11/29)の日経新聞での「主要7カ国(G7)の存在感が低下している。世界のGDPに占めるG7の割合は1980年代の50%超から2010年年以降は30%台半ばに落ち込む。変わって2014年には世界の新興国全体では世界GDPに占める割合が50%を超えるだろうと国際通貨基金(IMF)は予想している。」いう記事を読み、私の中でちょっとした気づきがありました。
英語の性質がここ数年で劇的に変わってきているのではないかと。
前々回の記事「初心者もNegotiationを!」でも書きましたが、最近いろいろな場面で英語によるDiscussionをファシリテートするようになり、参加者の英語のレベルに関係なく(語彙力が中学卒業レベルの方も参加しています)楽しいDiscussionに導いていく自信がついて来ました。しかしこういったDiscussionに使える教材はほとんどありません。MBAで使用するようなケースは専門的過ぎます。かといって英会話でやるような単発的で非現実的なロールプレーではあまり意味がない。
だったら自分で作るしかない!ということで普段からどんな課題がケースとして面白いかあちこちアンテナを張って考えています。Discussionは全員で正解のない問題を解決(方向付け)をしていくセッションです。大切になるのは内容がシンプルで誰でも感情移入できるような問題を提起すること。その問題自体が知的好奇心を刺激するようなストーリーでなければならないこと。今回は最近作ったDiscussion用教材を公開して、皆様の考えを教えて欲しいと思います。
いろいろとコミュニケーションについて書いてきましたが、最近いろいろな人に会い、英語だろうが日本語だろうが一番大切なのは「この人にだったら何を話しても真剣に受け止めてくれる」という安心感が作り出せるかどうかが本当の意味でコミュニケーション能力なのではないかと思うようになりました。
もちろん難しいことをシンプルに説明する能力や核心を突いた質問をすることも重要ですが、結局何でも話せる、聞ける雰囲気があれば、誤解もなくお互い気持ちよく理解しあえます。
これはNegotiation Seminarをやっているとよく分かります。このセミナーは参加者に北米にいる現役のビジネスパーソンとビデオ会議で実際にビジネス交渉をするものですが、徹底的に理論武装をして、絶対に騙されないぞ、自分のタフネゴシエーターぶりを見せつけてやろうというオーラを出しながら交渉に臨むと、相手のボルテッジも同様に上がっていきます。
本日「欧米流交渉術を学ぶ」というセミナーをある団体向けに行いました。Negotiationというと英語学習の最難関、最終到達点と考えていらっしゃる方が多いと思いますが、私は初心者だろうが上級者だろうが関係なく参加していただいています。英語のレベルというよりも社会経験のほうが遥かに重要で、特にNegotiationセミナーはどんなに英語が堪能でも大学生や社会人1年目の方には遠慮していただいています。社会経験をつんできた方同士の方がその経験を語ることができますので議論が深まるからです。
MBAで実際にやるようなNegotiationを英語のレベルに関係なくやらせてみる。そし誰も置いていかないようにしっかりとファシリテートし、「勉強になった。楽しかった。」と満足して帰っていただく。これは誰もやっていない試みであり、やりがいがあります。
皆さんはプレゼンを行う際、どのように準備をされていますか。深く考えずぶつけ本番で臨む方。パワーポイントのスライドだけしっかりと作り、大した練習はせず臨む方。当日読み上げる原稿をしっかりと作り安心して臨む方。原稿を丸暗記をして臨む方。いろいろといらっしゃると思います。
最近日本語・英語問わずプレゼンのコーチングをする機会が増えており、学ぶことが非常に多いです。合わせて、いろいろんな人のプレゼンを見に行く機会も多く、感じることがたくさんあります。私が考えるプレゼンの準備法について何回かに分けて書きたいと思います。
まずは何の為にプレゼンをするのか。e-mailや書類で送る訳ではなく、電話会議で話すわけでも映像で見せるわけでもない。わざわざ人を集めて、あえてプレゼンという形態で聞いてもらう意味は何か。これは見過ごされがちですが非常に大切な点です。
伝えたいメッセージをどのようにシンプルで効果的に伝えるか。一対一、プレゼン、e-mail等の文章と手段は違えど、コミュニケーションを図る上でいつも悩んでしまいます。
今、Malcolm Gladwell氏の先日出たばかりの本、What the Dog Sawを読んでいますが、この人の書くStoryは本当に面白く、メッセージのシンプルで効果的な伝え方を考える上で非常に参考になります。Malcolm Gladwell氏はビジネス系ノンフィクションの分野ではGuru(教祖)といわれている人で現在週刊誌The New Yorkerの記者をしています。Gladwell氏が2000年に出しましたThe Tipping Point(邦題:急に売れ始めるにはワケがある)は日本ではあまり売れていませんが、アメリカでは200万部売れた大ベストセラーで、そのストーリーの書き方・思考法は多くのビジネスパーソンに影響を与えています。以前ブログで紹介しました"Made to Stick (邦題:アイディアの力)"はThe Tipping Pointで紹介された口コミを起こすのに必要な"The Stickiness Factor(一度聞いたら忘れられないストーリー構成)"を深く追求した本です。このコンセプトは、先日ブログで紹介しました"presentation zen"の著者、Garr Raynolds氏にも大きな影響を与えています。Gladwell氏のメッセージの伝え方のすごいところは以下の3点:
本日インドと日本をつなぐBusiness/IT Consultingを行っている会社の社長(インド人)とランチをして、グローバルビジネスのルールが転換しつつあることを肌で感じました。
英経済誌The Economistの記事"A special report on telecoms in emerging markets"によると、各国の携帯電話加入者の一人当たりの月間支払額の比較が出ており、それによると
日本:59ドル、米国:51ドル、中国:10ドル、インド:7ドル弱
(ドルはUS$)と先進国と途上国の差が大きい中、インドの携帯電話会社の営業利益率は欧米トップの携帯電話会社並みの40%であると驚くべきことが書いてあります。
また先日TATA Motorsの2,000ドルの自動車「ナノ」やTATA Housingの総建築費10,000ドル以下の家が爆発的に売れているというニュースを聞くと、何か今まで考えられてきた常識やルールが変化しているのではないかと感じざる得ません。
Positive Criticism。 直訳すると「建設的な批判」になります。例えばプレゼンを行った後、自分のパフォーマンスがどうだったか。きちんとメッセージが伝わったか。正直な感想を知りたいと思いますね。いや、「知りたくない!もう忘れ去りたい!」という方々の方がが多いかもしれません。私もそうでした(笑)。しかし本気で上達をしたいと思う場合、本心はどうしても聞きたい。しかし、実際にPositive Criticismを得ようとすると非常に難しいことがすぐに分かります。
何故か。日本語でコミュニケーションを図る際、最も大切になるのは対話相手の「気持ち」であるとこのブログで何度も書いてきました。この「気持ち」を大切にするあまり、普段から面と向かって批判されているのに慣れている日本人は少なく、わずかな批判でも実際にされると気分を害してしまう。ひどい場合は「批判」を「否定」に捉えてしまい、過剰に自己防衛してしまうか、気分を害して殻に閉じこもってしまい、今後の関係にひびが入ってしまう。よって建設的なフィードバックを行いたい時は、相手の顔色を伺いながら、「どこまで言っても傷つかないか」を計算しつつ、深いところまで空気読み、言うか全く言わないか常に悩んでしまいます。そしてほとんどの場合、後者を選んでしまう。
"If you're not prepared to be wrong, you'll never come up with anything original."(Ken Robinson, TED Conference)
以前TED Conferenceの記事で紹介しましたCreativity研究の第一人者であるKen Robinson氏のスピーチに刺激を受けて、Creativityのバイブルといわれる本を何冊か読んでみました。その中で、特に面白かったのはこの3冊。
これ以外にも何冊か読んだのですが、その大部分は「How to 本」でどうもピンと来ません。「How to 本」に共通する特徴は「こういった技を使えばCreativeな発想が出てくる」というもので、小手先のテクニック論に終始しており、根本的な問題解決になるように思えません。最近こういった本がよく売れているような気がします。「こうすればネイティブのように英語を話せるようになる!」や「こうすれば年収が3倍になる!」など。余談でした。。。今回はCreativeになる為に必要なマインドセットについて考えたいと思います。