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土曜日に無事、「リーマンショックが世界を変えた-ビジネス英語がこう変わる」セミナーのUstream配信、終えました。配信にご協力いただいたHさん、Sさん、参加いただいた9名の方々、視聴していただいた皆様、また告知協力いただいた方々、ありがとうございました。
今月からDiscussionの行い方を教えに宇都宮大学で公開講義を持つと何気なくTwitter上でつぶやいたところ、「DVDで見たいので何とかならないか」から「いっそUstreamを使ったライブ中継をやってみては」と発展し、勢いでやってしまいましたが、家庭用ビデオカメラ2台とSkype用に買った会議用マイク付スピーカー(タコ型)でライブ配信が出来るとは、正直驚きです。音はあまりよくありませんでしたが、個人の想いを伝達する手段として、ブログ、Twitter、Facebook、Youtubeに続いて、ライブ放送というのは非常に大きな可能性を感じました。
まずはちょこっと告知。水曜日にプレスリリースしましたが、今週22日(土)午前10時から行うセミナー、「リーマンショックが世界を変えた-ビジネス英語がこう変わる」をUstreamというインターネット放送局を使い、ライブ配信します。昨日リハーサルをしましてて友人に問題なく見れているよといわれた時はさすがに感動しました。すごい時代になっています。視聴には当日→http://ustre.am/hxk3/をアクセスください。
さて、今回の記事。先週土曜日に「グローバルエンジニアに求められるビジネス感覚」というセミナーの報告。「株価はどう決まるのか」というテーマでディスカッションを行いました。今回は100%日本語。日本語でのDiscussionを仕切るのは初体験。「お前はいったい何を専門にやっているんだ?」と突込みが入りそうですが、「広い意味でのグローバル人材教育を行っている」と答えています(笑)。セミナーのタイトルに「感覚」と書いてあることがポイント!
「他の受講者の英語レベルはどれくらいでしょうか。自分はTOEIC***点を持っています。」
セミナー案内を出す度にこういった問い合わせを受けます。ほとんどの英会話スクールがクラスをレベル別に分けていて、レベルを上げる為に努力させる仕組みを作ったからでしょうか。または英語以前に無意識のうちに、「自分より英語力のある人たちと話し恥をかきたくない」「自分よりレベルが低い人と話しても勉強にならない」と思ってしまうからでしょうか。必ずといっていいほどこうした質問を受けます。
こうしたマインドはここ数年で一気に時代遅れになってしまったことに気づかなければなりません。
外部環境は大きく変化しているのにどうして人間は変われないのか。"Thinkertoys: a handbook of creative-thinking techniques (Michael Michalko著)"に「なるほど!」と思う、ストーリーを発見。これはある科学者が行った5匹の猿を使った実験です。
5匹の猿をある檻に閉じ込め、天井にバナナを吊るすとともに、その下に階段を設置します。するとすぐに一匹の猿がバナナに気づき、階段に向かって走り出す。しかし階段を上ろうとした瞬間に科学者はその猿に氷水を浴びせる。非情にもバナナを取ろうとした猿のみならず、残りの猿達にも氷水を浴びせます。
当然別の猿も挑戦します。しかし同様にその猿も仲間達も氷水をかけられる。何度かこれが繰り返されるうちに猿たちはバナナを諦めます。実験はここから面白くなります。
You begin with a puzzle--you get everybody puzzled, and tied in knots, and mixed up. Those puzzles and knots generate questions for students and then you begin to help them untie the knots.
来月より宇都宮大学で"英語発信能力"養成講座"という公開講座を、また今月よりある団体向けに「グローバルエンジニアに必要なビジネス感覚を養う」という講座を持つことになり、どうしたら効果的なLearningの場が提供できるか。いかにして伝えたいメッセージを感じ取ってもらえるか。いろいろとアイディアを膨らませております。特に後者は「ファイナンス」「財務諸表の読み方」「マーケティング」など毎回テーマを設定し、2時間でエンジニア向けにそのエッセンスを伝える新しい挑戦であり、ワクワクしています。さて、冒頭の引用。
先週金曜日の日経新聞に建築費500万円台の家が登場したと書いてありましたが、いま世界の流れをみていますと、機能を大幅に絞り込み、常識を遥かに超えた低価格の商品が新興国で開発され、これが貧困問題を解決すると共に、新たな消費者層が生むという大きなInnovationが起きています。こうした現象を"Reverse Innovation"もしくは"Frugal Innovation"と呼ぶそうです。
今週号の英エコノミスト誌の特集記事"A special report on innovation in emerging markets"によると、1980年代に日本の自動車業界がトヨタ生産方式で製造業に大きなInnovationを起こしたのと同様のことが今、新興国でまさしく起きていることがよく分かります。日本は「資源がない、土地がない」という制約がこうしたInnovationを生んだのと同じように、新興国では「貧困・衛星問題」の解決がこうしたInnovation原動力となっていると同レポートに書いてあります。
「朝令暮改」。2年前、はじめてこの言葉を聞いたとき、「それってどういう意味ですか?」と思わず言ってしまいましたが(笑)、朝出した命令を夕方には改める、そういった人は一貫性がなく、信用できない。確かにこんな上司は持ちたくありません。
一度言ってしまったことはなかなか取り下げることが出来ません。「自分の言ったことには責任を持ちなさい」と親や先生から子供の頃、口酸っぱく言われてきました。実はこの「朝令暮改」マインドがあらゆる意味で円滑なコミュニケーションを阻んでいるように感じます。
「分からないことは絶対に流さず分からないとその場で言って欲しい」、「とにかく失敗を恐れず発言をして欲しい」。英語によるDiscussionをはじめる前、毎回いいますが、普段そういったコミュニケーション方法を取らない我々日本人にとって、これはとてつもないRiskであり、英語云々以前に高いハードルとなります。こうしたマインドセットをどう身につけ、実践してもらうか。常にヒントを探しています。
mindset (邦題:「やればできる!」の研究」・Carol Dweck著)によると人間は「固定マインドセット(Fixed Mindset)」と「成長マインドセット(Growth Mindset)」を持つものに分かれると書いてあります。「固定マインドセット」を持つ者の特徴として「人に頭良く見られたい」という願望が強いといいます。そして「自分自身、頭が良いと感じるのはどんな時?」と聞くと、
There is world of difference between being "curious" about someone and "try to understand" someone.
--Annette Simmons
昨年は「これだ!」と思うような本にあまり巡り合いませんでしたが、今年はかなりキテます(笑)。いま、"The Story Factor (Annette Simmons)"という本に大きなinspirationを受けています。
冒頭の引用、「興味(好奇心)を持って相手の話を聞くことと、単純に相手の話を理解しようとすることは本質的に違う」と。そしてこう続けます。